エクセルで2軸の棒グラフを横に並べる方法!重なる問題&簡単作成ツールも

Cover Photo

「売上金額」と「利益率」や、「客数」と「平均単価」など、単位の異なる2つのデータを1つのグラフで見せたい時がありますよね。そんな時に便利なのが「第2軸(右側の目盛り)」を使った棒グラフです。

しかし、エクセルで普通に「第2軸」を設定すると、誰もがぶつかる壁があります。
それは、「2つの棒グラフが重なってしまう(被ってしまう)」という現象です。

エクセルの仕様上、第2軸を設定したグラフは、第1軸のグラフの「手前」にレイヤーとして乗っかる形になります。そのため、せっかく作ったグラフが見えなくなってしまうのです。

「横にきれいに並べたいだけなのに……」

そう思ったあなたのために、この記事ではエクセルの機能を使って「2軸の棒グラフを横に並べる裏技」と、もっと簡単に作成できるおすすめツールをご紹介します。

【解決策】エクセルで2軸棒グラフを横に並べる手順(ダミーデータ法)

エクセル標準の機能には「2軸を横に並べる」というボタン一発の機能はありません。そこで、「ダミーデータ(空のデータ)」を使って、擬似的に棒グラフの位置をずらす方法を使います。

[最終的に目指すグラフ]

最終的に目指すグラフ

少し手順が多いですが、慣れれば数分で設定できます。

1. データの準備:ダミー列を追加する

まず、表データの作り方を工夫する必要があります。
本来のデータ(例:売上、利益)の間に、何も入力しない「空の列(ダミー)」を2つ用意します。

  • 系列1(売上など)

  • ダミー1(空欄)

  • ダミー2(空欄)

  • 系列2(利益など)

今回使用するデータ

2. 全データを選択して「集合縦棒」グラフを作成

作成したダミー列を含むすべてのデータ範囲を選択し、[挿入]タブ > [縦棒/横棒グラフの挿入] > [集合縦棒] を選択します。

、[挿入]タブ > [縦棒/横棒グラフの挿入] > [集合縦棒] を選択

この時点では、普通の棒グラフが作成されます。

[挿入された現時点のグラフ]

挿入されたグラフ

3. 系列の書式設定で「第2軸」へ変更

グラフ上の「系列2(本来右側に置きたいデータ)」のバーを右クリックし、[データ系列の書式設定]を開きます
ここで「使用する軸」を「第2軸」に変更します。

グラフ上の「系列2(本来右側に置きたいデータ)」のバーを右クリックし、[データ系列の書式設定]を開きます。 ここで「使用する軸」を「第2軸」に変更

すると、グラフが重なって表示されますが、ここからが調整です。

[現時点のグラフ(第2軸が使用されている)]

現時点のグラフ

4. グラフの種類を変更する

ここが最大のポイントです。
グラフを右クリックし、[系列グラフの種類の変更]を選択します。

グラフを右クリックし、[系列グラフの種類の変更]を選択


「組み合わせ」の設定画面で、以下の通りに設定します。

  • 系列1: 集合縦棒(第1軸)

  • ダミー1: 集合縦棒(第1軸)

  • ダミー2: 集合縦棒(第2軸にチェック)

  • 系列2: 集合縦棒(第2軸にチェック)

ダミー2と系列2の第2軸にチェックを入れる

つまり、「系列1+ダミー」のグループと、「ダミー+系列2」のグループを作り、それぞれを別の軸で管理するのです。

[現在のグラフ(だいぶ近づいてきました)]

5. 「要素の間隔」を調整して完成

最後に、棒グラフの太さや間隔を整えます。
データ系列の書式設定から「要素の間隔」と「系列の重なり」の数値を調整してください。

これにより、ダミーデータ(透明な空白)の幅がなくなり、系列1と系列2がちょうど横に並んでいるように見えます。この例では系列の重なりを0%、要素の間隔を100%にするときれいに並びました。

系列の重なりを0%、要素の間隔を100%にしたグラフ

これで、エクセル上で「2軸の棒グラフを横に並べる」ことができました。

※「ダミー1」「ダミー2」のラベルを消したい場合は凡例を二回クリックしてDeleteキーで削除できます

もっと簡単に作りたいなら「xGrapher」がおすすめ

ここまでエクセルでの作成方法をご紹介しましたが、「ダミーデータを作るのが面倒」「毎回この設定をするのは大変」と感じた方も多いのではないでしょうか?

