Excel(エクセル)での散布図の作り方を解説!見やすいグラフを作るコツは?

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「広告費と売上にはどんな関係があるんだろう?」「勉強時間とテストの点数は比例するのかな?」
ビジネスや学習において、このような2つのデータの関係性を知りたい場面はよくありますよね。そんなときに大活躍するのが散布図です。散布図は、2つの項目を縦軸と横軸にとり、データを点でプロットすることで、両者の関係性やばらつき具合を直感的に把握できるグラフです。

この記事では、多くの人が使い慣れているExcelを使って、誰でも簡単に散布図を作成する手順を5つのステップで分かりやすく解説します。さらに、グラフをより見やすくする応用テクニックや、データ分析に役立つ相関関係の読み取り方までご紹介します。Excelでのグラフ作成に少し難しさを感じている方も、ぜひ最後までご覧ください。

>> 関連記事: 散布図(分布図)とは?見方と作り方がわかる!

Excel(エクセル)で散布図を作成する基本の5ステップ

それでは早速、Excelで散布図を作成する基本的な手順を見ていきましょう。今回は、「各店舗の月間広告費(x軸)と売上(y軸)の関係」を分析する、というサンプルデータを使います。

STEP1: データの準備

まずは、グラフにしたいデータをExcelシートに入力します。散布図では、原因や影響を与えると考えられるデータを左の列(横軸/x軸)、結果や影響を受けると考えられるデータを右の列(縦軸/y軸)に配置するのが一般的です。今回の例では、A列に「広告費」、B列に「売上」を入力します。

散布図に使用するデータ

STEP2: 散布図グラフの挿入

データが準備できたら、グラフ化したい範囲をドラッグして選択します。
次に、Excel上部のメニューから「挿入」タブをクリックし、「グラフ」グループの中にある「散布図(X, Y) またはバブルチャートの挿入」アイコンを選択します。いくつか種類が表示されますが、まずは一番左上にある基本的な「散布図」をクリックしましょう。

挿入タブから散布図を選択している様子

これだけで、シート上に基本的な散布図が自動で作成されます。とても簡単ですね!

※自動で正しい列が選択されない場合はグラフを右クリック、「データの選択」「凡例項目」「編集」から正しい項目を選択しなおしてください。

「データの選択」「凡例項目」「編集」から正しい項目を選択

STEP3: グラフ要素の追加(タイトル・軸ラベル)

作成されたばかりのグラフは、何を表しているのか一目で分かりません。誰が見ても理解できるように、グラフタイトルや軸ラベルを追加しましょう。

  1. グラフエリアをクリックして選択状態にします。

  2. グラフの右上に表示される「+」(グラフ要素)ボタンをクリックします。

  3. 「グラフタイトル」と「軸ラベル」にチェックを入れます。

    軸ラベルとグラフタイトルにチェックを入れる

表示されたテキストボックスをそれぞれクリックし、「広告費と売上の関係」「広告費(万円)」「売上(万円)」のように、分かりやすい名前を入力します。

タイトルと軸ラベルを追加した散布図

STEP4: 近似曲線(回帰直線)の追加

散布図の点がおおよそどのような傾向にあるのかを視覚的に分かりやすくするために、近似曲線(回帰直線)を追加してみましょう。近似曲線とは、データのばらつきの中心を通るように引かれた線のことです。

  1. 再び「+」(グラフ要素)ボタンをクリックします。

  2. 「近似曲線」にチェックを入れます。

これだけで、データ全体の傾向を示す直線がグラフに引かれます。点が右肩上がりに分布していれば「正の相関」、右肩下がりなら「負の相関」がある、というように判断する手助けになります。

+ボタンから近似曲線を追加する

STEP5: デザインの調整

最後に、グラフ全体の色やフォントなどを調整して、見栄えを整えましょう。
グラフを選択した状態で、上部メニューの「グラフのデザイン」タブをクリックすると、あらかじめ用意された様々なデザインスタイルから好みのものを選べます。

散布図のデザインをテンプレートから選択する

また、グラフ内の各要素(点、線、文字など)を個別にクリックして、「書式」タブや右クリックメニューから色や太さを細かく変更することも可能です。

デザイン変更済の散布図

【応用編】散布図をより分かりやすくする3つのテクニック

基本の5ステップで作成したグラフに少し手を加えるだけで、さらに多くの情報を伝えられるようになります。ここでは、覚えておくと便利な3つの応用テクニックをご紹介します。

テクニック1: 複数のデータ系列を追加する方法

「商品Aと商品Bで、広告費と売上の関係に違いはあるか?」といった分析をしたい場合、1つのグラフに複数のデータ(系列)を表示させると比較しやすくなります。

  1. 元データに、比較したいデータ(例:「商品Bの売上」)を追加します。

  2. グラフエリアで右クリックし、「データの選択」を選びます。

    グラフを右クリックしえデータの選択をクリック
  3. 「凡例項目(系列)」の「追加」ボタンを押し、系列名とX軸、Y軸のデータ範囲をそれぞれ選択します。

二つの系統が表示された散布図

これで、マーカーの色や形で系列が区別され、違いが一目で分かるようになります。

テクニック2: 軸の範囲を調整して見やすくする

データの値が特定の範囲に集中している場合、Excelが自動で設定した軸の範囲では、点のかたまりが小さく見えてしまい、変化が分かりにくいことがあります。
そんな時は、軸を右クリックして「軸の書式設定」を選択し、「軸のオプション」から最小値や最大値を手動で設定しましょう。データの分布に合わせた範囲に調整することで、点のばらつきが強調され、より詳細な分析が可能になります。

