スプレッドシートでツリーマップを作成する方法|Excelの手順も紹介

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「たくさんのデータがあるけど、どの項目が重要なのかパッと見てわからない…」
「売上の構成比や、サイトのアクセス内訳などを、もっと直感的に伝えたい」

データ分析や資料作成の際、こんな風に感じたことはありませんか?たくさんの数字が並んだ表だけでは、全体の傾向や重要なポイントを掴むのは難しいものです。そんな悩みを解決してくれるのが、今回ご紹介する「ツリーマップ」です。

この記事では、普段お使いのGoogleスプレッドシートを使って、ツリーマップを簡単に作成する方法を分かりやすく解説していきます。

ツリーマップとは?基本とメリットをサクッと理解

ツリーマップの作成手順に入る前に、まずは「ツリーマップとは何か」を簡単におさらいしておきましょう。

ツリーマップは、階層構造を持つデータを長方形の集まりで表現するグラフです。全体の大きさが合計値を表し、その中の各長方形の面積が個別のデータの量を、そして色がカテゴリを示します。

ツリーマップの例

例えば、国全体の人口を大きな長方形とし、その中を各都道府県の人口に応じた面積の長方形で埋めていくようなイメージです。これにより、「どの項目が全体の中で大きな割合を占めているか」を瞬時に把握できます。

ツリーマップを使うメリット

  • 全体像と構成比がひと目でわかる: 円グラフのように、全体に対する各項目の割合を視覚的に理解できます。

  • 大量のデータを一度に表現できる: 数百、数千のデータポイントでも、一つのグラフ内にすっきりと表示可能です。

  • 階層構造を表現できる: 「カテゴリ」→「サブカテゴリ」→「商品」といった、データの親子関係を分かりやすく示せるのが大きな特徴です。

ツリーマップは、単なるデータの可視化だけでなく、データの中に隠れたパターンや関係性を見つけ出すのに非常に強力なツールです。より詳しい仕組みや種類については、こちらの記事「ツリーマップとは?その見方や作り方、活用事例を解説!」でも解説していますので、ぜひご覧ください。

【図解】Googleスプレッドシートでツリーマップを作成する手順

それでは、早速Googleスプレッドシートでツリーマップを作成してみましょう。ここでは、以下のような「商品カテゴリ別の売上データ」を例に進めます。

STEP1: データの準備

まず、ツリーマップにしたいデータをスプレッドシートに入力します。データは以下の3つの列で構成するのが基本です。

  1. 項目名 (ID): 各データの名称(例: 商品名)

  2. 親カテゴリ: 項目が属するグループ(例: カテゴリ名)

  3. 数値 (サイズ): グラフの面積になる値(例: 売上金額)

今回ツリーマップを作成するのに使用するデータ

ここで注意していただきたいのが親カテゴリも入力する必要がある点です。この例では「商品カテゴリ」が一番の親で「食品」「飲料」「雑貨」のカテゴリが各項目の親になります。カテゴリになる項目には数値を入力する必要はありません。

STEP2: グラフの挿入

  1. データ範囲(見出しを含む)を選択します。

    データ範囲(見出しを含む)を選択
  2. メニューバーから「挿入」→「グラフ」をクリックします。

    メニューバーから「挿入」→「グラフ」をクリック
  3. グラフエディタが右側に表示されます。「グラフの種類」から、下の方にある「ツリーマップグラフ」を選択してください。

    「グラフの種類」から、下の方にある「ツリーマップグラフ」を選択

これだけで、基本的なツリーマップが自動で作成されます。

STEP3: グラフのカスタマイズ

作成されたグラフは、グラフエディタの「カスタマイズ」タブから、色やフォント、凡例などを自由に変更できます。データの意味が伝わりやすいように、配色などを調整してみましょう。

作成されたグラフは、グラフエディタの「カスタマイズ」タブから、色やフォント、凡例などを自由に変更できる

【図解】Excelでツリーマップを作成する手順

次に、Excelでツリーマップを作成する方法です。Excel 2016以降のバージョンであれば、標準機能として搭載されています。

STEP1: データの準備

Googleスプレッドシートと同様に、カテゴリ、項目、数値のデータを用意します。Excelの場合、親カテゴリごとにデータをまとめておくとスムーズです。

STEP2: グラフの挿入

  1. データ範囲を選択します。

  2. 「挿入」タブから「階層構造グラフの挿入」をクリックし、「ツリーマップ」を選択します。

これだけで、Excelシート上にツリーマップグラフが作成されます。

STEP3: デザインの調整

グラフを選択すると表示される「グラフのデザイン」タブや、「書式」タブから、色の変更やラベルの表示形式などを細かく設定できます。Excelにはあらかじめ用意されたデザインスタイルも多いので、色々なパターンを試してみるのも良いでしょう。

Excelでのツリーマップ作成について、さらに画像付きでの解説を知りたい方は「Excel(エクセル)でツリーマップグラフを作成する方法!階層構造を分かりやすく表現」も参考にしてください。

