ドーナツグラフとは？円グラフとの違いから、おしゃれな作り方のコツまで解説

ドーナツグラフと円グラフ、どこが違うの？

ドーナツグラフと円グラフは、どちらも全体に対する割合を示すためによく使われますが、いくつかの重要な違いがあります。それぞれの特徴を理解して、目的に合わせて使い分けましょう。

1. 見た目と情報の焦点

一番分かりやすい違いは、中央に穴が空いているかどうかです。円グラフは扇形の「面積」で割合の大きさを表現しますが、ドーナツグラフは円弧の「長さ」で割合を示します。このため、ドーナツグラフの方が各項目の差を比較しやすいという意見もあります。

2. 中央スペースの活用

ドーナツグラフの最大の特徴は、中央の空白スペースを有効活用できる点です。このスペースに、データの合計値、グラフのタイトル、重要な指標（KPI達成率など）、関連するアイコンなどを配置することで、グラフを見る人が一目で最も重要な情報を理解できるようになります。一方、円グラフにはこのスペースがありません。

3. 複数のデータ系列の表現

ドーナツグラフは、複数のグラフを重ねる「多重ドーナツグラフ」にすることで、複数のデータ系列を一度に比較できます。例えば、年度ごとの売上構成比や、異なる店舗の顧客層の比較などをスマートに表現できます。

どちらが良いというわけではなく、シンプルに構成比だけを見せたい場合は円グラフ、追加情報や複数のデータをスマートに見せたい場合はドーナツグラフ、というように使い分けるのがおすすめです。

>> 円グラフの解説記事はこちらから

ドーナツグラフを使うメリットとデメリット

ドーナツグラフは便利で見た目もおしゃれですが、万能ではありません。メリットとデメリットを理解し、適切な場面で活用しましょう。

メリット

• 中央スペースに情報を追加できる: 前述の通り、グラフの総数やタイトルなどを中央に配置でき、情報集約度が高まります。

• 洗練されたデザイン: 円グラフに比べて圧迫感がなく、モダンでスタイリッシュな印象を与えます。資料全体のデザイン性を高めたい場合に効果的です。

• 複数データの比較が容易: 多重ドーナツグラフを使えば、省スペースで複数の構成比データを比較できます。

デメリット

• 直感的な比較が難しい場合も: 円グラフの「面積」に比べ、ドーナツグラフの「円弧の長さ」は、特に差がわずかな項目同士の比較が直感的に分かりにくいことがあります。

• 項目数が多すぎると見づらい: これは円グラフも同様ですが、データの項目数が多すぎる（一般的に6項目以上）と、一つ一つの要素が細かくなりすぎてしまい、かえって分かりにくくなります。その場合は、棒グラフなど他のグラフを検討しましょう。

【簡単3ステップ】ドーナツグラフの基本的な作り方

ドーナツグラフは、Excelなどの表計算ソフトでも作成できますが、より手軽に、そしてデザイン性の高いグラフを作りたいなら、オンラインのグラフ作成ツールがおすすめです。ここでは、当サイト「xGrapher」を例に、基本的な作成手順をご紹介します。

Step 1: データの準備

まず、グラフにしたいデータを用意します。例えば、以下のようなカテゴリーとその数値のデータです。

• 項目A: 40

• 項目B: 25

• 項目C: 20

• 項目D: 15

Step 2: グラフの作成

xGrapherのドーナツグラフ作成ツールへアクセスし用意したデータを入力またはコピー＆ペーストするだけ。これだけで、基本的なドーナツグラフが自動で生成されます。

Step 3: デザインの調整

ここからがデザインの腕の見せどころです。

• 色の変更: 各項目の色を、ブランドカラーや伝えたいイメージに合わせて調整します。

• ラベルの表示: 各項目の名称やパーセンテージをグラフの内側や外側に表示させます。

• 中央のテキスト: グラフの中央に表示したいテキスト（合計値など）を入力します。

オンラインツール xGrapher なら、これらの操作がすべて直感的な画面で完結します。面倒な設定は不要で、誰でも簡単に見栄えの良いドーナツグラフを作成できますので、ぜひ試してみてください。

