バタフライチャートとは?比較が一目瞭然になる作り方と活用事例を解説

「アンケート結果の男女差を分かりやすく見せたい」「自社製品と競合製品の評価を項目ごとに比較したい」
ビジネスの現場では、2つのグループのデータを比較する場面が頻繁にあります。そんな時、数字の羅列や単純な棒グラフだけでは、その差や特徴が伝わりにくいと感じたことはありませんか?
「バタフライチャート」は、そのような課題を解決する強力なデータ可視化手法です。中央の項目軸を挟んで、2つのデータが左右対称に伸びる様子が、まるで蝶が羽を広げたように見えることからその名が付きました。
この記事では、バタフライチャートの基本的な意味から、ビジネスですぐに使える活用事例、そしてExcelやオンラインツールを使った具体的な作り方まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。データの説得力を高め、ワンランク上のレポート・プレゼン資料を作成しましょう。
この記事の内容(目次)
バタフライチャートの3つのメリット
なぜ多くのビジネスシーンでバタフライチャートが使われるのでしょうか。それには、他のグラフにはない明確なメリットがあるからです。
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1. 差を直感的に比較できる
最大のメリットは、2つのデータ系列の大小関係や差が一目瞭然であることです。中央の項目を基準にバーが左右に伸びるため、どちらが優位で、どの項目で特に差が大きいのかを視覚的に瞬時に把握できます。
2. 説得力のある視覚効果
左右対称の美しい形状は、見る人に強いインパクトを与えます。単調になりがちなレポートやプレゼン資料の中で、聞き手の注意を引きつけ、データが示すストーリーを効果的に伝えることができます。
3. 項目ごとの強み・弱みを把握できる
全体的な比較だけでなく、「価格満足度では競合が優位だが、サポート品質では自社が勝っている」といったように、項目ごとの詳細な強み・弱みを分析するのにも適しています。これにより、次の具体的なアクションプランへと繋げやすくなります。
【使い分け】トルネードチャートやピラミッドチャートとの違い
バタフライチャートは、その見た目から「トルネードチャート」や「ピラミッドチャート」と混同されがちです。しかし、これらは明確に目的が異なります。使い分けをマスターして、適切なグラフを選択しましょう。
特徴 | バタフライチャート | トルネードチャート | ピラミッドチャート |
---|---|---|---|
主な目的 | 2つのデータ群の直接比較 | 変数の影響度を比較(感度分析) | 階層的な構成を比較 |
データの並び順 | 項目順(任意) | 影響度が大きい順 | 階層順(年齢順など) |
代表的な用途 | アンケート結果、製品比較 | リスク分析、財務分析 | 人口構成 |
[トルネードチャートの例]
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[ピラミッドチャートの例]
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簡単に言うと、「2つのグループを単純比較したい」ならバタフライチャート、「何が結果に最も影響するか知りたい」ならトルネードチャート、「年齢別など階層ごとの構成を見たい」ならピラミッドチャート、と覚えるのがおすすめです。
ビジネスでの活用事例|こんな時にバタフライチャートが役立つ
理論だけでなく、具体的なシーンを想像することで、バタフライチャートの有用性がより深く理解できます。
事例1:顧客満足度調査(男女別アンケート結果)
新商品の満足度調査で、「価格」「デザイン」「機能性」「サポート」の4項目について男女別に5段階評価のアンケートを取りました。この結果をバタフライチャートで示すと、男性は「機能性」を、女性は「デザイン」を特に高く評価していることが一瞬で伝わります。今後のマーケティング戦略を男女別に最適化するための貴重な示唆が得られます。
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事例2:競合製品との機能比較
自社製品Aと競合製品Bについて、顧客が重視する5つの機能の満足度を比較します。バタフライチャートを使えば、「機能XとYでは自社が勝っているが、機能Zでは負けている」といった強みと弱みが明確になり、製品開発の優先順位を決定するのに役立ちます。
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このような各項目の比較はレーダーチャート(スパイダーチャート)でも可能です。
事例3:施策の効果測定(Before/After比較)
Webサイトのリニューアル前後で、各コンテンツの閲覧数を比較する際にも有効です。リニューアルによってどのコンテンツの閲覧数が増え、逆にどのコンテンツが減ったのかを視覚的に示すことで、施策の効果を客観的に評価できます。
