ペルシア戦争(紀元前499年〜前449年)は、アケメネス朝ペルシア帝国とギリシア諸ポリスとの間で半世紀にわたって繰り広げられた一連の戦争です。
イオニアの反乱に端を発し、マラトンの戦い(前490年)、テルモピュライの戦い・サラミスの海戦(前480年)、プラタイアの戦い(前479年)などの激戦を経て、最終的にギリシア側が勝利を収めました。ダレイオス1世・クセルクセス1世の父子二代にわたるペルシアのギリシア遠征と、テミストクレス・レオニダス・ミルティアデスらギリシア側の英雄たちの活躍を描く、古代世界最大の戦争の相関図です。
登場人物一覧
テミストクレス
アテネの軍人・政治家で、ペルシア戦争勝利の最大の立役者。前493〜492年にアルコンを務め、アテネの外港ペイライエウスを整備した。前483年にラウレイオン銀山の収益で三段櫂船200隻を建造する海軍拡張策を推進。前480年のサラミスの海戦では、ペルシア艦隊を狭い海峡に誘い込む作戦を立案・指揮し、ギリシア海軍を勝利に導いた。戦後、前470年代末に陶片追放され、最終的にペルシアに渡りマグネシアの長官として没した。
レオニダス1世
アギス朝スパルタ王。前480年のテルモピュライの戦いで、300人のスパルタ兵と共にペルシア大軍を3日間にわたり食い止めた。圧倒的なペルシア軍に対して互角以上に渡り合い、クセルクセスの兄弟2人を戦死させたが、最期は壮絶な死を遂げた。彼の英雄的な犠牲によりアテネは時間を稼ぎ、サラミスの海戦での勝利につながった。
ミルティアデス
アテネの将軍。経験豊富で創意に富む軍の指揮官で、以前はペルシャ軍側で戦った経験も持つ歴戦の勇士。前490年のマラトンの戦いでアテネ軍10人の将軍の一人として、ペルシア軍への駆け足突撃という奇襲戦法を用い、ギリシア軍の死者192人に対してペルシア軍の死者6,400人という大勝利を収めた。
アリスティデス
アテネの政治家・将軍で、「正義の人」と称された。マラトンの戦い(前490年)に将軍の一人として参加。前483〜482年にテミストクレスの海軍拡張策に反対して陶片追放されたが、前480年にペルシアの侵攻に際して召還され、サラミスの海戦ではテミストクレスを忠実に支えた。プラタイアの戦い(前479年)ではアテネ陸軍の総指揮官を務め、戦後はデロス同盟の設立に中心的役割を果たした。
エウリュビアデス
スパルタの将軍で、前480年のサラミスの海戦におけるギリシア連合艦隊の総指揮官。ペロポネソス同盟軍の艦隊司令長官を務め、テミストクレスと共にギリシア艦隊を指揮し勝利に導いた。西翼にアテナイ艦隊、東翼にスパルタ艦隊を配置する布陣で戦った。
パウサニアス
スパルタの王族・将軍で、レオニダス1世の甥。レオニダスの子プレイスタルコスの後見人を務めた。前479年にギリシア連合軍を率いてプラタイアの戦いでマルドニオス率いるペルシア軍を撃破した英雄。前478年にはビザンティオンを奪回したが、その後尊大な態度が反発を招きスパルタに召還された。最終的にペルシアとの内通が発覚し、神殿に逃げ込んだが閉じ込められ餓死した。
ダレイオス1世
アケメネス朝ペルシア帝国の王(在位:前522〜前486年)で、大王とも称される。偽スメルディスを排除して王位に就き、西はエジプト・トラキアから東はインダス川流域に至る世界帝国を建設した。前492年にマルドニオスを司令官としてギリシア遠征を開始し、前490年にはダティスとアルタプレネスを派遣しマラトンの戦いを起こしたが敗北。再遠征を準備中にエジプトの反乱が発生し、前486年に没した。
クセルクセス1世
アケメネス朝ペルシア帝国の王(在位:前486〜前465年)で、ダレイオス1世の子。母はキュロス2世の娘アトッサ。前480年に古代史上最大規模の大軍を率いて自ら出陣し、テルモピュライの戦いでスパルタ軍を破りアテネを一時占領した。しかしサラミスの海戦で大敗し、マルドニオスに陸軍の指揮を委ねて帰国。翌年のプラタイアの戦いでもペルシア軍は敗北し、ギリシア遠征は失敗に終わった。
マルドニオス
