Excelでフローチャートを作成する方法|図形・SmartArt

業務プロセスの可視化やシステムの設計など、様々な場面で活躍する「フローチャート」。いざ作成しようと思ったとき、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが、普段から使い慣れているExcelではないでしょうか。
確かに、Excelにはフローチャート作成に使える機能が備わっており、新しくソフトをインストールすることなく手軽に始められるのが魅力です。しかし、実際に作ってみると「図形の配置がズレてイライラする」「線の修正が面倒」「もっと見栄え良く作りたいのに…」と感じた経験はありませんか?
この記事では、まずExcelを使ってフローチャートを作成する基本的な方法を分かりやすく解説します。その上で、Excelで作成する際の限界や、もっと効率的で美しいフローチャートを作成するための選択肢についてもご紹介します。この記事を読めば、あなたの目的に最適なフローチャートの作成方法がきっと見つかるはずです。
この記事の内容(目次)
Excelの「図形」機能でフローチャートを作る基本ステップ
最もオーソドックスな方法が、Excelの「図形」機能を使って一つひとつのパーツを組み合わせていく方法です。自由度が高い反面、少し手間がかかりますが、基本を覚えれば様々なフローチャートに対応できます。
STEP1: 図形の挿入
まずは、フローチャートの各工程を表す図形を配置します。
Excel上部のリボンから「挿入」タブをクリックします。
「図形」を選択すると、様々な図形のリストが表示されます。
リストの下の方にある「フローチャート」の項目から、目的に合った図形(開始/終了、処理、判断など)を選び、シート上でドラッグして配置します。

STEP2: 図形にテキストを追加する
配置した図形をダブルクリックするか、右クリックして「テキストの編集」を選択すると、図形の中に直接テキストを入力できます。処理の内容や条件などを簡潔に書き込みましょう。
STEP3: 図形を線(コネクタ)でつなぐ
各工程の流れを示すために、図形同士を線でつなぎます。
再度「挿入」タブから「図形」を選択し、線のカテゴリーから「カギ線コネクタ」などを選びます。
マウスカーソルを図形に近づけると、接続ポイント(〇印)が表示されます。
始点となる図形の接続ポイントをクリックし、そのまま終点となる図形の接続ポイントまでドラッグすると、2つの図形が線で結ばれます。
コネクタでつなぐと、後から図形を移動させても線が自動で追従してくれるため非常に便利です。

STEP4: 書式設定で見た目を整える
図形や線の色、太さ、フォントなどを調整して、見やすいフローチャートに仕上げましょう。図形を選択した状態で上部に表示される「図形の書式」タブから、塗りつぶしの色や枠線の種類を簡単に変更できます。