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なお施策前後での割合の推移にフォーカスする場合には帯グラフが向いています。
バタフライチャートの作り方【Excel vs オンラインツール】
バタフライチャートの作成方法はいくつかありますが、ここでは代表的なExcelと、より簡単なオンラインツールの2つの方法をご紹介します。
Excelでの作り方
Excelでもバタフライチャートは作成可能ですが、いくつかの設定と工夫が必要です。
データの準備: 比較したい2つのデータを用意します。片方のデータ系列の値をマイナス(負の数)に変換するのがポイントです。
グラフの作成: データ範囲を選択し、「挿入」タブから「積み上げ横棒グラフ」を選択します。
軸ラベルの調整: グラフの縦軸(項目軸)を選択し、「軸の書式設定」を開きます。「軸位置」を「軸の間に」から「下端/左端」に変更します。
負の数の表示形式変更: 左側に伸びたバーのデータラベルや横軸に表示される「-」(マイナス記号)を消すために、表示形式をユーザー定義で「0;0;0」のように設定します。
このように、Excelでの作成は複数のステップが必要で、グラフ作成に慣れていない方には少し複雑に感じられるかもしれません。
【推奨】オンラインツールxGrapherでの簡単な作り方
「もっと手軽に、見た目の美しいバタフライチャートを直感的に作りたい」
そんな方には、当サイトが提供するオンライングラフ作成ツールxGrapherが最適です。
xGrapherなら、わずか3ステップで完成します。
チャート選択: xGrapherのバタフライチャート作成画面にアクセス
データ入力: お手元のデータをコピーして、サイト上のデータシートに貼り付けるだけ。マイナス変換などの事前準備は不要です。データはリアルタイムでグラフに反映されます。
カスタマイズ: バーの色を自由に変更したりして、あっという間にプレゼン資料にそのまま使える高品質なグラフが完成します。


プログラミングの知識や複雑な設定は一切不要。xGrapherを使えば、誰でも簡単に見栄えの良いバタフライチャートを作成できます。
見やすいバタフライチャートを作成する3つのコツ
ツールを使えばグラフは作れますが、より「伝わる」グラフにするためにはいくつかのデザイン上のコツがあります。
効果的な配色を意識する: 男女比較のように対立する概念なら補色(青と赤など)が効果的ですが、単純な比較なら同系色の濃淡を使うと、まとまりのある洗練された印象になります。
並び順を工夫する: 項目をランダムに並べるのではなく、「差が大きい順」や「重要度が高い順」に並べ替えるだけで、伝えたいメッセージがより明確になります。
ラベルや数値をシンプルにする: 項目名はできるだけ短く簡潔にしましょう。グラフ上に直接数値を表示すると情報量が多くなりすぎる場合は、バーの長さに任せて数値を非表示にするのも一つの手です。
バタフライチャートに関するよくある質問(Q&A)
Q1. バタフライチャートのデメリットはありますか?
A1. 項目数が多すぎると、縦に長くなりすぎて全体像が掴みにくくなる点です。比較項目は10〜15個程度に絞るのがおすすめです。また、構成比や時系列の変化を示すのには向いていません。
Q2. 比較するデータが3つ以上ある場合はどうすればいいですか?
A2. バタフライチャートは2つのデータ比較に特化しています。3つ以上のデータを比較したい場合は、通常のグループ横棒グラフや積み上げ棒グラフなど、別のグラフ形式を検討するのが良いでしょう。
Q3. 縦方向のバタフライチャートは作れますか?
A3. 理論的には可能ですが、一般的ではありません。横棒グラフの利点である「項目名の読みやすさ」が損なわれるため、特別な意図がない限り、左右に伸びる横方向での使用を推奨します。
Q4. マイナスの値が含まれているデータでも作成できますか?
A4. 作成できます。ただし、マイナスの値の扱いや見せ方には注意が必要です。例えば、利益と損失を比較する場合など、値そのものに意味がある場合は、そのまま表示することでより深い洞察を得られます。
Q5. バタフライチャートと似ているトルネードチャートは感度分析以外で使えますか?
A5. はい、使えます。トルネードチャートの本質は「影響度や差が大きい順に並べる」ことにあるため、例えばアンケート結果の比較などで、特に差が大きい項目を強調したい場合にバタフライチャートの代わりに使うことも効果的です。
まとめ:バタフライチャートでデータを分かりやすく伝えよう
今回は、2つのデータを比較する際に絶大な効果を発揮する「バタフライチャート」について、メリットから作り方、活用事例まで詳しく解説しました。
バタフライチャートは、2つのデータ群の比較に特化したグラフ
「比較のしやすさ」と「視覚的なインパクト」が大きなメリット
Excelでも作成できるが、手順がやや複雑
オンラインツールを使えば、誰でも簡単に見栄えの良いグラフが作れる
データは、ただそこにあるだけでは意味を持ちません。適切に可視化し、分かりやすく「伝える」ことで、初めてビジネスを動かす力になります。
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