ファネルチャートとは?見方・作り方を徹底解説!Excelや無料ツールでの作成方法も紹介

Webサイトのアクセス解析や、営業の進捗管理において、「どの段階で多くのユーザーが離脱しているのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

このようなビジネスプロセスの「ボトルネック」を視覚的に発見し、改善へと繋げる強力なツールが「ファネルチャート」です。ファネルチャートは、マーケティングや営業、採用活動など、複数のステップで構成されるプロセスにおいて、各段階のユーザー数や件数がどのように推移していくかを可視化します。

「ファネル(Funnel)」とは日本語で「漏斗(じょうご)」を意味し、その名のとおり、上の段階から下の段階に進むにつれて数が減少していく様子が逆三角形の形になるのが特徴です。

Funnelとは日本語で漏斗

この記事では、ファネルチャートの基本的な知識から、具体的な作り方、ビジネスでの活用事例までを分かりやすく解説していきます。

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ファネルチャートで何がわかる?目的と3つのメリット

ファネルチャートを利用する最大の目的は、ビジネスプロセスのどこに問題があるのか(ボトルネック)を特定し、改善の優先順位を明確にすることです。具体的にどのようなメリットがあるのか、3つのポイントに分けて見ていきましょう。

メリット1:離脱ポイントがひと目でわかる

ファネルチャートは、各ステップ間の移行率と離脱率を視覚的に表現します。グラフの形を見るだけで、どの段階で急激に数値が落ち込んでいるのかが直感的に理解できます。例えば、「商品ページ閲覧」から「カート追加」への移行率が極端に低い場合、商品ページの訴求力やUIに問題があるのではないか、といった仮説を立てることができます。

メリット2:コンバージョン率を段階的に把握できる

最終的なコンバージョン率(CVR)だけでなく、各ステップごとのコンバージョン率を詳細に把握できるのも大きなメリットです。全体のCVRが低い場合でも、どのステップの改善が最も効果的かを具体的に分析できます。これにより、漠然とした改善策ではなく、データに基づいた的確な施策を打つことが可能になります。

メリット3:改善の優先順位を判断しやすくなる

最も離脱率が高い、つまり改善のインパクトが最も大きいステップが明確になるため、施策の優先順位をつけやすくなります。リソースが限られている中でも、効果的な箇所から順番にアプローチすることで、効率的に全体の成果を向上させることができます。

ファネルチャートの典型的な形状

【業界別】ファネルチャートの主な活用シーン

ファネルチャートは、様々なビジネスシーンで応用されています。ここでは、代表的な4つの活用シーンを紹介します。

マーケティング(パーチェスファネル)

最も一般的な活用例が、顧客の購買プロセスを分析する「パーチェスファネル」です。

Webサイトへの「アクセス」から「商品詳細閲覧」「カート追加」「購入」といった一連の流れを分析し、どの段階で顧客が離脱しているのかを特定します。これにより、Webサイトの導線改善やコンテンツ強化に繋げます。

マーケティングでのファネルチャート

営業(セールスファネル)

営業活動の進捗管理にも有効です。「リード獲得」から「初回アポイント」「提案」「クロージング」といった各営業フェーズの案件数を可視化します。

特定のフェーズで案件の滞留や失注が多い場合、そのフェーズの営業手法やトーク内容を見直すきっかけになります。

営業でのファネルチャート例

採用(採用ファネル)

採用活動においても、「応募」から「書類選考」「一次面接」「最終面接」「内定」までの候補者数の推移を分析するために利用されます。

例えば、「書類選考」から「一次面接」への移行率が低い場合、求人情報の魅力や選考基準に課題がある可能性が考えられます。

Webサイト分析(行動ファネル)

特定の目的(例:会員登録、資料請求)までのユーザー行動を分析します。

「トップページ訪問」→「サービスページ閲覧」→「登録フォーム入力開始」→「登録完了」といった特定の行動フローを設定し、ユーザーがどこでつまずいているのかを分析するために使われます。

