ジェノグラムの性別不明の書き方|菱形記号の意味と使い方

「ジェノグラムで性別がわからない人はどう書くの?」「菱形と三角形は何が違うの?」ジェノグラムでは、性別不明の人物を菱形(◇)で表します。しかし日本では三角形(△)と混同されているケースが多く、正しい使い分けを知らないまま作成してしまうことがあります。
この記事では、菱形記号の意味と使い方、三角形との違い、胎児や匿名の人物の表し方まで、具体例付きで解説します。
この記事の内容(目次)
性別不明を表す菱形(◇)記号
菱形記号の基本
ジェノグラムの国際標準(マクゴールドリック方式)では、性別が不明または未確定の人物は菱形(◇)で表します。
記号 | 意味 |
|---|---|
□(正方形) | 男性 |
○(円) | 女性 |
◇(菱形) | 性別不明・未確定 |
菱形は正方形と円のどちらにも属さない「中間的な形」として、性別がわからない場合の記号に採用されています。
菱形を使う場面
菱形記号は、以下のような場面で使用します。
1. 胎児の性別がまだわからない場合
妊娠中で性別が判明していない場合、胎児を菱形で表すことがあります。
ただし、妊娠中であることを示す場合は三角形(△)を使うのがより正確です(後述)。菱形はあくまで「人物の性別が不明」であることを示す記号であり、「妊娠中」という状態を示す記号ではありません。
2. 情報が不足している家族
家族構成の聞き取り中に、性別の情報が得られていない人物がいる場合に使います。
たとえば、面談で「子どもが3人いる」という情報は得たが、末子の性別をまだ確認していない場合などに一時的に菱形で記録しておきます。
菱形(◇)と三角形(△)の違い
日本のジェノグラム解説記事では、性別不明に三角形(△)を使うと説明しているケースが多く見られます。しかし、国際標準では菱形と三角形は明確に異なる意味を持っています。
記号の使い分け
記号 | 国際標準の意味 | 日本での誤用 |
|---|---|---|
◇(菱形) | 性別不明・未確定の人物 | — |
△(三角形) | 妊娠中 | 性別不明として使われることがある |
菱形(◇)は「人物」を表す記号のバリエーション(□=男性、○=女性、◇=性別不明)
三角形(△)は「状態」を表す記号(現在妊娠中であること)
なぜ日本で混同されるのか
日本のジェノグラム解説で三角形=性別不明と説明されることが多い理由として、以下の背景が考えられます。
マクゴールドリックの原著が広く参照されていない: 日本の福祉・保育分野では、原著よりも国内の二次資料を参照する慣習がある
三角形が「どちらでもない」イメージと結びつきやすい: □と○の中間として△が直感的にわかりやすい
菱形(◇)があまり馴染みのない図形: 正方形を45度回転した形は、記号として日本ではあまり一般的でない
どちらを使えばよいか
状況 | 推奨 |
|---|---|
国際標準に準拠したい | 菱形(◇)を使う |
所属機関に既存のルールがある | 機関のルールに従う |
他機関とジェノグラムを共有する | 菱形(◇)を使い、凡例を添える |
学術論文・研究で使用する | 菱形(◇)を使う |
迷ったら菱形(◇)を推奨します。国際的に通用する記号であり、三角形(△)を妊娠の意味で使う場面との混同も防げます。いずれの場合も、凡例(記号の説明)を必ず添えることで読み手の誤解を防げます。
妊娠中の表し方(三角形の正しい使い方)
三角形(△)は「性別不明」ではなく、「現在妊娠中」を表す記号です。
妊娠中の基本表記
婚姻線(または関係線)の下に三角形を配置することで、現在妊娠中の子どもがいることを示します。
胎児の性別がわかっている場合
胎児の性別が判明している場合は、三角形の代わりに性別の記号をそのまま使うこともあります。
妊娠中と既存の子どもが混在する場合
すでに子どもがいて、さらに妊娠中の場合は、出生順で左から配置し、一番右に三角形を置きます。
妊娠に関連する記号一覧
記号 | 意味 |
|---|---|
△(三角形) | 妊娠中 |
●(小さな黒丸) | 自然流産 |
●× | 人工妊娠中絶 |
△× | 死産 |
流産・死産の書き方について詳しくは以下の記事を参照してください。

