パワポでフローチャートを簡単作成!見やすい図を作る3つのコツと裏ワザ

「企画書や提案書に、業務フローやシステムの動きを分かりやすく載せたい…」
そんな時、多くのビジネスパーソンが頭を悩ませるのがフローチャートの作成ではないでしょうか。特に、普段から使い慣れているパワーポイント(PowerPoint)で、どうやって作れば良いのか分からない、作ってはみたものの見栄えが悪くなってしまう、という声もよく耳にします。
しかし、ご安心ください。パワポにはフローチャートを簡単に、そして綺麗に作成するための機能が揃っています。
この記事では、パワーポイントを使ったフローチャートの基本的な作り方から、ワンランク上の見やすい資料に仕上げるためのコツまで、順を追って分かりやすく解説します。この記事を読み終える頃には、あなたも自信を持ってフローチャートを作成できるようになっているはずです。
この記事の内容(目次)
パワポでのフローチャート作成、2つの基本パターン
パワーポイントでフローチャートを作成する方法は、大きく分けて2つあります。手軽さを重視するなら「SmartArt機能」、自由度を重視するなら「図形機能」です。それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて使い分けましょう。
【初心者向け】SmartArt機能で素早く作成
とにかく早く、基本的なフローチャートを作成したい方におすすめなのが「SmartArt」機能です。あらかじめ用意されたテンプレートを選ぶだけで、綺麗なフローチャートの雛形が完成します。
作成手順:
パワポの「挿入」タブから「SmartArt」を選択します。
「階層構造」または「手順」の中から、イメージに近いフローチャートのレイアウトを選びます。
表示されたテキストウィンドウに、各工程の内容を入力していきます。
図形を追加したい場合は、テキストウィンドウでEnterキーを押すか、「SmartArtのデザイン」タブから「図形の追加」を選びます。
分岐はSmartArtでは自動でできないので「挿入」→「図形」→「フローチャート」から適切な図形を追加してください。
挿入された図形を変更したい場合は図形を右クリック→「図形の変更」→「フローチャート」からお好みの図形に変更してください。
テキストを入力するだけで自動的に図形のサイズや配置が調整されるため、デザインの知識がなくても均整の取れたフローチャートを短時間で作成できるのが最大のメリットです。
【こだわり派向け】図形機能で自由にカスタマイズ
より複雑なフローや、オリジナルのデザインで作成したい場合は、「図形」機能を使いましょう。一つ一つの図形や線を自分で配置していくため手間はかかりますが、その分、思い通りのフローチャートを作成できます。
作成手順:
「挿入」タブから「図形」を選択し、「フローチャート」の項目から必要な記号(処理、判断、開始/終了など)を選んでスライド上に配置します。
配置した図形をダブルクリックすると、中にテキストを入力できます。
図形同士を繋ぐには、「図形」の中にある「線」や「矢印」を使います。線の端にある丸い点を、それぞれの図形の接続ポイント(図形にカーソルを合わせると表示される点)に合わせると、図形を動かしても線が追従するようになります。
図形の色や枠線、テキストのフォントなどは、「図形の書式設定」から自由に調整できます。
SmartArtと図形、どっちを使うべき?
どちらの機能を使うか迷った場合は、以下の表を参考にしてみてください。
SmartArt機能 | 図形機能 | |
---|---|---|
メリット | ・短時間で作成できる | ・レイアウトの自由度が高い |
デメリット | ・複雑な分岐やループの表現が難しい | ・作成に時間がかかる |
おすすめな人 | とにかく早く作りたい人、シンプルな工程図を作りたい人 | こだわったデザインにしたい人、複雑な業務フローを表現したい人 |
見やすいフローチャートに仕上げる3つのコツ
フローチャートは、ただ工程を並べるだけでは不十分です。誰が見ても内容を直感的に理解できるよう、「見やすさ」を意識することが重要です。ここでは、そのための3つのコツをご紹介します。
コツ①:記号の意味を統一して分かりやすく
フローチャートで使われる図形には、それぞれ意味があります。例えば、角丸の四角は「開始/終了」、長方形は「処理」、ひし形は「判断(分岐)」を表します。これらの記号のルールを守って使い分けることで、ぐっと分かりやすいフローチャートになります。
開始/終了(端子): プロセスのスタートとゴール
処理: 具体的な作業や操作
判断: 「Yes/No」や「A/B」などの分岐条件
データ: 情報の入力や出力を示す
すべての記号を覚える必要はありませんが、主要なものの意味を統一するだけで、情報の伝わりやすさが格段に向上します。
