スプレッドシートでのレーダーチャート作成ガイド|見やすいグラフを作るコツも解説

Cover Photo

複数の項目のバランスを視覚的に評価したいとき、レーダーチャートは非常に便利なグラフです。例えば、個人のスキルセットの分析や、複数の製品の性能比較など、全体のバランスを直感的に把握したい場面で活躍します。

この記事では、多くの方が利用しているGoogleスプレッドシートやExcelを使って、レーダーチャートを作成する基本的な手順を解説します。「作り方は分かったけど、どうすれば見やすいグラフになるの?」という疑問にもお答えできるよう、デザインのコツや具体的な活用シーンも合わせてご紹介します。

この記事を読めば、あなたも今日からレーダーチャートを使いこなせるようになります。

そもそもレーダーチャートとは?

レーダーチャートは、中心から放射状に伸びた各項目の軸に数値をプロットし、それらを線で結んで多角形にしたグラフです。その形がクモの巣に似ていることから「スパイダーチャート」とも呼ばれます。

レーダーチャートの基本的な形状

レーダーチャートを使う一番のメリットは、複数の項目のバランスをひと目で把握できることです。全体の形を見ることで、どの項目が秀でていて、どの項目が低いのか、全体のバランスが良いのか悪いのかといった特徴を直感的に理解できます。

一方で、項目数が多すぎるとグラフが複雑になりすぎてかえって見づらくなったり、項目の順番によってグラフの印象が変わってしまったりするデメリットもあります。特性を理解して、適切な場面で活用することが大切です。

より詳しいレーダーチャートの基本については、こちらの記事「レーダーチャートとは?効果的な使い方や作成のコツを解説」でも解説していますので、ぜひご覧ください。

【図解】Googleスプレッドシートでレーダーチャートを作成する手順

【基本】データを指定しレーダーチャートを作成

まずは、Googleスプレッドシートを使ったレーダーチャートの作成手順を見ていきましょう。今回は、例として「Web担当者のスキル評価」のデータを使います。

レーダーチャートの作成に使用するデータ
  1. データの準備: 上の画像のように、1列目に項目名(スキル名)、2列目以降に比較したい対象(Aさん、Bさん)のデータが並ぶように表を作成します。

  2. データ範囲の選択: 作成した表の、グラフにしたい範囲をすべて選択します。

    作成した表の、グラフにしたい範囲をすべて選択
  3. グラフの挿入: メニューバーから「挿入」>「グラフ」をクリックします。

    メニューバーから「挿入」>「グラフ」をクリック
  4. グラフの種類を選択: 画面右側に「グラフエディタ」が表示されます。「設定」タブの中にある「グラフの種類」をクリックし、下の方にある「その他」から「レーダーチャート」を選択します。

    「その他」から「レーダーチャート」を選択

これだけで、基本的なレーダーチャートは完成です。あとは、グラフエディタの「カスタマイズ」タブから、グラフのタイトルや色、凡例の位置などを調整して、より見やすいグラフに仕上げていきましょう。

【カスタマイズ】見やすくする設定

グラフエディタの「カスタマイズ」タブを使えば、デザインを細かく調整できます。ここでは、特に重要な3つの設定をご紹介します。

1. 凡例の位置を調整する

デフォルトでは凡例がグラフの上側に表示され、少し窮屈な印象を与えることがあります。これをここではグラフの右に移動させて、全体をスッキリさせましょう。

  • 「カスタマイズ」タブを開き、「凡例」をクリックします。

  • 「位置」のプルダウンメニューから「」を選択します。

凡例の位置を調整する

2. 線を直線にする(平滑線をオフ)

レーダーチャートの線は、デフォルトで滑らかな曲線(平滑線)になっている場合があります。これだと各項目の正確な値が分かりにくくなるため、カクカクとした直線に変更しましょう。

  • 「カスタマイズ」タブの「グラフの種類」をクリックします。

  • 平滑線」という項目のチェックを外します。

線を直線にする(平滑線をオフ)

