【完全ガイド】グラフの種類と使い分けを一覧で解説!データに最適な選び方がわかる

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「レポートのデータを、もっと分かりやすく伝えたい」
「このデータには、どのグラフを使うのが正解なんだろう?」

ビジネスの現場や学術的な発表で、データを扱う際に誰もが一度は悩むのがグラフの選び方です。データはただ数字を並べただけでは、その価値を十分に伝えることはできません。しかし、データの内容や伝えたいメッセージに合わせて最適なグラフを選ぶことで、複雑な情報も直感的で説得力のあるものに変えることができます。

この記事では、数あるグラフの種類を目的別に整理し、それぞれの特徴と「どんな時に使うべきか」を具体例とともに徹底解説します。この記事を読めば、もうグラフ選びで迷うことはありません。

グラフ選びの4つの基本目的

どのグラフを使うか考える前に、まずは「そのデータを使って何を伝えたいのか」という目的をはっきりさせることが重要です。グラフで表現したいことの多くは、以下の4つの目的に分類できます。

  1. 比較: 複数の項目の大きさや量を比べたい(例:店舗別の売上高)

    比較するグラフの例
  2. 推移: 時間の経過とともに数値がどう変化したかを見たい(例:月ごとのウェブサイトアクセス数)

    推移を見るグラフの例
  3. 構成: 全体に対してそれぞれの項目がどのくらいの割合を占めているかを示したい(例:年代別の顧客構成)

    構成を見るグラフの例
  4. 分布・関係性: データがどのように散らばっているか、また2つのデータの間に相関関係があるかを知りたい(例:気温とアイスクリームの売上関係)

    分布・相関を見るグラフの例

自分の伝えたいことがこのどれに当てはまるかを考えるだけで、最適なグラフはぐっと絞り込めます。

【目的別】グラフの種類と使い分け一覧

それでは、上記の4つの目的別に、代表的なグラフの種類とそれぞれの使い分けについて見ていきましょう。

1. 量を比較したい → 棒グラフ

複数の項目の数値を比較するのに最も適した、基本中の基本となるグラフです。

縦棒グラフ

時系列のデータや、順位が重要な項目を比較する場合に見やすいです。項目の数が多すぎると横幅が窮屈になるため、10項目程度までが目安です。

  • 適したデータ: 月別の売上、製品別の販売数、アンケートの選択肢ごとの回答数など。

縦棒グラフの例

横棒グラフ

項目名が長い場合に適しています。また、ランキング形式で上位から並べると、視覚的に優劣が分かりやすくなります。

  • 適したデータ: 国別の人口、商品カテゴリー別の在庫数、ウェブサイトの流入元ランキングなど。

横棒グラフの例

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>> 棒グラフの詳細や種類の詳しい解説記事はこちらから

2. 時間的な推移を見たい → 折れ線グラフ

時間の経過に伴うデータの増減や傾向を見るのに最適なグラフです。

折れ線グラフ

売上や気温、株価など、連続的なデータの推移を示すのに使われます。複数のデータを一本のグラフにまとめて比較することも可能です。線の数が増えすぎると見づらくなるため、5本程度が上限の目安です。

  • 適したデータ: 年間の気温変化、日別のウェブサイトPV数、過去5年間の業績推移など。

折れ線グラフの例

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>> 折れ線グラフの詳細や種類の詳しい解説記事はこちらから

面グラフ

折れ線グラフの線と横軸の間を塗りつぶしたグラフです。全体の量の変化を視覚的に強調したい場合に有効です。複数の項目を積み重ねて表示することで、総量の変化と内訳の推移を同時に示すこともできます。

  • 適したデータ: 市場シェアの推移、年代別人口の推移など。

面グラフの例

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3. 内訳や構成比を示したい → 円グラフ・帯グラフ

全体に対する各項目の割合(シェア)を表現するのに使われます。合計が100%になるデータに用いるのが原則です。

円グラフ・ドーナツグラフ

構成比を視覚的に分かりやすく示すことができます。アンケート結果の表示などでよく使われます。項目数が多すぎると、各項目の扇形が細かくなりすぎて判別しにくくなるため、5〜6項目程度が適切です。

