1962年10月、ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設していることが発覚し、米ソ間で核戦争の危機が13日間にわたり続いた。冷戦期最大の危機とされる。
ケネディ大統領はエクスコム(国家安全保障会議執行委員会)を招集し、キューバの海上封鎖を決定。ロバート・ケネディ司法長官とソ連のドブルイニン駐米大使の秘密交渉により、ソ連がキューバからミサイルを撤去する代わりに、アメリカがキューバに侵攻しないことを約束し、トルコのジュピター・ミサイルも撤去するという合意が成立した。
登場人物一覧
J・F・ケネディ
第35代アメリカ大統領。1962年10月22日、キューバでソ連がミサイル基地を建設していることを公表し、キューバの海上封鎖(隔離)を命令した。エクスコム(国家安全保障会議執行委員会)を招集し、空爆ではなく海上封鎖という選択肢を採用。フルシチョフとの書簡外交により核戦争を回避した。
ロバート・ケネディ
アメリカ司法長官。JFKの実弟。エクスコムの中心メンバーとして、事前警告なしの空爆は「真珠湾攻撃の裏返し」だと強く反対し、海上封鎖を主張した。危機の最終段階ではソ連のドブルイニン駐米大使と秘密裏に交渉し、トルコのジュピター・ミサイル撤去を含む妥協案をまとめた。
マクナマラ
アメリカ国防長官。エクスコムのメンバーとして、キューバ周辺の公海上における海上封鎖とソ連船舶の査察を提案し、ケネディ大統領の承認を得た。海上封鎖の実務的な軍事オペレーションを指揮した。
カーチス・ルメイ
アメリカ空軍参謀総長。エクスコムの協議において、海上封鎖は弱腰だとしてキューバのミサイル基地への空爆を強硬に主張し、ケネディ大統領と激しく対立した。「あなたはかなりまずい状況にいますね」とケネディに言い放ち、大統領が「君も一緒だよ」と返した逸話が残る。危機終結後もキューバ侵攻を主張し、海上封鎖による解決を「ミュンヘンの宥和に匹敵する敗北」と批判した。
スティーブンソン
アメリカ国連大使。エクスコムの会議で「平和的解決の可能性を探り尽くすまで空爆はすべきではない」と大統領に強く主張し、トルコのジュピター・ミサイルとキューバの核ミサイルの交換取引を提案した。10月25日の国連安全保障理事会の緊急会合では、ソ連のゾーリン国連大使と対決し、U-2偵察機が撮影した写真を提示してミサイル配備を告発。「地獄が凍りつくまでお待ちしますよ」という名セリフを残した。
フルシチョフ
ソ連共産党第一書記・首相。1962年4月、国防大臣マリノフスキーとの会話を契機にキューバへの核ミサイル配備を発案し、5月の幹部会で正式に承認された。アメリカとの戦略ミサイル格差を埋めることを企図し、秘密裏にアナディル作戦を実行して核ミサイルをキューバに輸送した。最終的にアメリカがキューバに侵攻しないことを条件にミサイル撤去に合意し、10月28日に公式声明を発表した。
グロムイコ
ソ連外務大臣。1962年10月18日、国連総会出席のための訪米中にホワイトハウスでケネディと会談。ソ連の対キューバ援助は「防衛兵器」に過ぎないと繰り返し主張した。ケネディがミサイル基地の存在を既に把握していることに気づかず、モスクワに「状況は満足できるものだった」と報告した。
ドブルイニン
駐米ソ連大使。1962年に着任し、以後24年間にわたり駐米大使を務めた。キューバ危機では、ケネディ大統領の指示を受けたロバート・ケネディ司法長官との秘密交渉の窓口となった。10月27日の危機の頂点において、トルコのジュピター・ミサイル撤去を含む妥協案の調整をロバートとの間で行い、フルシチョフに報告した。この秘密チャンネルが核戦争回避の決定的な役割を果たした。
フィデル・カストロ