これにより、各データ点が直線で結ばれ、評価の凹凸がより明確になります。

3. 線の太さを変更する

データ系列ごとの線の太さを調整することで、グラフの視認性が向上します。

  • 「カスタマイズ」タブの「系列」をクリックします。

  • 設定したいデータ系列(例:「Aさん」)をプルダウンから選択します。

  • 線の太さ」という項目があるので、好みの太さ(例:4px)に変更します。比較対象が複数ある場合は、それぞれ同様に設定しましょう。

レーダーチャートの線の太さを変更する

これらの簡単なカスタマイズを行うだけで、初期状態のグラフよりも格段に情報が伝わりやすい、洗練されたレーダーチャートが完成します。

【図解】Excelでレーダーチャートを作成する手順

次に、Excelでレーダーチャートを作成する手順です。基本的な流れはGoogleスプレッドシートと似ています。

  1. データの準備: Googleスプレッドシートと同様に、項目と比較対象のデータが並んだ表を作成します。

  2. データ範囲の選択: グラフにしたい範囲を選択します。

  3. グラフの挿入: 「挿入」タブから「グラフ」セクションにある「ウォーターフォール、じょうご、株価、等高線、レーダー グラフを挿入します」のアイコンをクリックします。

  4. レーダーチャートの選択: プルダウンメニューから「レーダー」を選択します。塗りつぶしタイプなど、いくつか種類があるので好みのものを選びましょう。【画像】Excelの「グラフの挿入」メニューからレーダーチャートを選択している様子のスクリーンショット

Excelでレーダーチャートを挿入する画面

Excelでも簡単にレーダーチャートを作成できますね。より詳しいExcelでの作成方法や、便利なテクニックについては「【Excel】レーダーチャートの作り方を解説!見やすいグラフにするコツも紹介」で詳しく解説しています。

もっと手軽に、デザイン性の高いレーダーチャートを作るなら

スプレッドシートは非常に便利ですが、「グラフの細かいデザイン調整が難しい」「毎回設定するのが少し面倒」と感じることはありませんか?

そんな方におすすめなのが、当サイトが運営するオンライングラフ作成ツール「xGrapher」です。

xGrapherのレーダーチャート作成画面

xGrapherには、以下のようなメリットがあります。

  • 登録不要ですぐに使える: 面倒な会員登録は一切なし。サイトにアクセスしてすぐにグラフ作成を始められます。

  • データのコピペで簡単作成: スプレッドシートのデータをコピー&ペーストするだけで、自動的にグラフが生成されます。

  • デザインのカスタマイズが自由自在: 色やフォント、線の太さなど、デザインのテンプレートが豊富で、直感的な操作で誰でも美しいグラフを作成できます。

  • 画像として簡単に出力: 作成したグラフはPNGやSVG形式ですぐにダウンロードでき、資料作成にも便利です。

スプレッドシートでの作成に慣れている方も、ぜひ一度、xGrapherの手軽さとデザイン性の高さを体験してみてください。

ここがポイント!見やすいレーダーチャートを作成する3つのコツ

せっかくレーダーチャートを作っても、ごちゃごちゃして見づらくなってしまっては意味がありません。ここでは、誰が見ても分かりやすいグラフにするための3つのコツをご紹介します。

1. 項目数は5〜8個に絞る

項目数が多すぎると、軸が密集して多角形が複雑になり、何が何だか分からなくなってしまいます。比較する項目は、本当に重要なものだけに絞り込み、5〜8個程度に収めるのが理想です。

レーダーチャートの項目数は5〜8個に絞る

2. 比較するデータは3つまで

一つのグラフに表示するデータ系列(比較対象)が多くなりすぎると、線が重なり合って非常に見づらくなります。AさんとBさん、前期と後期、のように、比較する対象は2〜3つに絞るとスッキリして分かりやすくなります。

レーダーチャートで比較するデータは3つまで

3. 色の使い方を工夫する

色が多すぎたり、似たような色ばかりを使ったりすると、どの線がどのデータを示しているのか判別しにくくなります。比較対象がはっきりと区別できるような色の組み合わせを意識しましょう。また、一番見てほしいデータを強調する色にするのも効果的です。

