系統図法とは?作り方の5ステップとロジックツリーとの関係、活用事例を徹底解説

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「問題の原因は特定できたけれど、具体的に何をすればいいのか分からない」「対策のアイデアはあるのに、抜け漏れがないか不安」——原因分析の次に立ちはだかるのが、具体的な対策を体系的に導き出すというステップです。

そんなときに力を発揮するのが系統図法です。「目的」から「手段」へとツリー状に展開していくことで、実行可能なレベルまで対策を具体化し、抜け漏れなく方策を洗い出すことができます。

この記事では、系統図法の基本から2つのタイプの違い、作り方の5ステップ、他のツールとの使い分け、さらには無料のオンラインツールを使った作成方法まで、初めての方にも分かりやすく解説します。

この記事の内容(目次)

  1. 系統図法とは?
    1. 系統図法の基本構造
    2. 2つのタイプ——「方策展開型」と「構成要素展開型」
    3. ロジックツリーとの関係
  2. 系統図法はどんな場面で使える?
    1. 品質改善の対策立案
    2. 経営目標・事業計画の策定
    3. プロジェクトのタスク分解(WBS)
    4. 新商品・サービスの企画
    5. 研修・教育カリキュラムの設計
  3. 系統図法の作り方——5つのステップ
    1. STEP 1:目的(ゴール)を設定する
    2. STEP 2:制約条件を整理する
    3. STEP 3:第一手段を展開する
    4. STEP 4:第二・第三手段へ展開する
    5. STEP 5:逆方向から確認し、実行手段を選定する
  4. 系統図法を成功させる5つのコツ
    1. コツ1:「どうすれば?」で展開し、「だからこうなる」で検証する
    2. コツ2:各階層でMECEを意識する
    3. コツ3:手段は「動詞+目的語」の形で書く
    4. コツ4:展開は3〜4階層に抑える
    5. コツ5:チームで取り組み、多角的な視点を入れる
  5. 【具体例】系統図法でWebサイト改善を計画する
    1. 目的:「自社Webサイトからの問い合わせ数を月30件に増やす」
  6. 系統図法と他の手法の使い分け
  7. オンラインで系統図を作成するなら「xGrapher」
    1. xGrapherの系統図ツールならではの機能
    2. 基本的な使い方
  8. よくある質問
    1. Q1. 系統図法とロジックツリーは同じものですか?
    2. Q2. 系統図法は何人で取り組むのが最適ですか?
    3. Q3. 展開の深さは何階層が適切ですか?
    4. Q4. 系統図法はどのタイミングで使うべきですか?
    5. Q5. WBS(Work Breakdown Structure)と系統図法の違いは?
  9. まとめ

系統図法とは?

系統図法とは、ある目的(ゴール)を達成するための手段を段階的に展開し、ツリー(樹形図)の形で整理する手法です。新QC7つ道具の一つに数えられ、品質管理の改善活動からビジネスの戦略立案まで幅広く活用されています。

英語では「Tree Diagram」や「Systematic Diagram」と呼ばれます。

系統図法の基本構造

系統図の構造は非常にシンプルです。

  1. 左端(または上端)に目的を置く

  2. その目的を達成するための第一手段を右(下)に展開する

  3. 各手段を「これを実現するにはどうすればよいか?」と自問し、さらに第二手段、第三手段へと細分化する

  4. 実行可能な具体的アクションのレベルまで展開する

こうして出来上がった図は、左から右へ(または上から下へ)「目的 → 手段 → より具体的な手段」と階層的に広がるツリー構造になります。各手段は、上位から見れば「手段」ですが、下位から見れば「目的」にもなる——この目的と手段の連鎖が系統図法の本質です。

2つのタイプ——「方策展開型」と「構成要素展開型」

系統図法には大きく分けて2つのタイプがあります。

タイプ

展開の方向

主な用途

方策展開型

目的 → 手段 → より具体的な手段

問題解決の対策立案、目標達成の方策検討

「顧客満足度を向上させる」→ 手段を展開

構成要素展開型

全体 → 部分 → さらに細かい部分

製品の構成分析、業務の分解、品質特性の整理

「自動車」→ エンジン/車体/電装系 → 各部品

ビジネスの問題解決でよく使われるのは方策展開型です。この記事でも、主に方策展開型を中心に解説していきます。

ロジックツリーとの関係

ビジネスの世界では「ロジックツリー」という言い方を聞くことも多いでしょう。ロジックツリーと系統図法は、基本的に同じ考え方に基づいています。

  • Whyツリー(原因追究):「なぜ?」を繰り返して原因を深掘り → 系統図の構成要素展開型に近い

  • Howツリー(方策展開):「どうすれば?」を繰り返して手段を具体化 → 系統図の方策展開型そのもの

コンサルティングの世界で重視される「MECE(モレなくダブりなく)」の考え方も、系統図法で手段を展開する際に非常に重要です。各階層で手段を洗い出すとき、MECEを意識することで抜け漏れのない方策リストを作ることができます。

