帯グラフと棒グラフの違いとは?目的別の使い分けと見やすい作成のコツを徹底解説

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データを分かりやすく伝えるためにグラフは必須のツールですが、「帯グラフ」と「棒グラフ」のどちらを使うのが正解なのか、迷ってしまうことは珍しくありません。

なんとなく見た目の好みで選んでしまうと、データが持つ本来の意味が伝わらなかったり、逆に誤解を招いてしまったりすることもあります。実はこの2つには、「何を見せたいか」という目的において決定的な違いがあります。

この記事では、帯グラフと棒グラフの基本的な違いから、シーン別の正しい使い分け方、そして誰でも簡単に美しいグラフを作る方法までを分かりやすく解説します。

帯グラフと棒グラフの決定的な違いは「割合」か「量」か

結論から言うと、この2つのグラフの最大の違いは「全体に対する構成比(割合)を見たいのか」それとも「データの大きさ(量)そのものを比較したいのか」という点にあります。

  • 帯グラフ:「割合(%)」を見るためのグラフ。全体を100%とした時の構成比を表す。

  • 棒グラフ:「量(実数)」を見るためのグラフ。データの大小や多さを比較する。

帯グラフと棒グラフの例

まずは、この「割合」vs「量」という基本ルールを押さえておきましょう。

帯グラフの特徴:内訳の変化を一目で把握する

帯グラフは、1本の棒を全体(100%)と見なし、その中がどのような要素で構成されているかを表します。

例えば、「年代別のスマートフォンの利用率」や「アンケートの回答結果(満足・普通・不満)」などを表現するのに最適です。複数の帯を並べることで、時系列や属性ごとの「構成比の変化」を比較することに優れています。

帯グラフは構成比の推移がわかりやすい

円グラフも割合を表すのによく使われますが、円グラフは単発の時点を表すのが得意なのに対し、帯グラフは複数の項目を並べて比較できるのが強みです。

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帯グラフの割合の求め方

棒グラフの特徴:大小関係をランク付けする

一方、棒グラフは棒の長さでデータの「量」を表します。

「店舗ごとの売上高」や「国ごとの人口」など、どの項目が一番多くて、どの項目が少ないのか、順位や格差をはっきりさせたい時に使います。人間は高さや長さの比較を一瞬で判断できるため、量の比較には最も適したグラフと言えます。

棒グラフは棒の長さでデータの「量」を表す

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円グラフと棒グラフの使い分け

よくある勘違い?「積み上げ棒グラフ」と「帯グラフ」の違い

ここで多くの人がつまづくのが、「積み上げ棒グラフ」の存在です。見た目は帯グラフと非常に似ていますが、役割が全く異なります。

  • 積み上げ棒グラフ: 実数を積み上げていくため、棒全体の長さはバラバラになります。「合計の量」と「その内訳」の両方を同時に見せたい場合に使います。

  • 帯グラフ(100%積み上げ棒グラフ): すべての棒の長さを100%に揃えて表示します。合計の量が違っていても、あくまで「比率」だけを比較します。

帯グラフと積み上げ棒グラフの特徴の比較

もし、「A社とB社の売上の内訳を比較したいが、売上規模(合計額)の違いも見せたい」のであれば、帯グラフではなく積み上げ棒グラフを選ぶのが正解です。

【実践編】こんな時はどっち?シーン別使い分けガイド

具体的なビジネスシーンやレポート作成の場面で、どちらを選ぶべきか迷った時の判断基準を整理しました。

ケース1:アンケート結果の推移を見せたい

おすすめ:帯グラフ

アンケート結果の推移を示した帯グラフの例

「顧客満足度が昨年と比べてどう変化したか(大変満足〜不満の割合)」のようなデータには帯グラフが最適です。全体の回答者数が年によって違っていても、100%に換算して比較できるため、「満足している人の割合が増えたかどうか」が一目でわかります。

