フローチャートとは?作り方の基本から記号の意味、無料作成ツールまで徹底解説

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「フローチャート」という言葉を聞いたことはありますか?業務マニュアルやシステムの設計図などで見かける、四角やひし形が線で結ばれた図のことです。一見すると複雑に見えるかもしれませんが、実はとてもシンプルで便利なツールです。

この記事では、「フローチャートって結局なに?」「どうやって作ればいいの?」という疑問をお持ちの方に向けて、フローチャートの基本から具体的な作り方、すぐに使えるツールまで、わかりやすく解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたもフローチャートを自在に使いこなせるようになっているはずです。

なぜフローチャートが重要?3つの大きなメリット

フローチャートは、単に情報を図で表すだけではありません。ビジネスやプロジェクトにおいて、多くのメリットをもたらしてくれます。ここでは、代表的な3つのメリットをご紹介します。

メリット1:複雑なプロセスが「一目でわかる」

文章だけで説明された手順は、長くなるほど理解が難しくなります。フローチャートを使えば、複雑な業務の流れやシステムの処理手順を視覚的に表現できるため、関係者全員が「一目で」全体の流れを直感的に把握できます。これにより、認識のズレを防ぎ、スムーズな情報共有が可能になります。

メリット2:問題点や改善点を発見しやすくなる

業務プロセスをフローチャートに書き出すことで、「どこで無駄が発生しているのか」「どこがボトルネックになっているのか」といった問題点が明確になります。プロセス全体が可視化されるため、非効率な部分や改善すべき点が浮き彫りになり、具体的な業務改善のアクションにつなげやすくなります。

メリット3:手順が明確になり、抜け漏れを防げる

作業の手順や判断の基準をフローチャートで標準化することで、誰が担当しても同じ品質で作業を進めることができます。作業の抜け漏れやミスを減らし、業務の品質を安定させる効果が期待できます。新人教育のマニュアルとして活用するのも非常に効果的です。

これだけは覚えたい!フローチャートの基本的な記号とルール

フローチャートは、統一された記号を使うことで、誰が見ても同じ意味で理解できるように作られています。ここでは、特に使用頻度が高い基本的な記号5つとその意味をご紹介します。

フローチャートは、統一された記号
  • 端子(開始/終了): 角が丸い四角形で、プロセスの「始まり」と「終わり」を示します。フローチャートには必ず1つずつの開始と終了が存在します。

  • 処理: 長方形で、具体的な作業や処理の内容を記述します。「データ入力」「書類作成」など、一つのステップを表します。

  • 判断: ひし形で、「はい/いいえ」や「Yes/No」で答えられる分岐点を示します。ここから複数の矢印が伸び、条件によって進むルートが変わります。

  • 線(矢印): プロセスの進む方向を示します。基本的には上から下、左から右へと流れるように描きます。

  • データ(入出力): 平行四辺形で、情報の入力や出力(帳票やデータファイルなど)を表します。

これらの記号をルールに沿って組み合わせることで、論理的でわかりやすいフローチャートが完成します。

初心者でも簡単!フローチャートの作り方4ステップ

それでは、実際にフローチャートを作成する手順を見ていきましょう。以下の4つのステップに沿って進めれば、誰でも簡単にフローチャートを作成できます。

STEP1:目的と範囲を決める

まず、「何のためのフローチャートなのか」という目的と、「どこからどこまでの範囲を描くのか」を明確にします。例えば、「顧客からの問い合わせ対応フロー」や「Webサイトの会員登録フロー」のように、具体的で明確なテーマを設定しましょう。ここが曖昧だと、途中で内容がブレてしまいます。

STEP2:タスクや判断項目を洗い出す

次に、設定した範囲の中で発生する全てのタスク、作業、判断項目を箇条書きでリストアップします。この段階では順番を気にする必要はありません。思いつく限り、全ての要素を書き出してみましょう。関係者へのヒアリングを行うと、より正確な情報を集めることができます。