  • 適したデータ: 製品の市場シェア、アンケートでの年代構成、一日の時間の使い方など。

円グラフ・ドーナツグラフの例

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>> 円グラフの詳しい解説 / ドーナツグラフの詳しい解説

帯グラフ(100%積み上げ棒グラフ)

長方形の帯全体を100%とし、各項目の割合をその内訳で示すグラフです。複数のグループの構成比を並べて比較したい場合に特に有効です。

  • 適したデータ: 複数国での支持政党の割合比較、年代別のSNS利用率の比較など。

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>> 帯グラフ(100%積み上げ棒グラフ)の詳しい解説はこちらから

100%積み上げ面グラフ

全体の合計が常に100%になるように、各項目の構成比の推移を示すグラフです。帯グラフが時間と共に変化していくイメージで、市場シェアの推移など、割合の変化を時系列で見たい場合に非常に有効です。

  • 適したデータ: 複数製品の市場シェアの推移、年代別人口構成の長期的な変化など。

100%積み上げ面グラフの例

100%積み上げ面グラフをオンラインで作成する

4. 分布・関係性を知りたい → 散布図・ヒストグラム

データ全体の散らばり具合や、2つの異なる要素の相関関係を分析するのに役立ちます。

散布図(Scatter Plot)

縦軸と横軸にそれぞれ異なるデータを設定し、対応する箇所に点を打っていく(プロットする)グラフです。2つのデータの関係性(相関関係)を見るのに適しています。点が右肩上がりに分布していれば「正の相関」、右肩下がりなら「負の相関」があると考えられます。

  • 適したデータ: 身長と体重の関係、広告費と売上の関係、勉強時間とテストの点数の関係など。

散布図の例

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散布図の場合、X軸Y軸にそれぞれ一つずつ項目を表現できます。さらにZ軸として点の大きさで表現したものはバブルチャートと言います。

バブルチャートの例

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ヒストグラム

データの範囲をいくつかの区間(階級)に分け、各区間に含まれるデータの個数(度数)を棒グラフで表したものです。データ全体の分布のばらつきや、特定の範囲への集中度合いを把握するのに使います。棒グラフと見た目は似ていますが、横軸が連続した数値の区間である点が異なります。

ヒストグラムの例
  • 適したデータ: クラスのテストの点数分布、製品の重量のばらつき、顧客の年齢分布など。

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【応用編】さらに表現力を高めるグラフ

基本的なグラフに加えて、以下のような応用的なグラフも使いこなせると、より多角的なデータ分析や説得力のあるプレゼンテーションが可能になります。

レーダーチャート(スパイダーチャート)

複数の項目のバランスを見るのに適しています。(例:個人のスキル評価、製品の性能比較)

レーダーチャートの例


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ツリーマップ

階層構造を持つデータの構成比を、面積の大きさで表現します。(例:ECサイトのカテゴリー別売上構成)

ツリーマップの例

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サンキーダイアグラム

複数のプロセス間での量の流れや移り変わりを表現します。(例:ウェブサイト内でのユーザーのページ遷移、エネルギーの流れ)

サンキーダイアグラムの例

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>> サンキーダイアグラムの詳しい解説記事

これらのグラフも、オンライングラフ作成ツールの xGrapher を使えば、専門的な知識がなくても直感的な操作で簡単に作成することができます。

もう迷わない!最適なグラフが見つかるチャートファインダー

「いろいろな種類があるのは分かったけど、結局どれを使えばいいの?」

そんな方のために、xGrapherではあなたの目的データに合わせて最適なグラフを提案する「チャートファインダー」という便利な機能をご用意しています。

最適なチャート・グラフ診断のスクリーンショット

いくつかの簡単な質問に答えるだけで、おすすめのグラフとその作成例を瞬時に表示します。「比較したい」「時系列で見たい」といった目的を選ぶだけで、この記事で紹介したようなグラフの中から最適な候補を提案してくれるので、グラフ選びの強力な助けになります。ぜひ一度お試しください。