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系統図法はどんな場面で使える?

系統図法は「目的から具体的なアクションを導き出したい」場面であれば、業種・職種を問わず活用できます。

品質改善の対策立案

連関図法特性要因図で特定した根本原因に対し、「ではどうすれば解決できるか?」を系統図で展開します。新QC7つ道具を順番に使う場面で、系統図法は「分析」から「実行」への橋渡しの役割を果たします。

経営目標・事業計画の策定

「売上を前年比120%にする」といった経営目標に対して、「どうすれば?」を繰り返し、部門別・施策別の具体的なアクションプランに落とし込む際に有効です。

プロジェクトのタスク分解(WBS)

プロジェクトマネジメントで使われるWBS(Work Breakdown Structure)も、系統図法の構成要素展開型と同じ考え方です。プロジェクト全体を成果物や作業単位に分解し、担当者とスケジュールを割り当てる基盤を作ります。

新商品・サービスの企画

「ターゲット顧客の課題を解決する」という目的に対して、機能要件やサービス内容を体系的に展開し、優先度をつけてロードマップに落とし込む——という使い方もできます。

研修・教育カリキュラムの設計

「〇〇スキルを習得する」というゴールから、必要な学習テーマを階層的に展開し、カリキュラム全体を設計する際にも系統図法が役立ちます。

系統図法の作り方——5つのステップ

STEP 1:目的(ゴール)を設定する

系統図の起点となる目的を設定します。図の左端(または上端)に配置する最も重要な要素です。

目的の設定で意識すべきポイントは以下の3つです。

  • 具体的であること:「品質を良くする」ではなく「製品Aの出荷不良率を0.5%以下にする」

  • 測定可能であること:達成したかどうかが判断できる基準を含める

  • 範囲が適切であること:広すぎると手段が際限なく増え、狭すぎると展開の余地がなくなる

STEP 2:制約条件を整理する

目的を設定したら、手段を展開する前に制約条件を明確にしておきます。予算、期間、人員、技術的制約などを事前に整理しておくことで、「実行不可能な手段を大量に出して後から削る」という無駄を防げます。

制約条件の例

内容

予算

投資額は500万円以内

期間

3か月以内に効果を出す

人員

新規採用は行わず現メンバーで対応

技術

既存システムの改修で対応可能な範囲

STEP 3:第一手段を展開する

目的に対して「どうすれば達成できるか?」を問いかけ、大きな方向性となる第一手段を洗い出します。

このとき、MECEを意識してモレなくダブりなく分類するのが重要です。3〜5個程度の第一手段に分けるのが見やすさの目安です。

例:目的「ECサイトの売上を前年比120%にする」

  • 第一手段①:新規顧客の獲得数を増やす

  • 第一手段②:既存顧客のリピート率を上げる

  • 第一手段③:顧客単価を向上させる

この3つは「売上=顧客数 × 購入頻度 × 単価」という分解に基づいており、MECEになっています。

STEP 4:第二・第三手段へ展開する

第一手段それぞれに対して、再び「どうすれば?」を問いかけ、より具体的な第二手段、第三手段へと展開していきます。

例:「新規顧客の獲得数を増やす」の展開

  • 第二手段①:SEO対策を強化する

    • 第三手段:キーワード調査を実施する / ブログ記事を月8本公開する

  • 第二手段②:SNS広告を最適化する

    • 第三手段:ターゲティング設定を見直す / クリエイティブのA/Bテストを行う

  • 第二手段③:紹介プログラムを導入する

    • 第三手段:紹介特典の内容を設計する / 既存顧客に案内メールを送付する

展開の深さは通常3〜4階層が適切です。それ以上深くなる場合はテーマの範囲が広すぎる可能性があるため、目的を分割することを検討しましょう。

STEP 5:逆方向から確認し、実行手段を選定する

展開が完了したら、末端(最も具体的な手段)から目的に向かって逆方向に読み返します。「この手段を実行すれば、本当に上位の目的が達成されるか?」を一つひとつ確認するステップです。