(より詳しい記号の意味については、こちらの記事「フローチャートの書き方を徹底解説!基本的な記号の意味から作成のコツまで」でも解説しています。)
コツ②:線の流れを整えて視線をスムーズに
視線の流れは、基本的に「上から下へ、左から右へ」を意識しましょう。矢印が交差したり、逆流したりすると、プロセスを追いにくくなり、混乱の原因となります。やむを得ず線が交差する場合は、「交差(ジャンクション)」記号を使うなどして、流れが分断されないように工夫しましょう。
また、図形と図形を繋ぐ線は、なるべく「カギ線(肘コネクタ)」を使い、直線で結ぶことを意識すると、全体的にスッキリとした印象になります。
コツ③:色と配置でメリハリをつける
すべての図形を同じ色や形で並べるのではなく、重要なポイントや役割の異なるグループで色分けをすると、視覚的に理解しやすくなります。ただし、色を使いすぎると逆に見づらくなるため、3〜4色程度に抑えるのがポイントです。
また、図形の配置も重要です。「配置」機能を活用して、図形の上端や中央を揃えるだけで、一気に整然としたプロフェッショナルな見た目になります。
もっと効率的に!パワポ作成をスピードアップする裏ワザ
最後に、パワポでのフローチャート作成をさらに効率化するテクニックと、パワポの枠を超えた「裏ワザ」をご紹介します。
図形のコピー&ペーストと書式のコピー
同じ図形を何度も使う場合は、一つ作成したら「Ctrl + C」でコピーし、「Ctrl + V」で貼り付けましょう。書式(色や枠線、フォントサイズなど)を統一したい場合は、「書式のコピー/貼り付け」機能が便利です。コピー元の図形を選択した状態で、ホームタブにある刷毛(はけ)のアイコンをクリックし、適用したい図形をクリックするだけで、瞬時に同じデザインを反映できます。
【手軽】オンラインツールで作成して貼り付ける
「パワポでの作図はやっぱり面倒…」「複数人で編集したい」「もっと洗練されたデザインにしたい」
そんな悩みを持つ方には、オンラインのフローチャート作成ツールを利用するという選択肢が非常に有効です。
例えば、「xGrapher」のような無料ツールを使えば、直感的なドラッグ&ドロップ操作で、誰でも簡単に見栄えの良いフローチャートを作成できます。作成したフローチャートは画像(PNGやJPEG)として簡単にエクスポートできるので、そのままコピーしてパワーポイントのスライドに貼り付けるだけでOKです。

この方法なら、パワポの細かい図形操作に時間を取られることなく、本来注力すべきフローチャートの中身の検討に集中できます。特に、共同編集機能は、チームでの作業効率を飛躍的に向上させてくれるでしょう。
もし、フローチャートの元になるデータがExcelやスプレッドシートにある場合は、そちらから作成する方が効率的なケースもあります。興味のある方は、以下の記事も参考にしてみてください。
参考記事:
パワポのフローチャートに関するQ&A
Q1. 作成したフローチャートにアニメーションを付けることはできますか?
A1. はい、可能です。作成した図形やSmartArtのオブジェクトを選択し、「アニメーション」タブから「フェード」や「ワイプ」などの効果を設定できます。登場する順番を工夫することで、プロセスの流れを効果的にプレゼンテーションできます。
Q2. ひし形の「判断」から線が2本(Yes/No)しか出せませんか?
A2. パワポの図形機能では、1つの図形から何本でも線を引くことが可能です。3つ以上の選択肢に分岐させる場合は、それぞれの線にテキストボックスなどで分岐先の条件を明記すると分かりやすくなります。
Q3. スマホやタブレットのPowerPointアプリでもフローチャートは作れますか?
A3. はい、作成可能です。ただし、画面が小さくマウス操作ではないため、パソコン版に比べて細かい調整は難しくなります。簡単な修正や閲覧には便利ですが、本格的な作成はパソコンで行うことをおすすめします。
Q4. フローチャートの図形が多すぎて、1枚のスライドに収まりません。
A4. 無理に1枚に収めようとすると、文字や図形が小さくなり、かえって見づらくなります。その場合は、プロセスを大きな塊で区切り、複数のスライドに分割しましょう。各スライドの最後に「次の工程へ」といった案内を入れると、流れが分かりやすくなります。
Q5. 作ったフローチャートを他の人にも編集してもらいたいのですが、注意点はありますか?
A5. 図形機能で作成した場合、他の人が編集するとレイアウトが崩れてしまう可能性があります。複数人で編集する可能性がある場合は、あらかじめルール(色の使い方、線の種類など)を決めておくか、共同編集機能に優れたxGrapherのようなオンラインツールの利用を検討するのがおすすめです。