もっと手軽に!Excelの「SmartArt」でフローチャートを作る方法
「一つひとつ図形を配置するのは面倒…」という方には、「SmartArt」機能がおすすめです。デザインテンプレートを選ぶだけで、ある程度整ったフローチャートを素早く作成できます。
「挿入」タブから「SmartArt」をクリックします。
「SmartArtグラフィックの選択」ウィンドウが開くので、左側のメニューから「手順」や「階層構造」などを選び、フローチャートに適したレイアウトを選択します。
シートに挿入されたSmartArtの左側にあるテキストウィンドウに、各工程のテキストを入力していきます。テキストを入力するだけで、図形が自動的に追加・リサイズされるので非常に効率的です。
ただし、SmartArtはデザインの自由度が低く、複雑な分岐やループを持つフローチャートの作成には不向きな場合があります。簡単なプロセスの図解などに活用するのが良いでしょう。
Excelで綺麗なフローチャートを作る5つのコツ
Excelで作ると、どうしても素人っぽい見た目になりがちです。以下の5つのコツを意識するだけで、格段に見栄えが良くなります。
グリッドに合わせて配置する: 「表示」タブで「目盛線」にチェックを入れたり、「Alt」キーを押しながら図形をドラッグしたりすると、図形がセルに合わせてカクカクと動くようになり、配置が楽になります。
図形のサイズを統一する: 同じ役割の図形(例:「処理」の長方形)は、サイズを揃えると統一感が出ます。
「配置」機能で整列させる: 複数の図形を「Shift」キーを押しながら選択し、「図形の書式」タブの「配置」機能を使えば、「上揃え」「左右に整列」などを一括で行えます。
配色ルールを決める: 色を使いすぎると、かえって見づらくなります。「処理は青」「判断は緑」のように役割ごとに色を統一し、使う色は3〜4色程度に抑えるのがおすすめです。
線の種類を使い分ける: プロセスの流れを示す実線、情報の流れを示す点線など、線の種類を使い分けることで、より分かりやすいチャートになります。
【比較】Excelとオンラインツール、どっちでフローチャートを作るべき?
ここまでExcelでの作成方法を紹介してきましたが、「もっと効率的に、もっと高機能なものを使いたい」と感じた方もいるかもしれません。そこで、Excelとフローチャート作成専用のオンラインツールを比較してみましょう。
項目 | Excel | オンラインツール(xGrapherなど) |
---|---|---|
手軽さ | ◎(多くのPCにインストール済み) | 〇(ブラウザでアクセスするだけ) |
作図の効率 | △(手動での調整が多い) | ◎(ドラッグ&ドロップする・直感的な操作) |
デザイン性 | 〇(カスタマイズは可能) | ◎(基本スタイルあり) |
共同編集 | △(ファイルの共有が必要) | ◎(複数人でも編集が可能) |
共有・管理 | △(ファイル形式でのやり取り) | ◎(URLで簡単に共有、クラウドで一元管理) |
コスト | ◎(Officeライセンスがあれば無料) | 〇(無料で十分使えるものが多い) |
Excelの最大のメリットは、多くの人が使い慣れており、追加コストなしで始められる点です。一方、オンラインツールは、作図の効率、共同編集、共有のしやすさといった面でExcelを圧倒しています。
特に、チームでフローチャートを確認・編集したり、Webページに埋め込んで公開したりするようなケースでは、オンラインツールが断然便利です。
【結論】手軽さと高機能を両立するならxGrapherがおすすめ
「Excelの手間はかけたくないけど、複雑なソフトは覚えたくない」という方には、当サイトが提供するオンラインチャートメーカー xGrapher が最適です。
直感的な操作: パーツをドラッグ&ドロップし、クリックで線をつなぐだけで、誰でも簡単に美しいフローチャートが作成できます。
クラウドで自動保存&簡単共有: 作成したチャートは自動で保存され、URLを発行するだけでチームメンバーに共有できます。面倒なファイルのやり取りはもう必要ありません。
まずは無料で試して、その快適な操作性を体験してみてください。

また、フローチャートの記号の意味や基本的なルールからしっかり学びたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
→ 参考記事:フローチャートの書き方を徹底解説!記号の意味や処理の流れを分かりやすく
Excelと似た操作感でフローチャートを作りたい方は、Googleスプレッドシートを使った方法も解説しています。
→ 参考記事:フローチャートをスプレッドシートで簡単作成!
フローチャート作成に関するQ&A
Q1. フローチャートの図形(記号)にはどんな意味がありますか?
A1. フローチャートで使われる図形には、それぞれJIS(日本産業規格)などで定められた意味があります。例えば、角丸長方形は「開始/終了」、長方形は「処理」、ひし形は「判断(分岐)」を表します。詳しくは、先ほど紹介した参考記事「フローチャートの書き方を徹底解説!」をご覧ください。

Q2. Excelで作成したフローチャートを画像として保存するには?
A2. 作成したフローチャートのすべての図形と線を「Shift」キーを押しながら選択し、右クリックして「グループ化」します。

その後、グループ化されたオブジェクトを再度右クリックし、「図として保存」を選択すると、JPEGやPNG形式で保存できます。

Q3. スマホやタブレットでもフローチャートは作れますか?
A3. Excelのモバイルアプリでも簡易的な作成は可能ですが、画面が小さく操作が煩雑になりがちです。xGrapherのようなブラウザベースのオンラインツールは、PCでの利用を推奨しますが、閲覧や簡単な文字の編集程度であればスマホでも対応可能です。
Q4. フローチャート作成に便利なテンプレートはどこで探せばいいですか?
A4. Excelにも組み込みのテンプレートがありますが、種類は多くありません。Web上で「フローチャート テンプレート 無料」などと検索すると多くのサイトが見つかります。
Q5. 作成したフローチャートをPowerPointに貼り付けたいです。
A5. Excelで作成したフローチャートは、コピー&ペーストで簡単にPowerPointに貼り付けられます。貼り付けオプションで「図」として貼り付けると、見た目が崩れにくくなります。xGrapherで作成したチャートは、画像としてエクスポートして貼り付けるのがおすすめです。
まとめ
今回は、Excelを使ってフローチャートを作成する方法について、基本的な手順からきれいに見せるコツ、そしてより便利なオンラインツールとの比較までを解説しました。
手元にあるソフトで手軽に作りたい: まずはExcelの「図形」や「SmartArt」機能で試してみましょう。
効率や見栄え、共有のしやすさを重視したい: xGrapher のようなオンライン専用ツールが断然おすすめです。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、あなたの目的やシーンに合った最適なツールを選んで、分かりやすいフローチャートを作成してください。

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