ジェノグラムの死亡の書き方|記号・年齢・死産・流産の表記方法
ジェノグラムで死亡を表す記号(×マーク)の書き方を解説。死亡年齢の記入方法、死産・流産・中絶の表記、死亡した人物の関係線の扱い方を具体例付きで紹介します。
性別不明の人物がいる場合の関係線
婚姻線・パートナー線
性別不明の人物も、他の人物と同じように婚姻線やパートナー線で結べます。
親子線
性別不明の人物が親の場合も子の場合も、通常どおり縦線で結びます。
IP(主訴者)が性別不明の場合
性別不明の人物がIP(主訴者)の場合は、菱形を二重にします。
二重菱形は、性別が不明でありながらジェノグラムの中心人物であることを示します。
xGrapherで性別不明の記号を使う
xGrapherのジェノグラム・エコマップメーカーでは、人物を追加する際に性別を「男性」「女性」「不明」から選択できます。「不明」を選ぶと自動的に菱形(◇)で表示されます。妊娠中の記号(△)もサイドバーから追加可能です。

菱形と三角形が自動的に正しい形で描画されるため、記号の混同を心配する必要がありません。
よくある質問(FAQ)
Q1. ジェノグラムで性別不明を表す記号は三角形ですか?菱形ですか?
国際標準(マクゴールドリック方式)では菱形(◇)が正しい記号です。三角形(△)は「妊娠中」を表す記号です。ただし日本の一部の機関では三角形を性別不明に使う慣習があるため、所属機関のルールも確認してください。いずれの場合も凡例を添えることが推奨されます。
Q2. 胎児はジェノグラムでどう書きますか?
妊娠中の胎児は三角形(△)で表します。胎児の性別が判明している場合は、三角形の代わりに□(男児)や○(女児)を使うこともあります。性別が未確認の場合は三角形のままにしておきます。
Q3. 性別がわかった後、菱形を書き換えるべきですか?
はい。情報が更新されたら、菱形を正方形(男性)または円(女性)に書き換えます。ジェノグラムは家族の現在の状況を反映する図なので、情報が判明した時点で更新するのが原則です。
Q4. 匿名のドナー(精子・卵子提供)はどう書きますか?
匿名のドナーは菱形(◇)で表し、「ドナー」と注記します。ドナーの詳細情報がない場合でも、子どもの生物学的なルーツを記録するためにジェノグラムに含めることが推奨されます。
Q5. ノンバイナリーやトランスジェンダーの人物はどう書きますか?
マクゴールドリックの最新の国際標準では、四角の中に丸を描く(トランス女性)などの専用記号が定義されています。
しかし、日本の実務現場ではまだ浸透していないため、菱形(◇)を使用し、テキストで「FtM」「MtF」「ノンバイナリー」など本人の自認する性別を補足する方法が確実でわかりやすいです。当事者のアイデンティティを尊重し、本人の希望に沿った表記を心がけましょう。
まとめ
ジェノグラムにおける性別不明の書き方のポイントは以下のとおりです。
性別不明は菱形(◇)で表す(国際標準のマクゴールドリック方式)
三角形(△)は「妊娠中」を表す記号であり、性別不明とは異なる
菱形を使う場面:胎児の性別未確定、情報不足の家族、匿名ドナー、実親不明の養子など
性別が判明したら菱形を□または○に書き換える
日本では三角形が性別不明に使われる慣習もあるため、凡例を必ず添える
IPが性別不明の場合は二重菱形(◇◇)で表す
ジェノグラムの基本的な記号と書き方はジェノグラムとは?書き方・記号の意味をわかりやすく解説で解説しています。
実際にジェノグラムを作成するには、xGrapherのジェノグラム・エコマップメーカーをお試しください。性別の選択ひとつで菱形・正方形・円が自動的に切り替わり、記号の混同なくジェノグラムを作成できます。

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