サンキーダイアグラムとは?作り方や無料ツール、活用事例を徹底解説!
「Webサイトのユーザーがどのページから流入し、どこで離脱しているのか」「エネルギーがどこで生産され、どのように消費されているのか」――。
このような、ある地点から別の地点への 「流れ」と「量」 を、一本の川の流れのように直感的に可視化したいと考えたことはありませんか?それを実現するのが サンキーダイアグラム(Sankey Diagram) です。
この記事では、サンキーダイアグラムの基本的な意味から、ビジネスで役立つ具体的な活用事例、そして誰でも簡単に作成できる無料ツールまで、網羅的に解説します。プレゼン資料やレポートの説得力を格段にアップさせるサンキーダイアグラムの世界を、ぜひ覗いてみてください。

この記事の内容(目次)
サンキーダイアグラムとは?
サンキーダイアグラムとは、プロセスやシステムにおける流量を表現するための図です。矢印(フロー)の幅がその量に比例しているのが最大の特徴で、これにより、全体の流れの中でどこが重要で、どこで大きな変化が起きているのかを一目で把握できます。
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もともとは1898年にアイルランドの技術者マシュー・ヘンリー・フィニアス・リア・サンキー大尉が、蒸気機関のエネルギー効率を示すために考案したことから、その名が付けられました。
何がわかる?フローチャートとの違い
「流れ」を表現する図としては「フローチャート」も有名ですが、目的が異なります。
フローチャート: プロセスの 「手順」や「順序」、分岐条件を示すことに重点を置いています。各ステップの繋がりは線で表現されますが、その線の太さに意味はありません。
サンキーダイアグラム: プロセス間の **「量的な関係」**を示すことに重点を置いています。フローの太さが量を表すため、全体の構成比や内訳を視覚的に理解できます。
簡単に言えば、「手順ならフローチャート、量ならサンキーダイアグラム」と覚えると良いでしょう。
サンキーダイアグラムのメリット・デメリット
メリット:
全体像の把握が容易: 複数の要素間の関係性とそれぞれの量を同時に示すことができ、複雑なシステムの全体像を直感的に理解できます。
インパクトのある視覚表現: 視覚的にインパクトが強く、プレゼンテーションやレポートで聞き手の注意を引きつけやすいです。
重要な経路の特定: フローが太い部分、つまり量が大きい経路が明確になるため、最も影響の大きい要素やボトルネックを特定するのに役立ちます。
デメリット:
詳細な数値が読み取りにくい: フローの幅で量を示すため、正確な数値を読み取るのには向いていません。必要に応じて数値を併記するなどの工夫が必要です。
項目数が多すぎると複雑になる: ノード(項目)やフローの数が多くなりすぎると、図が複雑化してかえって分かりにくくなることがあります。
サンキーダイアグラムの活用事例
サンキーダイアグラムは、様々な分野で活用されています。ここでは代表的な事例をいくつかご紹介します。
Webサイトのユーザー行動分析
Google Analytics 4(GA4)の「経路データ探索」機能で表示されるグラフは、まさにサンキーダイアグラムです。ユーザーがどのページから流入し、次にどのページへ遷移し、最終的にどこで離脱したのか、その流れと人数(量)を可視化することで、サイト改善のヒントを得られます。エネルギーや物質の流れ
国や地域全体のエネルギーが、どの発電方法(火力、水力、再生可能エネルギーなど)から供給され、どの分野(産業、家庭、運輸など)で消費されているのか、といったエネルギーフローの可視化によく用いられます。サプライチェーンにおけるモノの流れ
製品が原材料の調達から製造、卸売、小売を経て消費者に届くまでの流れと、各段階での数量やコストを可視化し、サプライチェーンの最適化に役立てることができます。予算や家計の収支
収入源(給与、副業など)から、どのように支出(食費、家賃、光熱費、貯蓄など)に分配されているかを示すことで、お金の流れを明確に把握できます。

【簡単】サンキーダイアグラムの作り方
サンキーダイアグラムは、専門的な知識がなくてもツールを使えば簡単に作成できます。
1. データの準備
まず、以下のような「どこから(Source)」「どこへ(Target)」「どれだけ(Value)」の3つの要素で構成されるデータを用意します。
送信元 (Source) | 送信先 (Target) | 量 (Value) |
---|---|---|
サイト流入 | トップページ | 1000 |
トップページ | 商品Aページ | 600 |
トップページ | 商品Bページ | 300 |
トップページ | 離脱 | 100 |
商品Aページ | 購入完了 | 200 |
商品Aページ | 離脱 | 400 |
2. 作成ツールの選び方
データが準備できたら、ツールを使ってグラフを作成します。
プログラミング言語: Python(Plotly, Matplotlib)やR言語を使えば、非常に自由度の高いカスタマイズが可能です。
BIツール: TableauやPower BIなどの高機能なBIツールにも、サンキーダイアグラムを作成する機能が備わっています。
オンライングラフ作成ツール: 最も手軽なのが、Webブラウザ上で完結するオンラインツールです。プログラミングや専門ツールの知識がなくても、データを入力するだけで簡単に見栄えの良いグラフが作成できます。
3. オンラインツール「xGrapher」を使った作成手順
当サイトが運営する「xGrapher」は、アカウント登録不要で、すぐにサンキーダイアグラムを作成できる無料のオンラインツールです。

手順はとても簡単です。
xGrapherのサイトにアクセスし、グラフの種類から「サンキーダイアグラム」を選択します。
ノードを追加削除(例: 収入・支出・固定費など)
「リンク管理」で始点・終点・値を入力
グラフの色など見た目を調整します。
完成したグラフは「画像をダウンロード」ボタンから画像(PNG, JPG, SVG)としてダウンロードするか「グラフを保存/公開」ボタンからそのままWEB上に公開することができます
このように、xGrapherを使えば、専門的な知識がなくても、わずか数分でプレゼンに使えるクオリティのサンキーダイアグラムが完成します。ぜひ一度お試しください。
伝わるサンキーダイアグラムを作成する3つのコツ
最後に、より分かりやすく、伝わりやすいサンキーダイアグラムを作成するためのコツを3つご紹介します。
1. 色を効果的に使う
カテゴリーごとに色を統一したり、特定のフローを強調色にしたりすることで、視覚的な分かりやすさが向上します。ただし、色数が多すぎるとかえって見づらくなるため、5〜7色程度に抑えるのがポイントです。
2. ノード(項目)の順番を工夫する
左から右への流れがスムーズに見えるように、関連性の高いノードを近くに配置したり、時系列やプロセスの順序に沿って並べたりする工夫が重要です。
3. 情報の詰め込みすぎに注意する
伝えたいメッセージを明確にし、重要度の低いフローは「その他」としてまとめるなどして、情報を絞り込みましょう。一つのグラフで全てを表現しようとせず、シンプルで見やすいデザインを心がけることが、最も効果的にメッセージを伝えるコツです。
まとめ
本記事では、サンキーダイアグラムの基本的な意味から、具体的な活用事例、そしてオンラインツール「xGrapher」を使った簡単な作成方法までを解説しました。
サンキーダイアグラムは、「流れ」と「量」を同時に可視化できる強力なツール
Web分析、エネルギー問題、サプライチェーンなど、幅広い分野で活用されている
xGrapherのような無料オンラインツールを使えば、誰でも簡単に作成できる
データの裏側にあるストーリーを雄弁に語るサンキーダイアグラム。あなたの次のレポートやプレゼンテーションに、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。