もっと伝わる！ドーナツグラフをおしゃれに見せる3つのコツ

ただ作るだけでなく、少し工夫するだけでドーナツグラフは格段に分かりやすく、魅力的になります。ぜひ取り入れてみてください。

コツ1: 色の選び方で差をつける

配色はグラフの印象を大きく左右します。無関係な色を多用するのではなく、同系色でまとめたり、一番見てほしい項目だけを強調色にしたりすると、メッセージが伝わりやすくなります。また、背景色とのコントラストも意識しましょう。

コツ2: ラベルの配置を工夫する

データラベル（項目の名前や割合）は、ごちゃごちゃしないように整理することが大切です。項目数が少ない場合はグラフの中に配置するとスッキリします。項目が多い場合は、引き出し線を使って外側に配置すると見やすくなります。

コツ3: 中央のスペースを戦略的に使う

中央のスペースは絶好のアピールポイントです。単に合計値を入れるだけでなく、グラフのテーマを表すアイコンを置いたり、最も伝えたい結論（例：「目標達成！」など）を簡潔な言葉で入れたりするのも非常に効果的です。視線が自然と中央に集まるため、メッセージを強く印象付けることができます。

ドーナツの穴（中央の空白）の活用事例

ドーナツグラフの最大の武器である中央のスペース。ここをうまく使うことで、グラフはただのデータの羅列から、意味のある「情報」へと進化します。いくつか具体的な活用事例を見てみましょう。

1. 合計値や平均値を入れる
   最もシンプルで分かりやすい活用法です。アンケートの総回答者数、売上の合計金額、ユーザーの平均年齢など、グラフ全体の基準となる数値を中央に置くことで、見る人は各項目の割合とその背景にある「規模感」を同時に理解できます。
   

   

2. 最も重要な指標（KPI）を強調する
   グラフが示すデータの中でも、特に伝えたい数値を中央に配置します。例えば、「目標達成率 120%」や「コンバージョン率 5.8%」といったキーメッセージを大きく表示すれば、詳細な内訳を見る前に、最も重要な結論が瞬時に伝わります。
   

   

3. アイコンを配置してテーマを表現する
   データのテーマに合ったアイコンを中央に置くことで、グラフの内容を直感的に伝えることができます。例えば、ユーザー層のデータなら人のアイコン👤、ウェブサイトのトラフィックならPCのアイコン💻を配置すると、何のグラフかが一目で分かりやすくなります。
   

   

4. 前期との比較を入れる
   現在のデータだけでなく、過去のデータとの比較を入れるのも効果的です。「前月比 +5%」のように変化を示す情報を加えることで、グラフに時間的な奥行きが生まれ、データの持つ意味がより深まります。
   

   

割合を比較できる他のグラフは？

ドーナツグラフは構成比を示すのに便利ですが、万能ではありません。特に「複数のグループ間での割合を比較したい」場合や、「データに階層構造がある」場合には、他のグラフの方が適していることがあります。代表的なものをいくつかご紹介します。

1. 100%積み上げ棒グラフ

複数のカテゴリー間での構成比を比較するのに最適なグラフです。すべての棒の長さが100%で揃っているため、例えば「店舗Aと店舗Bの顧客年代比率の違い」などを比較する際に、構成比の違いが一目瞭然になります。

>> 100%積み上げ棒グラフ（帯グラフ）を作る
>> 100%積み上げ棒グラフ（帯グラフ）の解説記事

2. 積み上げ棒グラフ

100%積み上げ棒グラフと似ていますが、こちらは各項目の実数値を積み上げて棒グラフにします。そのため、構成比と同時に「全体のボリュームの違い」も表現できるのが特徴です。店舗Aと店舗Bの売上総額に大きな差がある場合などに有効です。