ケース2:支店ごとの売上成績をランキング形式で見せたい

おすすめ:棒グラフ

支店ごとの売上成績の大小を示す棒グラフ

「どの支店が一番売れているか」を競わせるような場合は、単純な棒グラフを使います。データの大きい順(降順)に並べ替えると、よりメッセージが伝わりやすくなります。

ケース3:売上と利益率の変化を同時に見せたい

おすすめ:棒グラフと折れ線グラフの組み合わせ

少し応用になりますが、棒グラフで「売上額(量)」を示し、折れ線グラフで「利益率(割合)」を示すといった複合グラフもよく使われます。

売上高と利益率を示す複合グラフの例

複合グラフとは?見やすい組み合わせと作り方を徹底解説!
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あわせて読みたい:
棒グラフと折れ線グラフの違いと使い分け

面倒な計算は不要!キレイなグラフを素早く作る方法

帯グラフを作る際、「パーセンテージの計算が面倒くさい」「Excelで設定するのが難しい」と感じたことはありませんか?
特に帯グラフは、データを一度「構成比(%)」に計算し直してからグラフ化する必要がある場合が多く、意外と手間がかかります。

Excelでの作成方法はこちら:
Excel(エクセル)での帯グラフの作り方を解説!

もっと直感的に、デザイン性の高いグラフを作りたい場合は、オンライングラフ作成ツールxGrapherがおすすめです。

xGrapherなら、数値を入力するだけで自動的に美しい比率の帯グラフや、見やすい棒グラフが生成されます。面倒な色の調整やレイアウトも、テンプレートを選ぶだけでプロ並みの仕上がりになります。

プレゼン資料やWeb記事に使うグラフ作成の時間を短縮したい方は、ぜひ試してみてください。

まとめ:目的を明確にして最適なグラフを選ぼう

帯グラフと棒グラフの違いについて解説しました。
最後に要点を振り返りましょう。

  • 帯グラフは「割合(%)」の比較。構成比の変化を見せるのに最適。

  • 棒グラフは「量(実数)」の比較。大小関係やランク付けに最適。

  • 合計量も含めて見せたい場合は「積み上げ棒グラフ」を検討する。

「何を伝えたいデータなのか」を整理すれば、選ぶべきグラフは自然と決まります。適切なグラフを選んで、説得力のある資料を作成しましょう。

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帯グラフと棒グラフに関するQ&A

Q1. 帯グラフで項目の順番はどう並べるべきですか?

A1. 基本的には、「一番伝えたい重要な項目」や「割合が最も大きい項目」を基点(通常は左側や下側)に配置します。
アンケート(満足〜不満)のように順序に意味がある場合は、その順序通り(肯定的回答から否定的回答へ)に並べるのが一般的です。
参考記事: アンケート結果はグラフで見やすく!目的別の選び方と無料ツールでの作り方を解説

Q2. 棒グラフの棒の間隔はどのくらい空けるのが見やすいですか?

A2. 棒の幅に対して、棒と棒の間隔は「半分程度(約50%)」にするのが最も見やすいと言われています。
間隔が広すぎるとスカスカに見え、狭すぎると窮屈に見えてしまいます。xGrapherなどのツールでは、自動的に見やすい間隔に調整されます。

Q3. 時系列の変化を表す場合、折れ線グラフと帯グラフどちらが良いですか?

A3.「全体の増減(量)」を見たいなら折れ線グラフや棒グラフが適しています。
「中身の比率の変化」を見たいなら帯グラフが適しています。例えば「市場規模の拡大」なら折れ線や棒、「市場内のシェア争いの変化」なら帯グラフを使います。

Q4. 帯グラフの色分けに決まりはありますか?

A4. 隣り合う色が区別しやすい配色にすることが重要です。
また、意味のあるデータ(例:満足・普通・不満)の場合は、濃い色から薄い色へグラデーションさせたり、肯定的な意見に暖色、否定的な意見に寒色を使ったりすると直感的に伝わりやすくなります。

参考記事: グラフの色選び完全ガイド!見やすい・伝わる配色テクニックを徹底解説

Q5. 3D(立体)のグラフにしても良いですか?

A5. デザインとして使用する場合を除き、正確なデータを伝える目的であれば3Dグラフは避けたほうが無難です。
3Dにすると奥行きが出る分、視覚的な錯覚が起き、正確な長さや比率が伝わりにくくなるためです。シンプルでフラットなデザインをおすすめします。

コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。

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