逆方向チェックで問題が見つかった場合は、手段の追加・修正・削除を行います。

最後に、末端の手段の中から実際に実行するものを選定します。選定の基準としては以下が一般的です。

  • 効果の大きさ:目的達成への貢献度が高いか

  • 実行可能性:現在のリソース・制約で実行できるか

  • 即効性:短期間で成果が出るか

系統図法を成功させる5つのコツ

コツ1:「どうすれば?」で展開し、「だからこうなる」で検証する

手段を展開するときは「どうすれば?(How)」で右に広げ、確認するときは「だからこうなる(So what)」で左に戻ります。この往復の思考が、論理の飛躍を防ぎます。

コツ2:各階層でMECEを意識する

同じ階層の手段が重複していないか、重要な手段が漏れていないかを確認しましょう。「他にないか?」と常に自問することで、抜け漏れを防げます。

コツ3:手段は「動詞+目的語」の形で書く

「マーケティング強化」のような名詞表現ではなく、「SNS広告の出稿頻度を週3回に増やす」のように具体的な行動として記述しましょう。実行段階でのあいまいさが大幅に減ります。

コツ4:展開は3〜4階層に抑える

階層が深くなりすぎると図が複雑になり、全体像が把握しにくくなります。3〜4階層を目安にし、それ以上の詳細は別の資料(アクションプランなど)に落とし込みましょう。

コツ5:チームで取り組み、多角的な視点を入れる

1人で展開すると自分の専門領域に偏りがちです。3〜6人の多様な視点を持つチームで、ブレインストーミングしながら手段を洗い出すと、想定外の有効な対策が見つかることがあります。

【具体例】系統図法でWebサイト改善を計画する

ここでは、IT・Web業界の事例を紹介します。

目的:「自社Webサイトからの問い合わせ数を月30件に増やす」

現在、月平均15件の問い合わせがある自社サイトについて、マーケティングチーム(4名)が系統図法で改善策を検討しました。

展開結果:

目的

第一手段

第二手段

第三手段(実行レベル)

問い合わせ月30件

サイト訪問者数を増やす

SEO対策を強化する

検索ボリューム調査を実施する

主要キーワードで記事を月6本公開する

Web広告を活用する

リスティング広告の予算を月20万円に設定する

リマーケティング広告を導入する

問い合わせ率(CVR)を改善する

フォームを最適化する

入力項目を5つに削減する

スマホ表示のUI/UXを改善する

導線を見直す

CTAボタンをファーストビューに配置する

事例ページからフォームへの誘導を追加する

問い合わせの心理的ハードルを下げる

無料相談を設ける

「まずは相談だけでもOK」の文言を追加する

オンライン相談の予約フォームを設置する

信頼性を高める

顧客の声・導入事例を充実させる

セキュリティバッジ・認証マークを掲載する

逆方向チェック: 「顧客の声を充実させる → 信頼性が高まる → 心理的ハードルが下がる → 問い合わせが増える」——論理が通ることを確認。

選定結果: 即効性と実行可能性を基準に、「フォーム入力項目の削減」「CTAボタン配置の見直し」「無料相談の設置」を最優先施策として決定しました。

系統図法と他の手法の使い分け

手法

主な目的

向いている場面

系統図法

目的から手段を体系的に展開する

「何をすべきか」を具体化したいとき

特性要因図

問題の原因を網羅的に洗い出す

「なぜ起きたか」を分析したいとき

連関図法

要因間の因果関係を明らかにする

原因が複雑に絡み合っているとき

親和図法

バラバラの情報をグループ化する

問題の全体像がまだ見えないとき

新QC7つ道具を活用した問題解決の典型的な流れは以下のとおりです。

  1. 親和図法で情報を整理し、問題の全体像を把握する

  2. 連関図法で要因間の因果関係を分析し、根本原因を特定する

  3. 系統図法で根本原因に対する具体的な対策を体系的に展開する

  4. マトリックス図法で対策の優先順位を評価する

このように、各ツールにはそれぞれの得意分野があり、組み合わせて使うことで問題解決の精度が格段に高まります。

オンラインで系統図を作成するなら「xGrapher」

系統図はExcelのSmartArtやPowerPointで作ることもできますが、階層が深くなるとレイアウトの調整に手間がかかり、修正のたびに図が崩れてしまうことも少なくありません。