STEP3:記号を使って流れを組み立てる

洗い出したタスクを、先ほど紹介した記号に当てはめながら、矢印でつないでいきます。

手書きやExcel、PowerPointでも作成できますが、修正や共有の手間を考えると、専用のツールを使うのが圧倒的に効率的です。

例えば、無料のオンラインツール「xGrapher」なら、専門知識がなくてもブラウザ上で直感的にフローチャートを作成できます。記号をドラッグ&ドロップし、線でつなぐだけで、誰でもきれいなフローチャートが完成します。
➡️ 無料でフローチャートを作成してみる

xGrapherのフローチャート作成画面

STEP4:レビューと修正

完成したフローチャートを関係者に見てもらい、内容に間違いや認識のズレがないかを確認します。フィードバックをもとに修正を加え、全員が納得するフローチャートを完成させましょう。一度作って終わりではなく、業務内容の変更に合わせて定期的に見直すことが重要です。

もっと分かりやすく!フローチャート作成の3つのコツ

基本的な作り方に加えて、以下の3つのコツを意識すると、さらに分かりやすく、伝わりやすいフローチャートになります。

  1. 記号の大きさを揃える: 同じ種類の記号は、できるだけ大きさを統一しましょう。見た目が整い、全体として非常に見やすくなります。

    記号の大きさを揃える
  2. 線の交差は避ける: 矢印が複雑に交差すると、流れが追いにくくなります。どうしても交差が必要な場合以外は、記号の配置を工夫して線をシンプルに保ちましょう。

    フローチャートの線の交差は避ける
  3. 1つの処理には1つの記号: 1つの「処理」記号の中には、1つの具体的なアクションだけを書きましょう。「書類を確認して承認する」のように複数のアクションが含まれる場合は、「書類を確認する」と「承認する」の2つの記号に分けることで、プロセスがより明確になります。

    フローチャートの1つの処理には1つの記号

【応用編】Excelやスプレッドシートでも作れる?

専用ツールを使わなくても、身近なExcelやGoogleスプレッドシートでフローチャートを作成することも可能です。「図形」機能を使って記号を描き、線でつないでいく方法です。

手軽に始められるメリットはありますが、図形の配置や線の調整に手間がかかることもあります。より詳しい作り方については、こちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

➡️ スプレッドシートでフローチャートを作成する方法
➡️ Excelでフローチャートを作成する方法
➡️ パワーポイントでフローチャートを作成する方法
➡️ Word(ワード)でフローチャートを作成する方法

まとめ

今回は、フローチャートの基本から具体的な作り方、わかりやすく描くためのコツまでを解説しました。

フローチャートは、複雑な業務の流れや手順を誰にでも分かりやすく伝えることができる強力なツールです。基本的な記号と4つの作成ステップさえ押さえれば、誰でも簡単に作成を始めることができます。

この記事を参考に、まずはあなたの身近な業務をフローチャートに書き出すことから始めてみてはいかがでしょうか。無料のオンラインツール xGrapherを使えば、今すぐ手軽に、そして直感的にフローチャートを作成できます。業務の改善やチーム内の円滑な情報共有に、ぜひフローチャートを活用してみてください。

xGrapher紹介画像

フローチャートに関するQ&A

最後に、フローチャートに関してよく寄せられる質問にお答えします。

Q1. フローチャートは無料で作成できますか?

A1. はい、できます。xGrapherのようなオンラインツールを使えば、アカウント登録不要で、完全に無料で高品質なフローチャートを作成し、画像としてダウンロードすることが可能です。

Q2. どの記号を使えばいいか迷います。

A2. まずは本記事で紹介した「端子」「処理」「判断」「線」「データ」の5つの基本記号を覚えましょう。ほとんどのプロセスはこれらの組み合わせで表現できます。慣れてきたら、必要に応じて他の専門的な記号を追加していくのがおすすめです。

Q3. 複雑なプロセスはどう描けばいいですか?

A3. プロセス全体が非常に複雑で長くなる場合は、大きな流れを描いた「全体フロー」と、各部分の詳細を描いた「詳細フロー」に分けて作成すると分かりやすくなります。全体像と詳細を分けて管理することで、見やすさを保つことができます。

Q4. フローチャートに正解はありますか?

A4. フローチャートの目的は「関係者間でプロセスの共通認識を持つこと」です。そのため、記号のルールを守りつつ、関係者全員が「分かりやすい」と感じるものが正解と言えます。第三者に見てもらい、フィードバックをもらうことが重要です。

Q5. 手書きとツール、どちらがいいですか?

A5. アイデアを出す段階では、手書きでラフに描くのが早い場合があります。しかし、清書したり、他人と共有したり、後から修正したりすることを考えると、専用ツールを使う方が圧倒的に効率的です。xGrapherのようなクラウドツールなら、URLで簡単に共有や共同編集ができます。

コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。

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