キューバ首相。1962年7月、弟のラウル・カストロをモスクワに派遣し、フルシチョフとの間でキューバへの核ミサイル配備に関する秘密協定を締結した。アメリカの侵攻を恐れ、10月26日にフルシチョフへ書簡を送り先制核攻撃を私的に促した。危機の決着後、自国に相談なくミサイル撤去を決めたフルシチョフに激怒し、一時ソ連との関係が冷え込んだ。
チェ・ゲバラ
キューバ工業大臣。1962年8月末にソ連を訪問し、キューバへの核ミサイル配備に関する最終合意の署名を行った。ミサイル配備の公表を主張したがフルシチョフに退けられた。危機中はピナール・デル・リオ州の洞窟に指令室を設け、キューバ西部の防衛指揮を担当した。危機後はソ連の一方的なミサイル撤去に強い不信感を抱いた。
関係性一覧
- J・F・ケネディ →米ソ対立・書簡外交で妥協 →フルシチョフJ・F・ケネディ は フルシチョフ に対して「米ソ対立・書簡外交で妥協」の関係です。
- J・F・ケネディ →兄弟・最側近 →ロバート・ケネディJ・F・ケネディ は ロバート・ケネディ に対して「兄弟・最側近」の関係です。
- J・F・ケネディ →大統領→国防長官 →マクナマラJ・F・ケネディ は マクナマラ に対して「大統領→国防長官」の関係です。
- J・F・ケネディ →大統領→国連大使 →スティーブンソンJ・F・ケネディ は スティーブンソン に対して「大統領→国連大使」の関係です。
- J・F・ケネディ →会談(10/18)・虚偽の弁明 →グロムイコJ・F・ケネディ は グロムイコ に対して「会談(10/18)・虚偽の弁明」の関係です。
- J・F・ケネディ →海上封鎖で圧力 →フィデル・カストロJ・F・ケネディ は フィデル・カストロ に対して「海上封鎖で圧力」の関係です。
- フルシチョフ →ミサイル配備を合意 →フィデル・カストロフルシチョフ は フィデル・カストロ に対して「ミサイル配備を合意」の関係です。
- フィデル・カストロ →撤去に激怒・不信 →フルシチョフフィデル・カストロ は フルシチョフ に対して「撤去に激怒・不信」の関係です。
- フルシチョフ →書記長→外務大臣 →グロムイコフルシチョフ は グロムイコ に対して「書記長→外務大臣」の関係です。
- ロバート・ケネディ →秘密交渉(10/27)・妥協案を調整 →ドブルイニンロバート・ケネディ は ドブルイニン に対して「秘密交渉(10/27)・妥協案を調整」の関係です。
- ドブルイニン →交渉内容を報告 →フルシチョフドブルイニン は フルシチョフ に対して「交渉内容を報告」の関係です。
- スティーブンソン →国連でソ連を告発(対ゾーリン大使) →フルシチョフスティーブンソン は フルシチョフ に対して「国連でソ連を告発(対ゾーリン大使)」の関係です。
- フィデル・カストロ →首相→工業大臣・革命同志 →チェ・ゲバラフィデル・カストロ は チェ・ゲバラ に対して「首相→工業大臣・革命同志」の関係です。
- チェ・ゲバラ →最終合意の署名・公表を要求 →フルシチョフチェ・ゲバラ は フルシチョフ に対して「最終合意の署名・公表を要求」の関係です。
- マクナマラ →エクスコム同僚 →ロバート・ケネディマクナマラ は ロバート・ケネディ に対して「エクスコム同僚」の関係です。
- マクナマラ →エクスコム同僚 →スティーブンソンマクナマラ は スティーブンソン に対して「エクスコム同僚」の関係です。
- カーチス・ルメイ →空爆を強硬に主張・対立 →J・F・ケネディカーチス・ルメイ は J・F・ケネディ に対して「空爆を強硬に主張・対立」の関係です。
- カーチス・ルメイ →軍事戦略で対立(力 vs 管理) →マクナマラカーチス・ルメイ は マクナマラ に対して「軍事戦略で対立(力 vs 管理)」の関係です。
おすすめの相関図

二・二六事件の相関図

太平洋戦争の相関図

ペロポネソス戦争の相関図

『イギリス市民革命』を相関図でわかりやすく解説

『日露戦争』を相関図でわかりやすく解説