軸の書式設定を開いた画面

テクニック3: データラベルを追加して特定の値を強調する

外れ値(他の点から大きく離れた点)や、特に注目したいデータ点がある場合は、データラベルを追加して具体的な数値を表示させると効果的です。
ラベルを追加したいデータ点をクリック(一度クリックで系列全体、もう一度クリックで個別選択)し、右クリックメニューから「データラベルの追加」を選択します。これにより、特定のデータが持つ意味を的確に伝えることができます。

必要に応じて色を変えることもできる

散布図から相関関係を読み取ろう

散布図を作成する最大の目的は、2つのデータの相関関係、つまり「片方が増えるともう片方も増える(減る)のか」という関係性の有無や強さを読み取ることです。点の分布パターンから、主に3つの関係性が見えてきます。

  • 正の相関: 点が全体的に右肩上がりに分布している状態。片方の値が増加すると、もう片方の値も増加する傾向があります。(例:身長と体重)

    正の相関の散布図の例
  • 負の相関: 点が全体的に右肩下がりに分布している状態。片方の値が増加すると、もう片方の値は減少する傾向があります。(例:ゲームのプレイ時間と勉強時間)

    負の相関の散布図の例

無相関: 点が特定の傾向なく、全体にばらついている状態。2つのデータの間に明確な関係は見られません。

無相関の散布図の例

これらの相関関係を理解することで、データに基づいた次のアクションを考えるヒントが得られます。散布図の見方や相関関係についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
散布図とは?見方や作り方、相関関係の読み解き方を徹底解説!

もっと手軽に美しい散布図を作りたいならxGrapherがおすすめ

Excelは高機能で便利なツールですが、「もっと直感的な操作で、デザイン性の高いグラフをサッと作りたい」「ソフトウェアをインストールしていないPCでも作業したい」と感じることはありませんか?

そんな方には、Webブラウザ上で完結するオンライングラフ作成ツール「xGrapher」がおすすめです。

xGrapherの散布図作成画面

xGrapherなら、CSVファイルをアップロードするか、データを直接貼り付けるだけで、誰でも簡単におしゃれな散布図を作成できます。
専門知識は不要で、クリック操作だけで色や形、ラベルなどを自由自在にカスタマイズ可能。作成したグラフは画像としてダウンロードしたり、URLで共有したりすることも簡単です。

「Excelの操作はちょっと苦手…」という方や、「プレゼン資料に使う見栄えの良いグラフを手軽に作りたい」という方は、ぜひ一度xGrapherの散布図作成ツールを試してみてください。
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「散布図とエクセル」に関するよくある質問(Q&A)

ここでは、Excel(エクセル)での散布図作成に関するよくある質問にお答えします。

Q1. 散布図と折れ線グラフの違いは何ですか?
A1. 散布図は2つの量的データの「関係性や分布」を見るのに適しているのに対し、折れ線グラフは主に「時間的な推移や変化」を表すのに使われます。横軸が日付や時刻などの連続した項目になる場合は、折れ線グラフが適しています。

Q2. Excel(エクセル)で回帰直線の数式(R-2乗値)を表示するにはどうすればいいですか?
A2. 近似曲線を追加した後、その線を右クリックして「近似曲線の書式設定」を選択します。表示された設定画面の下部にある「グラフに数式を表示する」と「グラフにR-2乗値を表示する」にチェックを入れると、グラフ上に数式とR-2(決定係数)が表示されます。R-2乗値は、回帰直線の当てはまりの良さを示す指標です。

グラフにR-2乗値を表示する

Q3. スマホ版のExcel(エクセル)アプリでも散布図は作れますか?
A3. はい、作成可能です。PC版と同様にデータを選択し、「挿入」メニューから「グラフ」→「散布図」と進むことで基本的な散布図を作成できます。ただし、PC版に比べて細かい書式設定などの機能は制限される場合があります。

Q4. データの縦軸と横軸が逆になってしまいました。どうすれば直せますか?
A4. グラフを右クリックし、「データの選択」を選びます。表示されたウィンドウで、編集したいデータ系列を選択して「編集」ボタンをクリックします。「系列Xの値」と「系列Yの値」のセル範囲がそれぞれ設定されているので、ここの範囲を正しく入れ替えることで修正できます。

Q5. 3つ以上のデータの関係性を見たい場合はどうすればいいですか?
A5. 3つの量的データの関係性を見たい場合は、散布図の一種であるバブルチャートが有効です。バブルチャートは、x軸、y軸に加えて、点の大きさ(バブルのサイズ)で3つ目のデータを表現します。

>> バブルチャートに関する解説記事

また、複数の散布図を一覧表示する散布図行列という手法も、多変量の関係性を把握するのに役立ちます。

まとめ

今回は、Excelを使って散布図を作成する基本的な手順から、より分かりやすく見せるための応用テクニック、そしてデータの相関関係を読み解く方法までを解説しました。

散布図は、一見すると無関係に見えるデータの中に隠れた関係性を見つけ出すための強力なツールです。この記事で紹介した手順を参考に、ぜひご自身のデータで散布図作成にチャレンジしてみてください。

また、より手軽に、よりデザイン性の高いグラフを作成したい場合は、オンラインツールのxGrapherも活用することで、データ分析や資料作成の効率が格段にアップするはずです。

xGrapher紹介画像

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コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。

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