パレート図とは?見方から簡単な作り方まで、わかりやすく徹底解説!

「業務の課題が多すぎて、どこから手をつければいいかわからない」「売上の大部分を占めているのはどの商品なんだろう?」もしあなたがこのような悩みを抱えているなら、パレート図が強力な味方になってくれるかもしれません。
パレート図は、数ある問題やデータの中から「本当に重要なものは何か」を視覚的に明らかにしてくれるグラフです。
この記事では、パレート図の基本的な意味から、その見方、そして誰でも簡単に作成できる方法まで、具体例を交えながらわかりやすく解説していきます。
この記事の内容(目次)
パレート図とは?~「重要な少数」を特定する分析ツール~
パレート図とは、項目を大きい順に並べた棒グラフと、その累計構成比を示す折れ線グラフを組み合わせたグラフのことです。主に、問題の原因や商品の売上など、多くの項目の中から最も影響の大きい要素(重要な少数)を特定するために使われます。
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この図は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した「パレートの法則」という考え方が基になっています。これは、「全体の数値の大部分(80%)は、全体を構成するうちの一部の要素(20%)が生み出している」という経験則で、「80:20の法則」とも呼ばれます。
例えば、
「店舗の売上の80%は、全商品のうちの20%が生み出している」
「Webサイトのアクセスの80%は、全ページのうちの20%に集中している」
「製品のクレームの80%は、全原因のうちの20%に起因している」
といった状況が、パレート図を使うことで一目でわかるようになります。
パレート図から何がわかる?見方とメリット
パレート図は、一見すると複雑に見えるかもしれませんが、見方はとてもシンプルです。
棒グラフ(左側の縦軸): 各項目の値(件数、金額など)の大きさを示します。左から大きい順に並んでいます。
折れ線グラフ(右側の縦軸): 各項目までの累計が全体に占める割合(累計構成比)を示します。
横軸: 分析したい項目(原因、商品名など)が並びます。
最大のメリットは、取り組むべき課題の優先順位が明確になることです。折れ線グラフが80%のラインに達するまでの左側のいくつかの項目が、「重要な少数」です。

つまり、この少数の項目に集中して対策を打つことが、最も効率的に問題を解決し、成果を上げるための近道だと判断できます。
この特性から、パレート図は以下のような様々なビジネスシーンで活用されています。
品質管理(QC): 製品の不良原因を特定し、品質改善の優先順位を決める。パレート図は「QC7つ道具」の一つです。
>> 品質管理に使われる「QC7つ道具」の解説はこちら売上分析: どの商品が売上の大半を占めているか(売れ筋商品)を把握する。
在庫管理: ABC分析と組み合わせて、重点的に管理すべき在庫品目を特定する。
業務改善: 業務ミスの原因を分析し、効果的な再発防止策を検討する。
パレート図の作り方【3ステップで簡単作成】
パレート図は、正しい手順さえ踏めば誰でも作成できます。基本的な3つのステップを見ていきましょう。
ステップ1:データを分類し、集計する
まず、分析したいデータを集め、項目ごとに分類します。例えば、製品のクレーム分析なら「傷」「汚れ」「破損」などの項目に分け、それぞれの件数を数えます。
ステップ2:構成比と累積構成比を計算する
次に、各項目の件数を大きい順に並べ替え、全体の合計に対する割合(構成比)と、上位から順に構成比を足し上げた割合(累積構成比)を計算します。
クレーム原因 | 件数 | 構成比 | 累積構成比 |
---|---|---|---|
傷 | 50 | 50% | 50% |
破損 | 25 | 25% | 75% |
汚れ | 10 | 10% | 85% |
異音 | 8 | 8% | 93% |
その他 | 7 | 7% | 100% |
合計 | 100 | 100% |
ステップ3:グラフを作成する
最後に、ステップ2で作成した表をもとにグラフを作成します。各項目の「件数」を棒グラフで、「累積構成比」を折れ線グラフで表現すれば、パレート図の完成です。
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グラフ作成ツールには後述するオンラインツール・もしくはExcelがおすすめです。
実践!パレート図を作成する方法
概念はわかっても、実際に作るのは少し難しそうに感じるかもしれません。ここでは、代表的な作成方法を2つご紹介します。
無料ツールでの作り方【もっとも簡単でおすすめ】
「手軽に、直感的にパレート図を作りたい!」という方には、オンラインのグラフ作成ツールがおすすめです。
特に、私たちのサイト xGrapher が提供するパレート図作成ツールは、登録不要・完全無料で今すぐお使いいただけます。使い方はとても簡単です。
xGrapherのパレート図作成ページへアクセス
データを入力またはExcelやスプレッドシートからコピー&ペースト
完成したパレート図は画像で保存してレポートやプレゼン資料に使用するかWEB上に公開することもできます。
面倒な計算やグラフ設定は一切不要。自動で美しいパレート図が完成します。