もっと簡単・高機能に!オンラインツール「xGrapher」がおすすめ

スプレッドシートは非常に便利ですが、ツリーマップ作成においては、時々もどかしさを感じることもあります。

  • 細かいデザインの調整が難しい

  • データの更新がグラフにうまく反映されないことがある

  • Webページに埋め込んだり、他の人と共有したりするのが少し面倒

そんな時は、ブラウザ上で直感的にグラフが作成できるオンラインツールの出番です。

xGrapherのツリーマップ作成画面

当サイト「xGrapher」は、アカウント登録不要で、誰でもすぐに美しいツリーマップを作成できる無料のグラフ作成ツールです。

データをコピー&ペーストするだけで、リアルタイムにグラフが生成され、色やラベル、などをクリック操作だけで自由自在にカスタマイズできます。作成したグラフは、画像としてダウンロードしたり、URLで共有したりするのも簡単です。

スプレッドシートでの作成に手間取ったり、もっとデザイン性の高いツリーマップを作りたいと感じたりしたら、ぜひ一度「xGrapherのツリーマップ作成ツール」を試してみてください。その手軽さと表現力に驚くはずです。

見やすいツリーマップを作成するための3つのコツ

ツールが何であれ、情報が伝わりやすい「良いツリーマップ」を作るには、いくつかのコツがあります。

  1. 色の使い方を工夫する
    同じカテゴリは同系色でまとめる、重要な項目を強調色にするなど、ルールを持って色分けをすると、情報の構造が格段に分かりやすくなります。

  2. ラベルの表示を最適化する
    長方形の中に項目名と数値を表示するのが基本ですが、データが多すぎると文字が潰れてしまいます。重要な項目だけラベルを表示したり、凡例を活用したりして、スッキリとした見た目を心がけましょう。

  3. データの階層を整理する
    ツリーマップの強みは階層表現ですが、階層が深すぎるとかえって複雑になります。多くても3階層程度に収まるように、事前にデータを整理しておくことが大切です。

ツリーマップの活用事例

ツリーマップは、様々なビジネスシーンで活躍します。

  • 売上データの分析: 全社の売上を事業部別、さらに製品別に分解して表示し、どの製品が「稼ぎ頭」なのかを特定する。

    売上データの分析(ツリーマップの例)
  • ウェブサイトのトラフィック分析: どの流入元(検索、SNS、広告など)から、どのページに多くのアクセスが集まっているかを可視化する。

    ウェブサイトのトラフィック分析(ツリーマップの例)
  • 投資ポートフォリオの可視化: 「資産クラス(株式、債券、不動産など)」を親階層、「個別の銘柄やファンド」を子階層としてツリーマップを作成します。

    投資ポートフォリオの可視化(ツリーマップの例)


このように、全体の中の内訳や構成比を見たいときには、ツリーマップが非常に有効です。

よくある質問(Q&A)

Q1. スプレッドシートでツリーマップがうまく作れません。原因は何ですか?

A1. 最も多い原因は、データの形式が正しくないことです。「項目名」「親カテゴリ」「数値」の3列(または2列)が基本です。特に、親子関係を指定する列が正しく設定されているか確認してみてください。また、数値データに文字列や空白が含まれているとエラーになることがあります。

Q2. ツリーマップとサンバースト図の違いは何ですか?

A2. どちらも階層構造を示すグラフですが、表現方法が異なります。ツリーマップが長方形の「面積」で量を示すのに対し、サンバースト図は同心円の「角度」で量を示します。ツリーマップの方が、各要素の量的比較がしやすいという特徴があります。
>> サンバースト図の解説はこちら

ツリーマップとサンバースト図の違い

Q3. スマホでもツリーマップは作成できますか?

A3. GoogleスプレッドシートやExcelのスマートフォンアプリでも、ツリーマップの作成は可能です。ただし、画面が小さいため、PCでの作業に比べて操作が複雑になる場合があります。より手軽に作成したい場合は、「xGrapher」のようなスマートフォンでの表示に最適化されたオンラインツールのご利用がおすすめです。

Q4. ツリーマップの色の選び方に決まりはありますか?

A4. 厳密な決まりはありませんが、見やすさを考慮するのが重要です。一般的には、同じカテゴリ内は同系色のグラデーションで表現し、カテゴリが違う場合は全く異なる色相を使うと、構造が理解しやすくなります。

Q5. 作成したツリーマップをプレゼン資料に使いたいのですが、注意点は?

A5. プレゼンで使う際は、情報量を詰め込みすぎないことが大切です。伝えたいメッセージに合わせて、表示する階層を絞ったり、特に注目してほしい部分を色で強調したりといった工夫をすると、メッセージがより明確に伝わります。

まとめ

今回は、スプレッドシート(Googleスプレッドシート、Excel)を使ってツリーマップを作成する方法について、基本的な手順から見やすくするためのコツまでを解説しました。

ツリーマップは、複雑なデータの内訳や構成比を、誰にでも分かりやすく伝えられる非常に優れたグラフです。この記事を参考に、ぜひ日々のデータ分析や資料作成にツリーマップを取り入れてみてください。

もし、スプレッドシートでの作成が難しく感じたり、もっと手軽にデザイン性の高いグラフを作りたいと思ったら、いつでも「xGrapher」を訪れてみてくださいね。

xGrapher紹介画像

コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。

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