スプレッドシートで散布図を作成する方法|基本から応用まで

「勉強時間とテストの点数には関係がある?」「サイトのアクセス数と売上にはどんな関連があるんだろう?」
そんな風に、2つの項目の関係性を視覚的に探りたいとき、非常に役立つのが「散布図」です。散布図は、横軸(X軸)と縦軸(Y軸)にそれぞれ異なるデータをとり、対応する場所に点を打ってプロットすることで、データ全体の傾向やばらつき、外れ値などを一目で把握できるグラフです。
この記事では、多くの人が利用しているGoogleスプレッドシートを使って、散布図を簡単に作成する方法を解説します。基本的な作り方から、見やすく分かりやすくするためのカスタマイズ方法、さらには分析に役立つ応用テクニックまで、この一本でマスターできます。ぜひ最後までご覧ください。
この記事の内容(目次)
【基本】スプレッドシートで散布図を作成する3ステップ
まずは、基本的な散布図の作り方から見ていきましょう。たったの3ステップで、誰でも簡単に作成できます。今回は例として、「各月の広告費と売上」のデータを使います。

STEP1: データの準備と選択
はじめに、スプレッドシートに散布図にしたい2つのデータを用意します。ポイントは、1列目にX軸(横軸)にしたいデータ、2列目にY軸(縦軸)にしたいデータを配置することです。今回は「広告費」をX軸、「売上」をY軸とします。
データが準備できたら、見出し(ヘッダー)を含めて、グラフにしたい範囲をドラッグして選択します。

STEP2: グラフの挿入
データを選択した状態で、メニューバーの「挿入」から「グラフ」をクリックします。

STEP3: グラフ種類の選択
グラフエディタが画面の右側に表示されます。スプレッドシートが自動で最適なグラフを提案してくれますが、もし違うグラフが表示された場合は、「グラフの種類」のプルダウンから「散布図」を選択してください。

今回のデータの場合、X軸が「月」が自動で入ってしまったので「広告費」に修正します。
グラフを編集 > 設定 > X軸 > 「月」→「広告費」へ変更
「系列」から「広告費」を削除

これだけで、基本的な散布図の完成です。広告費が多いほど、売上も高くなる傾向があることが何となく見て取れますね。

【見やすく改善】散布図をカスタマイズする方法
作成したままのグラフでも傾向は分かりますが、タイトルや軸ラベルを整えることで、誰が見ても分かりやすい、伝わるグラフになります。ここでは、最低限やっておきたいカスタマイズ方法をご紹介します。
グラフの編集は、グラフエディタの「カスタマイズ」タブから行います。

グラフタイトルと軸ラベルの編集
グラフが何を表しているのかを明確にするために、タイトルと軸ラベルは必ず設定しましょう。
「グラフと軸のタイトル」セクションを開きます。
「グラフのタイトル」に「広告費と売上の関係」など、分かりやすい名前を入力します。
グラフのタイトルと書かれたプルダウンを「横軸のタイトル」「縦軸のタイトル」に切り替え、それぞれ「広告費(万円)」「売上(万円)」のように単位も入れておくとより親切です。

点(マーカー)の色や形の変更
データの見栄えを良くするために、点(マーカー)の色や形、サイズを変更することもできます。
「系列」セクションを開きます。
「色」や「点のサイズ」「点の形」をお好みのものに変更します。プレゼン資料などに合わせて色を調整すると、統一感が出ます。

より詳しい散布図の基本については、こちらの記事「散布図とは?見方や作成時の注意点をわかりやすく解説」でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【応用】散布図をさらに活用するテクニック
基本的な作り方をマスターしたら、次はもう少し踏み込んだ分析に役立つテクニックを見ていきましょう。
近似曲線(トレンドライン)を追加して傾向を把握する
散布図に「近似曲線(トレンドライン)」を追加すると、データ全体の傾向をより正確に把握できます。これは、点のばらつきの中心を通るような直線のことです。
グラフエディタの「カスタマイズ」タブから「系列」セクションを開きます。
下部にある「トレンドライン」のチェックボックスをオンにします。
これだけで、データのおおまかな傾向を示す線がグラフに追加されます。線の種類(線形、指数など)や色、太さも変更可能です。

3つの要素で比較できる「バブルチャート」の作り方
X軸とY軸の2つの要素に加えて、3つ目の要素を点の大きさ(バブルのサイズ)で表現したい場合は、「バブルチャート」を使います。
例えば、「広告費(X軸)」「売上(Y軸)」に加えて「利益(バブルサイズ)」といったデータを用意します。
3列分のデータを選択してグラフを挿入します。
グラフエディタの「設定」タブで、グラフの種類を「バブルチャート」に変更します。
これにより、どのデータが特に利益が高いのかなどを視覚的に比較できるようになります。