xGrapherは、無料・登録不要で系統図を作成できるオンラインツールです。

xGrapherの系統図作成画面

xGrapherの系統図ツールならではの機能

  • 階層ごとの自動色分け — 目的・第一手段・第二手段・第三手段がそれぞれ異なる色で表示され、階層構造がひと目でわかる

  • 水平/垂直の展開方向切替 — 左→右の横展開と上→下の縦展開をワンクリックで切り替え可能。用途や画面サイズに応じて最適なレイアウトを選べる

  • 直感的なノード操作 — ノードをクリックして「+」ボタンで子手段を追加。ダブルクリックでテキストを編集

  • 自動レイアウト — ノードを追加・削除するたびに、自動的に見やすい位置に配置

  • 画像ダウンロード — PNG・JPEG・SVG形式で書き出し。報告書やプレゼン資料にそのまま使える

基本的な使い方

  1. xGrapherの系統図作成ページにアクセス

  2. 左端の目的ノードをダブルクリックしてゴールを入力

  3. 目的ノードを選択し、「+」ボタンで第一手段を追加

  4. 同様に各手段の子ノードを展開していく

  5. サイドバーの「方向切替」で横展開・縦展開を切り替え

  6. 完成したら画像としてダウンロード

デフォルトで「顧客満足度を向上させる」というサンプルデータが入っているので、まずはサンプルを参考に操作感を確かめてみるのもおすすめです。

よくある質問

Q1. 系統図法とロジックツリーは同じものですか?

基本的な考え方は同じです。系統図法は品質管理(QC)の文脈で使われる名称で、ロジックツリーはコンサルティングやビジネスフレームワークの文脈で使われます。系統図法の「方策展開型」はロジックツリーの「Howツリー」に、「構成要素展開型」は「Whatツリー」や「Whyツリー」にそれぞれ対応します。

Q2. 系統図法は何人で取り組むのが最適ですか?

3〜6人が理想的です。1人でも作成できますが、手段の漏れが出やすくなります。多様な部門や立場のメンバーが参加することで、より幅広い手段を洗い出すことができます。

Q3. 展開の深さは何階層が適切ですか?

3〜4階層が目安です。末端の手段が「明日から実行できる具体的なアクション」のレベルに到達していれば、それ以上深掘りする必要はありません。5階層以上になる場合は、目的の範囲が広すぎる可能性があるため、テーマの分割を検討しましょう。

Q4. 系統図法はどのタイミングで使うべきですか?

問題の原因が特定された後、「具体的にどう対策するか」を検討するタイミングで使います。連関図法特性要因図で根本原因を特定した後に系統図法で対策を展開する、というのが新QC7つ道具を活用した典型的な流れです。

Q5. WBS(Work Breakdown Structure)と系統図法の違いは?

WBSは系統図法の構成要素展開型と同じ考え方に基づいています。違いは目的です。WBSはプロジェクトの「作業」を分解してスケジュールや担当者を管理するためのもので、系統図法は「目的を達成する手段」を体系的に導き出すためのものです。アウトプットの形は似ていますが、使う場面と意図が異なります。

まとめ

系統図法は、目的から手段へとツリー状に展開することで、具体的なアクションプランを体系的に導き出す手法です。

この記事のポイントを振り返ります。

  • 系統図法は新QC7つ道具の一つで、「方策展開型」と「構成要素展開型」の2タイプがある

  • ロジックツリーやWBSと基本的な考え方は共通しており、ビジネスの幅広い場面で活用できる

  • 目的設定 → 制約条件整理 → 第一手段展開 → 細分化 → 逆方向確認、の5ステップで作成する

  • 各階層でMECE(モレなくダブりなく)を意識し、3〜4階層に抑えるのがコツ

  • xGrapherなら階層ごとの自動色分けと展開方向切替で、無料・登録不要で系統図を作成できる

原因分析の次のステップとして、ぜひ系統図法で「具体的に何をするか」を明確にしてみてください。対策の全体像が見える化されれば、チーム全員が同じ方向に向かって動き出せるはずです。

xgrapher

コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。

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