Googleスライド/ドキュメントでフローチャートを作成する方法

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プレゼン資料(Googleスライド)や、業務マニュアル・仕様書(Googleドキュメント)を作成していると、「作業の手順」や「システムの動き」を視覚的に示すフローチャートを入れたい場面がよくあります。

「フローチャート作成」と聞くと、PowerPointやExcel、あるいは専門の作図ソフトを思い浮かべるかもしれませんが、実はいつも使っているGoogleスライドやGoogleドキュメントでもフローチャートを作成することは可能です。

この記事では、Googleのツールを使ってフローチャートを作成する基本的な方法と、そのメリット・デメリット、そして「もっと効率的に、きれいなフローチャートを作りたい」という方のための、より最適な方法を解説します。

参考:Googleスプレッドシートでフローチャートを作成する方法


【基本】Google標準機能(図形描画)でフローチャートを作成する手順

Googleスライドとドキュメントでは、標準搭載されている「図形描画」機能を使ってフローチャートを作成するのが基本です。どちらのツールでも、操作感はほぼ同じです。

Googleスライドでの作成手順

Googleスライドの場合、スライドに直接、図形や線を挿入していきます。

  1. 上部メニューの「挿入」をクリックします。

  2. 「図形」にカーソルを合わせると、様々なカテゴリが表示されます。

  3. 「図形」カテゴリの中に、フローチャートでよく使われる記号(処理、判断、端子など)が揃っています。

  4. 「線」カテゴリから「カギ線コネクタ」または「矢印」を選び、図形同士を接続します。

Googleドキュメントでの作成手順

Googleドキュメントの場合は、直接ページに図形を置くのではなく、「図形描画」という専用のキャンバスを呼び出して作業します。

  1. 上部メニューの「挿入」をクリックします。

  2. 「図形描画」もしくは「描画」にカーソルを合わせ、「+ 新規」を選択します。

    「図形描画」にカーソルを合わせ、「+ 新規」を選択
  3. 「図形描画」のポップアップウィンドウが表示されます。

    「図形描画」のポップアップウィンドウが表示
  4. このウィンドウ内で、Googleスライドでの解説と
    同様に「図形」アイコンや「線」アイコンを使ってフローチャートを作成します。

  5. 完成したら、右上の「保存して閉じる」をクリックすると、ドキュメントに画像として挿入されます。

挿入されたフローチャート

図形描画ツールでの操作方法(共通)

スライドでもドキュメント(の図形描画)でも、操作は共通です。

  • 図形の追加: 「図形」アイコンから使いたいフローチャート記号を選び、キャンバス上(またはスライド上)でドラッグして配置します。

  • 線の接続: 「線」アイコンから「カギ線コネクタ」を選びます。図形にカーソルを合わせると表示される接続点(●)から、次の図形の接続点(●)までドラッグすると、線が接続されます。

  • テキストの入力: 配置した図形をダブルクリックすると、中に直接テキストを入力できます。

[完成した簡単なフローチャート]

完成した簡単なフローチャート

Googleの標準機能で「うまく」作成する3つのコツ

Googleの標準機能は、少しクセがありますが、以下のコツを押さえると少しだけ効率的に作業できます。

コツ1:「カギ線コネクタ」で接続点を意識する

ただの「矢印」ではなく、「カギ線コネクタ」を使うのが重要です。図形に表示される接続点(●)同士をこれでつなぐと、後で図形を移動させたときに、線が自動的に追従してくれます。レイアウト調整が格段に楽になります。

カギ線コネクタで図形を接続する

コツ2:図形のコピー&ペーストを活用する

同じ「処理」の図形を何個も使う場合、一つ目の図形を作成し、テキストのフォントやサイズ、色を調整したら、それをコピー&ペースト(Ctrl+CCtrl+V)して複製しましょう。書式が統一され、見た目がきれいになります。

コツ3:図形の整列・グループ化

複数の図形を選択した状態で右クリックすると、「配置」や「グループ化」といったメニューが使えます。

  • 配置: 図形の上端、下端、または中央揃えを使い、ガタガタな配置をきれいに整えます。

  • グループ化: 完成した部分をグループ化しておくと、まとめて移動や拡大・縮小ができ、レイアウト崩れを防げます。


複数の図形を選択した状態で右クリックすると、「配置」や「グループ化」といったメニューが使える

Google標準機能の限界とデメリット

ここまで紹介したように、Googleの標準機能でもフローチャートは作成可能です。しかし、正直なところ、少し手間がかかります

特に、以下のようなデメリットを感じる方が多いでしょう。

  • デメリット1:操作が直感的ではない
    図形と線を一つひとつ手動で配置し、接続点(●)を正確にクリックしてつなぐ作業は、非常に地道です。「描画」というより「部品を組み立てる」感覚に近いです。

  • デメリット2:図形が増えると修正が地獄
    分岐や処理が増えて図が複雑になると、レイアウトの調整が非常に大変になります。図形を一つ動かすと、接続されている線が意図しない形に曲がり、それを手動で直す...といった作業に追われがちです。

  • デメリット3:複雑な表現が難しい
    線が交差する際の「飛び越し線」を標準機能で作るのは困難です。また、フローチャートには特定の意味を持つ記号が多くありますが、それらを正確に使いこなすのも一苦労です。
    参考:フローチャートの基本的な記号とルール(JIS規格)

「ちょっとした手順を示すだけ」ならGoogleの標準機能でも十分ですが、「業務フロー全体」や「複雑なアルゴリズム」を描こうとすると、すぐに限界が来てしまいます。


【推奨】もっと簡単・きれいに作るなら「オンライン専門ツール」が最適

もし、あなたがGoogleの標準機能の操作性にストレスを感じているなら、発想を転換し、「フローチャートは専用のツールで作成し、完成したものを画像としてGoogleスライド/ドキュメントに貼り付ける」という方法を強くおすすめします。

なぜ専門ツールが良いのか?