Excel(エクセル)での作り方
Excelでもパレート図を作成することができます。
項目・数量・累積比率(%)をあらかじめ表にしておきます。
エクセル上部メニューから「挿入」→「おすすめグラフ」→「すべてのグラフ」→「組み合わせ」→「集合縦棒-第2の折れ線」を選択
※バージョンによっては「おすすめのグラフ」→「パレート図」
ただし、細かいデザインの調整や、古いバージョンのExcelでは少し手順が複雑になる場合があります。
パレート図と合わせて使いたい分析手法
パレート図によって取り組むべき「重要な少数」の問題(例:「傷」に関するクレーム)が特定できたら、次のステップは「なぜその問題が起きるのか?」という原因を深掘りすることです。ここで役立つのが、特性要因図(フィッシュボーン図)です。
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フィッシュボーン図は、ある問題(特性)に対して、その原因(要因)を「人(Man)」「機械(Machine)」「方法(Method)」「材料(Material)」といったカテゴリーに分けて整理し、根本的な原因を探るためのフレームワークです。
パレート図で問題を発見し、フィッシュボーン図で原因を分析するという流れは、品質管理や業務改善の現場でよく使われる非常に効果的な組み合わせです。
より詳しい使い方については、こちらの特性要因図(フィッシュボーン図)の解説記事も参考にしてみてください。
もちろん、xGrapherではこのフィッシュボーン図もオンラインで手軽に作成できます。
パレート図に関するQ&A
Q1. パレート図と普通の棒グラフの違いは何ですか?
A1. 棒グラフは単に各項目の量を比較するものですが、パレート図は項目を大きい順に並べ、さらに累積構成比の折れ線グラフを組み合わせることで、全体のどれくらいの割合を上位の項目が占めているかを可視化できる点に違いがあります。これにより、問題の「重要度」や「優先度」を判断しやすくなります。

Q2. なぜ「80:20の法則」と呼ばれるのですか?
A2. これは経験則であり、必ずしも全ての事象が正確に80:20に分かれるわけではありません。しかし、多くの場合で「結果の大部分は、ごく一部の要素によってもたらされる」という傾向が見られることから、この法則が広く知られるようになりました。パレート図は、その傾向をデータで確認するためのツールです。

Q3. パレート図を作成する際の注意点はありますか?
A3. 項目の分類方法が重要です。分類が細かすぎると本質的な原因が見えにくくなり、逆に大雑把すぎると具体的な対策が立てられなくなります。目的に応じて適切な粒度でデータを分類することが、有効なパレート図を作成するコツです。

Q4. 「その他」の項目はどのように扱えばよいですか?
A4. 個別の件数が少ない項目は「その他」としてまとめることが一般的です。ただし、「その他」の割合が最も大きくなってしまうと、分析の意味が薄れてしまいます。その場合は、「その他」の内訳を再度調査し、分類を見直す必要があります。
Q5. Excelを使わずに、もっと簡単にパレート図を作る方法はありますか?
A5. はい、あります。先ほどもご紹介したxGrapherのようなオンラインツールを使えば、ソフトウェアのインストールや複雑な操作なしで、ブラウザ上で誰でも簡単にパレート図を作成できます。データを入力するだけですぐにグラフが完成するので、ぜひ試してみてください。
まとめ
パレート図は、複雑な状況の中から「取り組むべき重要な課題」を明確にしてくれる、シンプルかつ強力な分析ツールです。品質管理からマーケティングまで、幅広い分野であなたの問題解決をサポートします。
この記事で紹介した作り方を参考に、まずは身近なデータでパレート図を作成してみてはいかがでしょうか。
オンラインツールxGrapherを使えば、面倒な手間なく、すぐに分析を始めることができます。課題の優先順位を的確に判断し、効率的なアクションにつなげていきましょう。