スプレッドシートの散布図がうまく作れない時の対処法
「なぜか思った通りのグラフにならない…」そんな時にチェックしたいポイントを2つ紹介します。
データ範囲の選択が間違っている
最も多い原因は、データ範囲の選択ミスです。グラフにしたい列が正しく選択されているか、不要な空白セルなどが含まれていないかを確認しましょう。グラフエディタの「設定」タブにある「データ範囲」で修正することも可能です。
X軸とY軸が逆になっている
意図せずX軸とY軸が逆になってしまうことがあります。その場合は、グラフエディタの「設定」タブで、「行と列を切り替える」のチェックを入れたり外したりしてみてください。それでも解決しない場合は、元のデータの列を入れ替えるのが確実です。

もっと手軽におしゃれな散布図を作りたいなら
スプレッドシートは非常に高機能ですが、「もっと直感的に操作したい」「プレゼンで映えるような、デザイン性の高いグラフをサッと作りたい」と感じることもあるかもしれません。
そんな方には、オンライングラフ作成ツール「xGrapher」がおすすめです。

xGrapher は、会員登録不要・無料で、Webブラウザ上で直感的に美しい散布図を作成できるツールです。
直感的な操作感: データをコピー&ペーストするだけで、リアルタイムにグラフが描画されます。
豊富なテンプレート: おしゃれなデザインテンプレートが用意されており、クリック一つでグラフの見た目を変更できます。
柔軟なカスタマイズ: 色やフォント、ラベルの位置など、細部までこだわったカスタマイズが可能です。
スプレッドシートでの作成に慣れている方も、ぜひ一度、xGrapherの手軽さとデザイン性の高さを体験してみてください。
その他おすすめの記事
Excelでの散布図の作り方:「Excel(エクセル)の散布図の作り方!近似曲線の追加や応用も解説」
品質管理のQC7つ道具に関する解説: 「散布図が使われるQC7つ道具・新QC7つ道具とは?」
スプレッドシートの散布図に関するQ&A
Q1: 散布図に相関係数を表示できますか?
A: はい、表示できます。近似曲線を追加する際に、「カスタマイズ」→「系列」→「ラベル」で「R^2 値を使用」を選択すると、決定係数(R2値)が表示されます。相関係数そのものではありませんが、相関の強さの目安になります。厳密な相関係数は、CORREL
関数を使ってセルに計算するのが一般的です。

Q2: 散布図と折れ線グラフの違いは何ですか?
A: 散布図は2つの量的データ間の「関係性や分布」を見るのに使います。一方、折れ線グラフは主に時間の経過に伴うデータの「推移や変化」を見るのに適しています。X軸が日付や時間の場合は折れ線グラフ、X軸もY軸も数量データの場合は散布図、と覚えると分かりやすいです。
>> 散布図と他のグラフとの違いの解説
Q3: 複数のデータ系列を1つの散布図に表示できますか?
A: はい、可能です。例えば、「商品Aの広告費と売上」「商品Bの広告費と売上」を比較したい場合、データを並べて範囲選択し、グラフを作成します。グラフエディタの「設定」で「X軸」と「系列」を正しく指定することで、商品ごとに色分けされた散布図を作成できます。

Q4: スマホのスプレッドシートアプリでも散布図は作れますか?
A: はい、作成できます。PC版と同様にデータを選択し、画面上部の「+」アイコンから「グラフ」を選択することで作成可能です。ただし、PC版に比べて詳細なカスタマイズ機能は制限される場合があります。
Q5: 作成した散布図を画像として保存するにはどうすればいいですか?
A: グラフの右上にある縦の三点リーダー「︙」をクリックし、「グラフをダウンロード」から「PNG画像」または「SVG形式」を選択することで、画像ファイルとして保存できます。資料への貼り付けなどに便利です。

まとめ:散布図でデータに隠された関係性を見つけよう
本記事では、Googleスプレッドシートを使って散布図を作成する方法を、基本的な手順から見やすくするためのカスタマイズ、応用的なテクニックまで詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントを振り返りましょう。
散布図は2つのデータの関係性を可視化する最適なグラフ
作成は「データ選択 → 挿入 → グラフ種類選択」の簡単3ステップ
タイトルや軸ラベルのカスタマイズで、誰にとっても分かりやすいグラフになる
近似曲線やバブルチャートを使えば、より深い分析や考察が可能になる
まずはこの記事を参考に、お手元にある身近なデータで散布図を作成してみてください。
そして、より手軽に、デザイン性の高いグラフを直感的に作りたいと感じたら、ぜひグラフ作成ツール「xGrapher」もご活用いただけると嬉しいです。