フローチャート作成専用のツールは、Googleの図形描画機能とは比較にならないほど、直感的で効率的に作図できるように設計されています。

  • 図形をドラッグ&ドロップするだけで、自動で線が接続される。

  • レイアウトの自動調整機能が強力。

  • 豊富なテンプレートやきれいなデザインが用意されている。

おすすめの無料ツール「xGrapher」

数ある作図ツールの中でも、特におすすめなのが「xGrapher(エックスグラファー)」です。

xGrapher フローチャート作成ページ

xGrapherは、インストール不要・登録不要で、ブラウザを開けばすぐに使える無料のオンラインチャート作成ツールです。

xGrapherのフローチャート作成画面

Googleの図形描画機能と比べ、xGrapherには以下のようなメリットがあります。

  • 圧倒的に直感的: 図形をキャンバスに置くだけで、簡単に配置や接続ができます。

  • 高機能: 複雑な分岐やレイアウト調整も簡単に行えます。

  • デザイン性: きれいで見やすいフローチャートがすぐに完成します。
    参考:見やすいフローチャートのための色の選び方

xGrapherからGoogleスライド/ドキュメントへの貼り付け手順

この方法なら、作成も貼り付けも簡単です。

  1. xGrapherでフローチャートを作成
    xGrapher にアクセスし、直感的な操作でフローチャートを作成します。

  2. 画像としてエクスポート
    作成が完了したら、「エクスポート」機能を使ってPNG形式(またはSVG形式:高画質)で画像をダウンロードします。

  3. Googleスライド/ドキュメントに貼り付け
    Googleスライドまたはドキュメントに戻り、「挿入」メニューから「画像」を選び、ダウンロードした画像をアップロードして貼り付けます。

[完成したフローチャートの例]

完成したフローチャートの例

この方法であれば、Googleのツール内で苦労して図形を操作する必要は一切ありません。専門ツールで効率的に作成し、資料には「完成品」を貼り付けるだけです。


まとめ:目的に合わせて最適な方法を選ぼう

Googleスライドやドキュメントでフローチャートを作成する方法は、大きく分けて2つあります。

  1. 【手軽さ重視】 Googleの標準機能(図形描画)

    • メリット:ツールを切り替えずに完結できる。

    • デメリット:操作が面倒で、複雑な図には向かない。

    • おすすめな人:2〜3個の図形だけで構成される、ごく簡単な流れを示したい人。

  2. 【効率・見栄え重視】 専門ツール(xGrapher)+画像貼り付け

    • メリット:圧倒的に早く、直感的に、きれいなフローチャートが作れる。

    • デメリット:ツールを切り替える(ブラウザの別タブ)手間がわずかにある。

    • おすすめな人:本格的なフローチャートを作りたい人、Googleスライドやドキュメントでの操作性にストレスを感じる人。

ぜひ、ご自身のスタイルに合った方法を見つけてみてください。

xGrapher紹介画像

Googleのフローチャート作成に関するQ&A

Q1: Googleスライドで図形同士がうまく線でつながりません。

A1: ただの「線」や「矢印」ではなく、「カギ線コネクタ」または「コネクタ」を選んでいますか? 図形にカーソルを合わせたときに表示される接続点(●)同士をクリックしてつなぐ必要があります。接続点以外につなぐと、図形を動かしたときに線が追従しません。

Q2: Googleドキュメントで作成したフローチャートを後から編集するには?

A2: ドキュメントに挿入されたフローチャート(図形描画)をダブルクリックしてください。すると、作成時に使った「図形描画」のポップアップウィンドウが再び開き、図形や線を編集できます。

Q3: フローチャートの記号の意味がわかりません。

A3: フローチャートの記号には、JIS規格などで標準的な意味が定められています。例えば、角丸四角形は「開始/終了(端子)」、長方形は「処理」、ひし形は「判断(分岐)」を表します。詳しくはこちらの記事(フローチャートの基本的な記号とルール)も参考にしてください。

Q4: Googleスライドやドキュメントに、フローチャートのテンプレートはありますか?

A4: Googleスライドには「図表」という機能で階層図などのテンプレートはありますが(挿入 > 図表)、フローチャート専用の気の利いたテンプレートは標準では用意されていません。

Q5: フローチャートの色分けにルールはありますか?

A5: フローチャートの色分けに「絶対のルール(JIS規格など)」はありません。しかし、色を効果的に活用することで、情報の伝達効率は格段に上がります。

参考記事: フローチャートの色分け術:見やすさが変わる配色ルールと意味を解説

コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。

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