>> 積み上げ棒グラフを作る

3. ツリーマップ

たくさんの項目があるデータの構成比を、面積の大小で表現するグラフです。ドーナツグラフでは表現しきれないような多階層のデータや項目数が多い場合に、全体像を把握するのに役立ちます。

>> ツリーマップを作る
>> ツリーマップの解説記事

4.サンバーストチャート

階層構造を持つデータを同心円で表現するグラフです。ドーナツグラフを多層にしたような見た目で、中心から外側に向かって、より詳細なカテゴリーの内訳を示します。各階層の割合と、全体に対する個々の要素の貢献度を同時に可視化したい場合に非常に強力です。

>> サンバーストチャートを作る
>> サンバーストチャートの解説記事

5.100%積み上げ面グラフ

時間の経過とともに構成比がどのように変化したかを示すのに特化したグラフです。全体の帯が常に100%となり、各項目の割合が色分けされた面積で表現されます。市場シェアの推移や、プロジェクトの各フェーズにおけるリソース配分の変化など、連続的なデータにおける割合の変化を捉えるのに最適です。

>> 100%積み上げ面グラフを作成する

どのグラフを選ぶべきか迷ったときは、「何を一番伝えたいのか？」を明確にすることが大切です。単一の構成比ならドーナツグラフ、複数グループの比較なら100%積み上げ棒グラフ、といったように目的に合わせて最適なグラフを選びましょう。

ドーナツグラフに関するQ&A

Q1. ドーナツグラフの項目数は、最大でいくつくらいが適切ですか？
A1. 一般的には5〜6項目以内が推奨されます。それ以上になると、各項目の扇形が細くなりすぎてしまい、視覚的に比較しにくくなります。項目が多い場合は、「その他」として一つにまとめるか、棒グラフの使用を検討しましょう。

Q2. ドーナツグラフの中央の穴の大きさは変更できますか？
A2. はい、多くのツールで変更可能です。xGrapherでも、穴の大きさをスライダーで簡単に調整できます。穴を大きくするとよりスタイリッシュな印象に、小さくすると円グラフに近い印象になります。伝えたい内容やデザインのバランスを見て調整してください。

Q3. ドーナツグラフとパイグラフは同じものですか？
A3. 英語圏では、円グラフのことを「パイチャート（Pie Chart）」と呼びます。ドーナツグラフは「ドーナツチャート（Doughnut Chart）」です。つまり、パイグラフは円グラフと同じものを指し、ドーナツグラフとは異なります。

Q4. スマートフォンでも見やすいドーナツグラフを作るコツはありますか？
A4. スマートフォンの小さな画面で見ることを想定する場合、以下の点に注意すると良いでしょう。

• 項目数を少なくする（4項目以内が理想）

• データラベルの文字を少し大きめにする

• コントラストのハッキリした配色を選ぶ

• 中央のスペースに重要な情報（結論）をまとめる

Q5. 複数のドーナツグラフを並べて比較する際の注意点は何ですか？
A5. 複数のグラフを並べる際は、全体の大きさ（直径）を揃えることが重要です。大きさが異なると、見る人が割合ではなく面積の大小でデータを誤って比較してしまう可能性があるためです。また、可能であれば色のルール（例：項目Aは常に青色）を統一すると、より比較しやすくなります。

まとめ

ドーナツグラフは、単に円グラフの真ん中をくり抜いただけのものではなく、中央のスペースを活用できるという大きな強みを持った、非常に表現力豊かなグラフです。

その特性を理解し、配色やラベルなどを少し工夫するだけで、あなたの伝えたいメッセージをより効果的に、そして魅力的にオーディエンスに届けることができます。

「グラフ作成は難しそう…」と感じる方も、xGrapher のようなオンラインツールを使えば、誰でも直感操作で美しいドーナツグラフを作成できます。次の資料作成の際には、ぜひドーナツグラフを活用して、分かりやすく説得力のある資料作成に挑戦してみてください。