もっと直感的に、美しいグラフを作成したい場合は、オンライングラフ作成ツール「xGrapher(エックスグラファー)」の利用がおすすめです。

面倒な設定不要でプロ並みのグラフを

xGrapherなら、エクセルのような「裏技」を使わなくても、データを入力するだけでデザイン性の高いグラフが作成できます。
2軸の設定はもちろん、積み上げ棒グラフを並べて比較するような複雑なチャートもスムーズに作成可能です。

例えば、以下のような複雑な構成になりがちな積み上げグラフも、Web上で簡単に調整できます。

xGrapherの棒グラフ作成画面

xGrapherでグラフを作ってみる

ビジネス資料やWeb記事に掲載するグラフなら、エクセルと格闘する時間を短縮して、xGrapherでサクッと作成してみてはいかがでしょうか。

棒グラフ作成に役立つ関連知識

グラフ作成においては、目的に合わせて適切なグラフを選ぶことが重要です。以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

今回は、エクセルで「2軸の棒グラフ」を重ならないように横に並べる方法を解説しました。

  • エクセルの仕様上、第2軸にするとグラフは重なってしまう。

  • 解決するには「ダミーデータ(空列)」を挟んで、軸の割り当てを工夫する必要がある。

  • 手順が複雑で面倒な場合は、xGrapherなどの専用ツールを使うのが近道。

用途や頻度に合わせて、エクセルのテクニックと便利なツールを使い分けてみてください。

xGrapher紹介画像

よくある質問(Q&A)

Q1. エクセルで2軸にする時、片方を「折れ線グラフ」にするのは簡単ですか?

A1. はい、非常に簡単です。グラフの種類の変更で「組み合わせ」を選び、片方の系列を「折れ線」にするだけで、重ならずに表示できます。トレンド(推移)と量(棒グラフ)を比較する場合は、無理に棒グラフを並べるよりも、折れ線との複合グラフの方が見やすい場合も多いです。

参考記事: 【Excel】2つのグラフを1つに!見やすい複合グラフの作り方を解説

Q2. 2軸にすると、左右のメモリ(数値の範囲)がズレて見にくいのですが?

A2. 2軸グラフの最大の注意点です。左右の軸の「最小値」「最大値」の設定を手動で調整し、キリの良い数字にするか、あるいは目盛線の表示を工夫する必要があります。

Q3. 「積み上げ棒グラフ」で2軸を横に並べることもできますか?

A3. エクセルで行う場合、今回紹介したダミーデータ法をさらに応用する必要がありますが、設定が複雑になります。積み上げグラフ同士の比較を行いたい場合は、エクセル以外のツールを検討するか、以下の記事を参考にしてください。
エクセルで積み上げ棒グラフを2本並べるには?簡単に解決する方法

Q4. グラフの凡例(系列名)にダミーデータが表示されてしまいます。

A4. グラフ上の凡例をクリックし、ダミーデータの凡例だけをもう一度クリックして選択状態にしてから Delete キーを押すと、ダミーの凡例だけを削除できます。

Q5. 作成したグラフをWordやPowerPointに貼り付けたいです。

A5. グラフエリアを選択してコピーし、WordやPowerPoint上で貼り付ければOKです。ただし、貼り付けの形式によってはデータのリンクが切れたり、書式が崩れたりすることがあります。「図として貼り付け」を選ぶと、レイアウト崩れを防げます。

コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。

関連記事

新着記事