【陸上競技】マンダラチャートで自己ベスト更新!目標達成シートの書き方と種目別具体例

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「あと0.1秒縮めたい」「スランプから抜け出したい」「大会で緊張して実力が出せない」
陸上競技に取り組む中で、こうした壁にぶつかることは誰にでもあります。ただ闇雲に走ったり跳んだりするだけでは、高い壁を越えることは難しいかもしれません。

そこで取り入れたいのが、メジャーリーガーの大谷翔平選手が高校時代に実践していたことで有名な「マンダラチャート(目標達成シート)」です。

本記事では、陸上競技に特化したマンダラチャートの活用法と、種目ごとにそのまま使える具体的な8つの項目例をご紹介します。漠然とした「速くなりたい」という思いを、具体的な「行動」に変えて、自己ベスト更新を目指しましょう。

陸上競技にこそマンダラチャートが効く理由

マンダラチャートは、9×9のマス目を使って目標を達成するための要素を分解・整理するフレームワークです。

なぜ、これが陸上競技に効果的なのでしょうか?それは、陸上が「結果が数字で明確に出る個人競技」だからです。

サッカーやバスケットボールのような対人・チームスポーツと異なり、陸上は自分自身との戦いの比重が非常に大きいスポーツです。「11秒台を出す」という目標に対して、「何が足りないのか」を極限まで分解する必要があります。

  • フィジカル(筋力、柔軟性)

  • 技術(スタート、フォーム)

  • メンタル(集中力、リラックス)

  • 生活習慣(睡眠、食事)

これらをバランスよく強化し、網羅的に見渡すために、マンダラチャートの「全体を俯瞰できる」構造が最適なのです。

目標地点を俯瞰しているイメージ

【実践編】種目別・マンダラチャートの書き方と8つの要素例

それでは、実際に作成するためのヒントを紹介します。中心のマスに「最終目標(例:県大会出場、100m 11秒00など)」を置き、その周囲を囲む「8つの基礎要素」を決定します。

この「8つの要素」が埋まらずに困っている人のために、種目別のおすすめ構成案を用意しました。これらをベースに、自分の課題に合わせてアレンジしてみてください。

1. 短距離(スプリント)の8要素

0.01秒を争う短距離種目では、瞬発的な「出力」と、それをロスなく伝える「技術」、そして怪我をしない「体」が重要です。

  1. 体づくり・筋力(スクワット数値目標、ハムストリングス強化、体脂肪率管理)

  2. スタート技術(リアクションタイム、ブロッククリアランス、一次加速の姿勢)

  3. スプリント技術(接地位置の修正、腕振りの軌道、骨盤の連動)

  4. 最大スピード(トップスピードの向上、ストライド×ピッチの最適化)

  5. 柔軟性・可動域(股関節の柔軟性、肩甲骨の可動域、動的ストレッチ)

  6. メンタル(本番でのリラックス、集中ルーティン、プラス思考)

  7. 食事・栄養(練習後のプロテイン、試合当日の食事計画、水分補給)

  8. リカバリー・ケア(交代浴、睡眠時間7時間以上、違和感の早期報告)

ハードル競技

2. 長距離・駅伝の8要素

持久力はもちろんですが、長い距離を走り抜くための「ペース感覚」や、練習を継続するための「生活管理」が鍵となります。

  1. スタミナ・持久力(月間走行距離の達成、LSD、距離走の消化)

  2. スピード強化(インターバル走の設定タイム、ラスト400mの切り替え)

  3. ランニングフォーム(省エネ走法、上体のリラックス、接地衝撃の緩和)

  4. ペース感覚(体内時計の精度向上、ラップタイムの安定、集団走での位置取り)

  5. 筋力・体幹(後半ブレない体幹、坂道対策の脚筋力、補強運動)

  6. 食事・体重管理(貧血予防の鉄分摂取、適正体重の維持、カーボローディング)

  7. メンタル(苦しい場面での粘り、単独走での集中力、自信を持つ)

  8. 生活習慣・体調管理(風邪予防、規則正しい起床就寝、疲労のモニタリング)

長距離・駅伝のイメージ

3. フィールド種目(跳躍・投擲)の8要素

技術的な複雑さが増すフィールド種目では、動作の局面ごとの課題と、道具や分析といった客観的な視点が必要です。

  1. 助走・アプローチ(リズムの安定、助走スピードの向上、マークの正確性)

  2. 踏切・リリース技術(踏切脚の接地、ブロック動作、投射角度の最適化)

  3. 空中・フォロースルー動作(空中のバランス、着地・着水の技術、残心)

  4. パワー・瞬発力(プライオメトリクス、ウエイトMAX値更新、爆発的パワー)

  5. 柔軟性・しなり(胸郭の開き、ひねり動作の可動域、怪我防止)

  6. 動画分析・知識(自分のフォーム撮影・確認、トップ選手の動作解析、ルールの熟知)

  7. メンタル・イメージ(成功イメージの再生、失敗後の切り替え、試技間の過ごし方)

  8. 道具・コンディショニング(スパイク・シューズの手入れ、用具へのこだわり、腰・膝のケア)

