ジェノグラムの同居の書き方|同居家族の囲み方と表記ルール

「同居している家族はジェノグラムでどう囲むの?」「二世帯同居や施設入所はどう表す?」ジェノグラムでは、誰と誰が同じ屋根の下で暮らしているかを囲み線で示します。同居の表記は、家族の実際の生活状況を把握するうえで欠かせない要素です。
この記事では、同居の囲み方の基本ルールから、二世帯同居・別居・施設入所など多様な居住パターンの描き方まで解説します。
同居の基本的な書き方
囲み線で同居家族を表す
ジェノグラムでは、同じ世帯で暮らしている家族全員を大きな線で囲むことで同居を表現します。
この例では、父(45歳)・母(43歳)・長男(18歳)・長女(15歳)の4人が同居していることが一目でわかります。
実線と点線の使い分け
囲み線には実線と点線の2種類があり、使い分ける場合があります。
線の種類 | 意味 | 使用場面 |
|---|---|---|
実線の囲み | 同一世帯であることを強調 | 世帯単位を明確に示したい場合 |
点線の囲み | 同居していることを示す | 一般的な同居表現 |
実務上は点線で囲むのが最も一般的です。実線の囲みは別の意味(グループやシステムの境界など)と混同される可能性があるため、同居には点線を使う機関が多い傾向にあります。
ただし、この使い分けは完全に標準化されていないため、所属する機関の慣習に従うのが無難です。いずれの場合も凡例を添えることで読み手の混乱を防げます。
囲み線を使うときのルール
同居している全員を1つの囲みに含める(家族以外の同居人も含む)
囲みの中に世帯全員の人物記号と関係線が収まるようにする
囲み線は人物記号や関係線と重ならないよう、余白をもって描く
複数の世帯がある場合は、世帯ごとに別々の囲みを描く
さまざまな居住パターンの書き方
パターン1:核家族(基本の同居)
夫婦と子どもが1つの世帯で暮らしている、最も基本的なパターンです。
パターン2:三世代同居
祖父母・父母・子どもの三世代が同じ世帯で暮らしているパターンです。
全員が1つの囲みに入ります。日本では三世代同居は一般的な家族形態であり、介護アセスメントで頻出するパターンです。
パターン3:二世帯同居(同じ建物・別世帯)
同じ建物(二世帯住宅など)に住んでいるが、生計は別という場合は、世帯ごとに別々の囲みを描き、囲み同士を近接して配置します。
2つの囲みを隣接させることで「同じ建物だが別世帯」であることを視覚的に表現できます。必要に応じて「二世帯住宅」などのテキスト注記を添えるとより明確です。
パターン4:別居(離れて暮らす家族)
同居していない家族は囲みの外に配置します。
この例では、母と長男が同居(1つの囲み内)、長女と次男はそれぞれ別の場所に暮らしているため囲みの外にいます。遠方の家族の居住地をテキストで添えると、地理的な距離感もわかります。
パターン5:ひとり暮らし
ひとり暮らしの場合も1人だけの囲みを描きます。
「独居」と注記することで、ひとり暮らしであることが明確になります。介護の現場では、独居の高齢者は支援のニーズが高いケースが多く、ジェノグラム上で目立たせることが重要です。
パターン6:施設入所・入院中
施設に入所している場合や入院中の場合は、施設を示す囲みを別に描き、テキストで施設名や種別を注記します。
施設入所の囲みと自宅の囲みを別々に描くことで、IPが家族と離れて施設で暮らしていることが視覚的にわかります。
入院中の場合も同様に、「○○病院 入院中」と注記した別の囲みを使います。一時的な入院と長期入所では支援方針が異なるため、区別がつくようにしておくと実務上便利です。
パターン7:離婚後の別居
離婚した家族の場合、子どもがどちらの親と同居しているかを囲み線で明示できます。
この例では、母と子ども2人が同居し、父は別の場所で暮らしていることがわかります。離婚後の親権・同居状況をジェノグラムで明確にすることは、保育や児童福祉の現場で特に重要です。
離婚・再婚の書き方について詳しくは以下の記事を参照してください。

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同居表記と他の記号の組み合わせ
同居+キーパーソン
囲み線の中にキーパーソン(★マーク)を配置することで、「誰と同居しているキーパーソンか」が一目でわかります。
この例では、IPの母(85歳)が長男(キーパーソン)と同居しており、夫は死亡していることがわかります。
キーパーソンの書き方について詳しくは以下の記事を参照してください。