伝わるグラフを作成するための3つのポイント

最後に、どのグラフを選ぶかにかかわらず、分かりやすく「伝わる」グラフを作るための基本的なポイントを3つご紹介します。

  1. 1つのグラフに1つのメッセージを込める: 欲張って多くの情報を詰め込みすぎると、かえって何が言いたいのか分からなくなります。グラフを通じて最も伝えたいメッセージは何かを明確にしましょう。

  2. タイトルと単位を必ず明記する: 「何の」データを「何の単位で」表しているのかが分からないグラフは、ただの図形にすぎません。誰が見ても内容を正確に理解できるよう、タイトル、軸ラベル、単位、データソース(出典)を必ず記載しましょう。

  3. 色やデザインはシンプルに: カラフルすぎたり、不必要な3D効果を使ったりすると、データそのものよりもデザインに目がいってしまい、本質が伝わりにくくなります。色は強調したい部分に限定して使い、基本はシンプルでクリーンなデザインを心がけましょう。

まとめ

今回は、数多くのグラフの種類を「比較」「推移」「構成」「分布・関係性」という4つの目的別に整理し、その使い分けについて解説しました。

  • 比較なら棒グラフ

  • 推移なら折れ線グラフ

  • 構成比なら円グラフ帯グラフ

  • 分布・関係性なら散布図ヒストグラム

まずはこの基本を覚えることが、適切なグラフ選びの第一歩です。

よく使用されるグラフを以下の画像にまとめました。

チャート・グラフ一覧

どのグラフを使えば良いか迷ったときは、まず「データで何を伝えたいのか」という原点に立ち返ってみましょう。
そして、この記事や xGrapher の「チャートファインダー」を活用して、あなたのデータに命を吹き込む最適なグラフを見つけてください。

xGrapher では、今回ご紹介したすべてのグラフを、誰でも無料で簡単に作成できます。ぜひ、あなたのデータ可視化にお役立てください。

よくある質問(Q&A)

Q1. 棒グラフとヒストグラムの違いがよく分かりません。
A1. 見た目は似ていますが、目的と横軸の意味が全く異なります。棒グラフは「製品A、製品B」のように独立した項目を比較するために使い、横軸の項目は順序を入れ替えても問題ありません。

棒グラフとヒストグラムの違い

一方、ヒストグラムは「0〜10点、10〜20点」のように連続したデータを区切って、その分布を見るために使います。そのため、横軸は連続しており、棒同士はくっつけて描かれます。

Q2. 円グラフは使わない方が良いと聞いたことがありますが、本当ですか?
A2. 円グラフは各項目の面積を正確に比較するのが難しいという弱点があります。特に項目数が多かったり、各項目の割合が近かったりすると、違いが非常に分かりにくくなります。そのため、ビジネスの正確なデータ分析の場では、同じ構成比を表せる帯グラフ(100%積み上げ棒グラフ)の方が好まれる傾向にあります。

円・ドーナツチャートと帯グラフの比較

帯グラフに似たグラフには100%積み上げ面グラフがあります。割合とその推移を示すのに向いています。

100%積み上げ面グラフの例

Q3. 折れ線グラフで、データがない期間はどうすれば良いですか?
A3. データが存在しない期間がある場合、線を途中で切るか、点線でつなぐのが一般的です。実線でそのままつないでしまうと、あたかもその期間にデータが連続して存在していたかのような誤解を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。

Q4. 複数のデータを1つのグラフに入れたいのですが、どのグラフが良いですか?
A4. 目的によります。時系列データの推移を比較したいなら、複数の線を引いた折れ線グラフが適しています。各時点での総量とその内訳を同時に見たい場合は、積み上げ棒グラフ面グラフが有効です。構成比をグループごとに比較したい場合は帯グラフ100%積み上げ面グラフが良いでしょう。

Q5. プレゼン資料で使うグラフで、一番やってはいけないことは何ですか?
A5. 誤解を招く表現をすることです。例えば、縦軸の目盛りを0から始めずに途中から始めることで変化を過剰に大きく見せたり、3D効果などで一部のデータを不必要に大きく見せたりする「見せ方」は、データの意図的な歪曲と受け取られかねません。誠実で分かりやすいグラフ作成を心がけることが最も重要です。

コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。

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