ファネルチャートの基本的な見方と分析のポイント

ファネルチャートを効果的に活用するためには、正しい見方と分析のポイントを理解しておくことが重要です。

  • 各段階の数量とコンバージョン率を確認する: まずは、各段階の絶対数と、前の段階から次の段階へどれくらいの割合が移行したかを示す「コンバージョン率(転換率)」を確認します。

  • 減少幅が大きい箇所(ボトルネック)を特定する: 段階間の減少幅が最も大きい部分が、改善すべき「ボトルネック」です。なぜそこで多くの離脱が起きているのか、その原因を深掘りすることが分析の鍵となります。例えば、入力フォームの項目が多すぎる、ページの読み込みが遅い、送料が分かりにくい、といった原因が考えられます。

【簡単3ステップ】ファネルチャートの作り方

ファネルチャートは、専用のツールがなくても基本的なものであれば作成可能です。ここでは、基本的な作成手順を3つのステップで解説します。

STEP1:プロセス(段階)を定義する

まず、分析したいプロセスの各段階(ステップ)を明確に定義します。例えば、ECサイトであれば「サイト訪問」「商品一覧閲覧」「商品詳細閲覧」「カート投入」「購入完了」といった形です。

ここの定義が曖昧だと正確な分析ができないため、チーム内で共通認識を持っておくことが重要です。

STEP2:各プロセスの数値を集計する

次に、定義した各段階に対応する数値を集計します。Google Analyticsなどのアクセス解析ツールや、SFA/CRMといった営業支援ツールからデータを収集しましょう。

(データ例)

段階

ユーザー数

サイト訪問

10,000

商品詳細閲覧

3,000

カート投入

600

購入完了

150

STEP3:ツールを使ってグラフを作成する

集計したデータをもとに、グラフ作成ツールでファネルチャートを作成します。ExcelやGoogleスプレッドシートの横棒グラフを応用して作ることもできますし、より手軽に作りたい場合は後述するオンラインの専用のツールを利用するのがおすすめです。

ファネルチャート作成におすすめのツール

ファネルチャート作成にはいくつかの方法があります。目的に合わせて最適なツールを選びましょう。

1. Excel / Googleスプレッドシート

最も手軽な方法の一つです。横棒グラフ機能を使い、データを工夫することでファネルの形を表現できます。ただし、見た目を整えるのに少し手間がかかる場合があります。

2. BIツール (Tableau, Googleデータポータルなど)

大量のデータを扱う場合や、他のデータと連携させて多角的に分析したい場合にはBIツールが適しています。高機能ですが、操作に慣れが必要な場合があります。

3. オンライングラフ作成ツール「xGrapher」

「手軽に見栄えの良いファネルチャートを作りたい」という方には、オンラインで簡単にグラフが作れるツールがおすすめです。
私たちが提供する「xGrapher」も、その選択肢の一つです。xGrapherなら、専門的な知識がなくても、データを入力するだけで直感的に美しいファネルチャートを作成できます。

作成方法

  1. xGrapherへアクセスします

  2. グラフの種類からファネルチャートを選択

  3. データ入力と必要に応じてデザイン調整

  4. 「画像をダウンロード」ボタンからダウンロードするか「グラフを保存公開」ボタンからWEB上に直接公開することもできます

xGrapherのファネルチャート作成画面

ぜひ一度、その手軽さを体験してみてください。

まとめ

この記事では、ファネルチャートの基本的な意味から、目的、メリット、具体的な作り方、活用事例までを解説しました。

ファネルチャートは、ビジネスにおけるユーザーの行動やプロセスの課題点を明確にし、データに基づいた改善策を導き出すための非常に強力なツールです。

まずは自社のビジネスプロセスを洗い出し、簡単なデータからでもファネルチャートを作成してみてはいかがでしょうか。これまで見えていなかった改善のヒントが、きっと見つかるはずです。

コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。