陸上競技のイメージ

具体的なマンダラチャートの基礎的な書き方やルールについては、以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。
マンダラチャート(目標達成シート)とは書き方から無料ツールまで解説

[完成した陸上競技でのマンダラチャートの例]

完成した陸上競技でのマンダラチャートの例

また、他のスポーツの例を見ることで「運」や「人間性」といった、直接的な技術以外のヒントが得られることもあります。

野球版 / サッカー版 / バスケ版

xGrapherで「進化する」チャートを作ろう

マンダラチャートを作成する際、紙とペンを使うのも良いですが、陸上選手にはオンライン作成ツールの利用を強くおすすめします。

なぜなら、「目標や課題は、練習を通じて日々変化するから」です。

  • 怪我をしてメニューを変えなければならなくなった。

  • タイムが伸びて、目標設定を上方修正したくなった。

  • スマホで練習の前後にすぐ確認したい。

紙に書くと、書き直すたびに汚くなってしまったり、持ち歩くのを忘れたりします。
xGrapher(エックスグラファー) なら、PCやスマホからブラウザ上で簡単にマンダラチャートを作成・保存・編集が可能です。

xGrapherのマンダラチャート作成画面

例えば、部活動のミーティングでタブレットを見ながら修正したり、コーチとデータを共有したりすることも簡単です。まずは中心の目標だけでも入力してみましょう。

今すぐマンダラチャートを作る(無料)

81マスも埋まらない!そんな時はマインドマップから

「8つの要素は決まったけど、その周りのさらに細かい64個の行動(ToDo)まで思いつかない…」
そんな悩みを持つ選手も多いです。無理に埋めようとすると、質の低い目標になってしまいます。

そんな時は、一度マインドマップを使って頭の中を自由に書き出してみるのがおすすめです。

[マインドマップの例]

マインドマップの例
  1. 中心に「速くなるには?」と書く。

  2. 思いつくままに「筋トレ」「走り込み」「新しいスパイク」など枝を伸ばす。

  3. ある程度出揃ったら、似たものをグループ化してマンダラチャートの項目に当てはめる。

この手順を踏むと、驚くほどスムーズにチャートが完成します。xGrapherではマインドマップも同じアカウントで作成できるので、思考整理のツールとして使い分けてみてください。

文武両道を目指す学生アスリートへ

部活動に熱中するあまり、勉強がおろそかになってはいませんか?
実はマンダラチャートは、スポーツだけでなく勉強の計画や、新年の目標設定にも使えます。

「陸上の目標」と「勉強の目標」を両立させるために、それぞれのチャートを作って管理するのも一流アスリートへの近道です。

【受験・資格】マンダラチャートで勉強効率が劇的アップ!目標達成シートの書き方と具体例
新年の目標の立て方決定版!挫折しない具体例とマンダラチャート活用術

まとめ:書くことがゴールではない

マンダラチャートは「書いたら終わり」ではありません。
練習日誌のように毎日眺め、「今日はこのマスの行動ができたか?」をチェックするためのツールです。

  1. 具体的な数値を入れる

  2. スマホでいつでも見られるようにする(xGrapherを活用)

  3. 達成したら色を塗ったり、新しい目標に書き換える

このサイクルを回すことで、あなたの競技力は確実に向上します。
次の大会で自己ベストを更新している自分の姿をイメージしながら、まずは最初の1マスを埋めてみてください。

xGrapher紹介画像

Q&A:陸上選手のマンダラチャートに関するよくある質問

Q1. 初心者でもマンダラチャートは作ったほうがいいですか?

A1. はい、初心者こそおすすめです。陸上競技は専門用語や覚える技術が多いため、チャートを作ることで「何を練習すればいいか」が整理され、上達のスピードが早まります。

Q2. マスがどうしても埋まりません。空欄があってもいいですか?

A2. 最初は空欄があっても構いません。無理に埋めるよりも、本当に必要だと感じる項目を優先してください。練習を続ける中で「これも必要だ」と気づいた時に、xGrapherなどのツールを使って追記していきましょう。

Q3. 「運」や「人間性」といった項目は陸上にも必要ですか?

A3. 必須ではありませんが、入れることを推奨します。道具を大切にする、挨拶をする、ゴミを拾うといった行動は、試合本番での落ち着きや周囲からの応援につながり、結果的に競技パフォーマンスを後押ししてくれます。

Q4. コーチや監督に見せたほうがいいですか?

A4. ぜひ見せてください。指導者と認識を合わせるための最高のツールになります。「自分はこう考えている」という意思表示になり、コーチからもより的確なアドバイスがもらえるようになるでしょう。

Q5. どのくらいの頻度で見直すべきですか?

A5. 見るのは「毎日」、書き直すのは「1〜3ヶ月に1回」または「シーズンごと」が目安です。もちろん、目標を達成したり、課題が変わったりした場合は、その都度修正してください。デジタルツールなら修正も簡単です。

コラム著者・編集者

xGrapher編集チーム

xGrapher編集チームは、オンラインチャート作成ツールの開発者、技術ライターからなる専任チームです。グラフやチャートに関する実務経験から得た知識を活かし、ユーザーにとって価値のある情報を提供することに努めています。

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