ペルシアの将軍で、ダレイオス1世の甥かつ娘婿。父ゴブリュアスはダレイオスの妹と結婚し、マルドニオス自身もダレイオスの娘アルトゾストラを妻とした。前492年にダレイオス1世の命で第1回ギリシア遠征を指揮し、トラキアとマケドニアを服属させたが、アトス岬沖で艦隊が暴風に遭い遠征は中断。前480年のサラミスの海戦後、クセルクセス1世から陸軍の全指揮権を委ねられ、前479年に再びギリシア征服を目指したが、プラタイアの戦いでスパルタ人アエイムネストスに討たれ戦死した。
アルテミシア1世
カリア地方ハリカルナッソスの女僭主。ペルシアに服属しながら、夫の死後ハリカルナッソスを中心にカリア地方を支配した。クセルクセス1世のギリシア遠征に従軍し、サラミスの海戦では5隻の艦隊を率いて参戦。海戦を避けるようクセルクセスに進言したが聞き入れられなかった。しかし海戦では他の将軍・提督に勝る知略と勇気を示し、クセルクセスに「わが軍の男はみな女となり、女が男になった」と言わしめた。
ダティス
メディア人のペルシア将軍。前490年、ダレイオス1世の命を受け、アルタプレネスと共にギリシア遠征軍の司令官として600隻の三段櫂船団を率いた。途上でキクラデス諸島のナクソス島やエウボイア島のエレトリアを陥落させつつアテナイに迫ったが、マラトンの戦いでミルティアデス率いるアテネ軍に敗北した。
関係性一覧
- ダレイオス1世 →父→子 →クセルクセス1世ダレイオス1世 は クセルクセス1世 に対して「父→子」の関係です。
- ダレイオス1世 →叔父・義父→甥・娘婿 →マルドニオスダレイオス1世 は マルドニオス に対して「叔父・義父→甥・娘婿」の関係です。
- クセルクセス1世 →全軍指揮権を委任 →マルドニオスクセルクセス1世 は マルドニオス に対して「全軍指揮権を委任」の関係です。
- アルテミシア1世 →臣従・従軍 →クセルクセス1世アルテミシア1世 は クセルクセス1世 に対して「臣従・従軍」の関係です。
- ダレイオス1世 →遠征軍司令官に任命 →ダティスダレイオス1世 は ダティス に対して「遠征軍司令官に任命」の関係です。
- レオニダス1世 →叔父→甥 →パウサニアスレオニダス1世 は パウサニアス に対して「叔父→甥」の関係です。
- テミストクレス →政敵(海軍策で対立) →アリスティデステミストクレス は アリスティデス に対して「政敵(海軍策で対立)」の関係です。
- アリスティデス →サラミスで協力 →テミストクレスアリスティデス は テミストクレス に対して「サラミスで協力」の関係です。
- テミストクレス →サラミスで共同指揮 →エウリュビアデステミストクレス は エウリュビアデス に対して「サラミスで共同指揮」の関係です。
- ミルティアデス →マラトンで撃破 →ダティスミルティアデス は ダティス に対して「マラトンで撃破」の関係です。
- レオニダス1世 →テルモピュライで交戦 →クセルクセス1世レオニダス1世 は クセルクセス1世 に対して「テルモピュライで交戦」の関係です。
- テミストクレス →サラミスで撃破 →クセルクセス1世テミストクレス は クセルクセス1世 に対して「サラミスで撃破」の関係です。
- パウサニアス →プラタイアで撃破 →マルドニオスパウサニアス は マルドニオス に対して「プラタイアで撃破」の関係です。
- レオニダス1世 →同じスパルタの指揮官 →エウリュビアデスレオニダス1世 は エウリュビアデス に対して「同じスパルタの指揮官」の関係です。
- ミルティアデス →マラトンで共に将軍 →アリスティデスミルティアデス は アリスティデス に対して「マラトンで共に将軍」の関係です。
- アルテミシア1世 →海戦回避を進言 →クセルクセス1世アルテミシア1世 は クセルクセス1世 に対して「海戦回避を進言」の関係です。
- マルドニオス →ペルシア軍の同僚将領 →アルテミシア1世マルドニオス は アルテミシア1世 に対して「ペルシア軍の同僚将領」の関係です。
- ダレイオス1世 →マラトンで敗北(遠征軍派遣) →ミルティアデスダレイオス1世 は ミルティアデス に対して「マラトンで敗北(遠征軍派遣)」の関係です。
- アリスティデス →プラタイアで共同指揮 →パウサニアスアリスティデス は パウサニアス に対して「プラタイアで共同指揮」の関係です。
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