強調する項目にのみ色をつけたレーダーチャート

これらのコツを押さえるだけで、あなたの作るレーダーチャートは格段に分かりやすくなります。

レーダーチャートの活用事例

最後に、ビジネスや自己分析など、様々なシーンでのレーダーチャートの活用事例をご紹介します。

  • 個人のスキル評価: 冒頭の例のように、営業スキル、企画力、分析力といった個人の能力を可視化し、強みや弱みを把握するのに役立ちます。(自己分析、人事評価など)

    個人のスキル評価のレーダーチャート
  • 製品・サービスの比較: 競合製品と自社製品の機能を「価格」「デザイン」「サポート」などの項目で比較し、市場での立ち位置を分析します。

    製品・サービスの比較でのレーダーチャート
  • プロジェクトの健康状態の可視化: 「進捗」「予算」「品質」「チームの士気」など、プロジェクトの状態を示す複数の指標(KPI)を定点観測し、問題点を早期に発見します。

    プロジェクトの健康状態の可視化に使用するレーダーチャート
  • アンケート結果の分析: 店舗の満足度調査で「接客」「品揃え」「清潔さ」「価格」などの項目を評価してもらい、顧客が何に満足し、何に不満を感じているかを把握します。

    アンケート結果の分析に使用したレーダーチャート

このように、複数の項目をバランスで評価したいあらゆる場面で、レーダーチャートは強力なツールとなります。プレゼン資料で使う際のポイントは「PowerPointでレーダーチャートを作成する方法」でも解説していますので、参考にしてみてください。

まとめ

今回は、スプレッドシート(Googleスプレッドシート・Excel)を使ったレーダーチャートの作成方法から、見やすいグラフを作るためのコツ、具体的な活用事例まで幅広くご紹介しました。

  • レーダーチャートは全体のバランスを把握するのに最適

  • スプレッドシートを使えば、誰でも簡単に作成できる

  • 項目数やデータ数を絞り、色を工夫すると見やすさが格段にアップする

  • もっと手軽に美しいグラフを作りたいならxGrapherがおすすめ

この記事を参考に、ぜひあなたのデータ分析や資料作成にレーダーチャートを活用してみてください。きっと、これまで見えなかったインサイトを発見できるはずです。

xGrapher紹介画像

スプレッドシートのレーダーチャートに関するQ&A

Q1. レーダーチャートの項目数は、いくつくらいが適切ですか?

A1. 一般的には5〜8項目が推奨されます。項目が少なすぎるとバランスを評価しにくく、多すぎるとグラフが複雑になりすぎて可読性が著しく低下します。本当に重要な指標に絞って設定することがポイントです。

Q2. 複数のデータを比較する際に、特に気をつけるべきことは何ですか?

A2. 比較するデータ系列は3つ程度までに抑えるのが理想です。それ以上になると線が重なり合い、非常に見づらくなります。また、各データの単位や尺度が同じであることが重要です。例えば「顧客満足度(5段階評価)」と「売上(百万円単位)」のように尺度が全く違うものを同じチャートに入れると、誤った印象を与えてしまう可能性があります。

Q3. スプレッドシートでレーダーチャートの軸の最大値や最小値を変更できますか?

A3. はい、変更可能です。Googleスプレッドシートでは「グラフエディタ」の「カスタマイズ」タブから「縦軸」を選択し、最小値と最大値を設定できます。

レーダーチャートの軸の最大値や最小値を変更

Excelでは、軸をダブルクリックして表示される「軸の書式設定」から境界値(最小値・最大値)を変更できます。

Q4. レーダーチャートが適さないのは、どのようなケースですか?

A4. 時間の経過に伴う推移を表す場合(折れ線グラフが適しています)や、全体の構成比率を示したい場合(円グラフ積み上げ棒グラフが適しています)には、レーダーチャートは不向きです。あくまで「複数の項目のバランス」を見るためのグラフと理解しましょう。

Q5. プレゼンテーション資料でレーダーチャートを効果的に見せるコツはありますか?

A5. 伝えたいメッセージを明確にすることが重要です。「A社の強みはサポートの手厚さである」と伝えたいなら、A社のデータを目立つ色にしたり、凡例で強調したりする工夫が効果的です。また、グラフだけでなく、「この結果から、〇〇ということが分かります」といった結論をテキストで添えることで、見る人の理解を助けることができます。

コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。

関連記事