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同居+感情関係線
囲みの中の人物間に感情関係線を加えることで、同居世帯内の関係性を表現できます。
同居しているからといって関係が良好とは限りません。福祉・医療の現場では、同居世帯内の葛藤や断絶を記録することが支援方針の立案に直結します。
同居の書き方でよくある間違い
間違い1:別居の家族まで囲みに含めてしまう
遠方に住んでいる家族まで1つの囲みに入れてしまうケースです。囲みは実際に同じ住所で暮らしている人物だけに限定してください。
間違い2:囲み線を省略する
「婚姻線で結ばれているから同居は自明」と考えて囲みを省略するケースです。しかし、離婚後の別居や施設入所など、婚姻関係と居住状況が一致しないケースは多いため、囲み線は重要な情報です。
間違い3:施設入所を表現していない
施設入所中のIPを自宅の家族と一緒の囲みに入れてしまう間違いです。施設入所の場合は別の囲みで描くことで、実際の居住状況を正確に反映しましょう。
間違い4:同居人が家族以外の場合に記載しない
家族以外の同居人(内縁のパートナー、同居の友人、ヘルパーの住み込みなど)も、生活実態の把握のために記載することが推奨されます。ジェノグラムは家族図ですが、同居の事実は支援に影響するため、必要に応じて注記を添えましょう。
xGrapherで同居の囲みを作成する
xGrapherのジェノグラム・エコマップメーカーでは、人物を配置した後にグループ機能を使って同居の囲みを簡単に追加できます。囲みのサイズは自由に調整でき、人物をドラッグして囲みの中に移動するだけで同居関係を表現できます。

手書きでは囲み線のサイズ調整や人物の再配置が面倒ですが、ツールを使えば何度でもレイアウトを変更できるため、複雑な居住パターンも試行錯誤しながら描けます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 同居の囲み線は実線と点線のどちらを使うべきですか?
点線が最も一般的です。実線は別の意味(システム境界やグループ化)と混同される場合があるため、多くの機関では点線を採用しています。ただし統一された国際基準はないため、所属機関の慣習に従い、凡例を添えるのがベストです。
Q2. 二世帯同居はどう書きますか?
同じ建物に住んでいても生計が別の場合は、世帯ごとに別々の囲みを描きます。2つの囲みを隣接させて配置し、「二世帯住宅」と注記すると明確です。完全に同一世帯として生活している場合は、1つの囲みにまとめます。
Q3. 施設入所中の家族はどう書きますか?
施設入所中の人物は、自宅の囲みとは別の囲みで描き、「特養入所」「入院中」などのテキストを注記します。自宅の家族と施設の本人を別々の囲みにすることで、実際の居住状況が正確に反映されます。
Q4. ひとり暮らしでも囲み線は必要ですか?
はい。1人だけの囲みを描き、「独居」と注記することで、ひとり暮らしであることを明示できます。特に高齢者の独居は支援上の重要情報になるため、省略せずに記載しましょう。
Q5. 同居人が血縁関係のない人物でも記載しますか?
記載することが推奨されます。内縁のパートナー、同居の友人、住み込みのヘルパーなど、血縁関係がなくても生活を共にしている人物は支援方針に影響します。人物の記号の近くに関係を注記して記載しましょう。
まとめ
ジェノグラムにおける同居の書き方のポイントは以下のとおりです。
同居家族は囲み線で表す。点線の囲みが最も一般的
二世帯同居は世帯ごとに別々の囲みを描く
施設入所・入院は自宅とは別の囲みで描き、施設名を注記
ひとり暮らしは1人だけの囲みに「独居」と注記
離婚後の同居状況は、子どもがどちらの親と暮らしているかを囲みで明示
キーパーソンや感情関係線と組み合わせることで、同居世帯内の状況をより詳細に表現できる
線の種類や表記方法は機関により異なるため、凡例を添えることが大切
ジェノグラムの基本的な記号と書き方はジェノグラムとは?書き方・記号の意味をわかりやすく解説で解説しています。
実際にジェノグラムを作成するには、xGrapherのジェノグラム・エコマップメーカーをお試しください。同居の囲み線もドラッグ操作で自由にサイズを調整でき、複雑な居住パターンも直感的に描けます。

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