モンゴル帝国(13世紀)の主要人物の相関図です。1206年にテムジン(チンギス・ハン)がモンゴル高原を統一して建国し、ユーラシア大陸の大部分を支配した史上最大級の帝国の人物関係を示しています。
チンギス・ハンの正妻ボルテとの間に生まれた4人の息子(ジュチ、チャガタイ、オゴデイ、トゥルイ)がそれぞれ領地を継承し、孫の代にはフビライが元朝を建国、バトゥがキプチャク・ハン国を築くなど、帝国は分裂しながらも広大な領域を支配しました。
登場人物一覧
チンギス・ハン
モンゴル帝国の初代皇帝(在位:1206年〜1227年)。本名テムジン。モンゴル高原の遊牧民諸部族を統一し、1206年のクリルタイ(大集会)でチンギス・ハン(シャーマニズムにおける「光明の神」に由来する称号)の尊号を受けた。金朝・西夏・ホラズム朝などを征服し、ユーラシア大陸にまたがる大帝国の基盤を築いた。
ジュチ
チンギス・ハンと正妻ボルテの長男。ホラズム遠征などで武功を挙げたが、母ボルテがメルキト族に捕らわれていた時期に生まれたため、出自を疑われた。「ジュチ」は「客人」の意味とされる。キプチャク草原方面の領地を与えられ、後のキプチャク・ハン国(ジョチ・ウルス)の祖となった。父より先の1225年頃に死去。
チャガタイ
チンギス・ハンの次男。気性が激しく人望がなかったとされる。チンギス・ハンのヤサ(法典)に精通し、法の守護者としての役割を担った。中央アジア(カシュガリア・マー・ワラー・アンナフル)の領地を与えられ、チャガタイ・ハン国の祖となった。長兄ジュチとは対立が激しかった。
オゴデイ
チンギス・ハンの三男。モンゴル帝国第2代大ハン(在位:1229年〜1241年)。兄弟の誰とも良好な関係を保ち、一族の和を重んじる父チンギスの生前から後継者に指名されていた。1229年のクリルタイで正式に即位し、金朝を滅ぼすなど帝国の拡大を推進。バトゥによるヨーロッパ遠征も命じた。1241年に死去。
トゥルイ
チンギス・ハンの四男(末子)。父に最も寵愛され、モンゴルの慣習に従い東モンゴルの本領を相続した。猛将として知られ、ホラズム遠征や金朝遠征で活躍。父の死後、次代オゴデイが即位するまで監国(摂政)として帝国を統治した。モンケ、フビライ、フラグ、アリクブケの父。1232年頃に死去。
バトゥ
ジュチの次男。1236年〜1242年のヨーロッパ大遠征を率い、ロシア諸公国を征服。副官にスブタイを従え、1241年のモヒの戦いでハンガリー軍を撃破した。1242年にオゴデイの死去の報を受け遠征を中止。1243年にヴォルガ川下流のサライを都としてキプチャク・ハン国(ジョチ・ウルス)を確立した。モンケの即位を支持した有力者。
モンケ
トゥルイの長男。モンゴル帝国第4代大ハン(在位:1251年〜1259年)。第3代グユク・ハンの死後、バトゥの推挙を受けてクリルタイで即位。オゴデイ家・チャガタイ家の反対派を粛清して権力を掌握した。弟フビライを中国方面に、弟フラグを西アジア方面に派遣。自ら南宋遠征を指揮したが、1259年に四川で病没した。
フビライ
トゥルイの次男。モンゴル帝国第5代大ハン(在位:1260年〜1294年)。兄モンケの急死後、1260年に独自にクリルタイを強行して即位。末弟アリクブケとの内戦に勝利し権力を掌握した。1271年に国号を元と定め、都を大都(北京)に遷都。南宋を滅ぼして中国全土を統一し、日本・ベトナム・ジャワなどにも遠征軍を送った。
フラグ
トゥルイの三男(旭烈兀、1217年頃〜1265年)。モンゴル帝国第4代大ハン・モンケの命により1253年に西アジア遠征に出発。1256年にイスマーイール派(暗殺教団)の本拠を攻略し、1258年にバグダードを陥落させてアッバース朝を滅ぼした。この遠征を基盤にイラン高原を中心とするイル・ハン国(フレグ・ウルス)を建国し、都をタブリーズに置いた。兄フビライの元朝と密接な関係を維持した。
スブタイ
ウリャンカイ部出身の将軍。兄ジェルメとともにチンギス・ハンに仕え、「四狗(モンゴル帝国の四駿犬)」の一人に数えられた勇将。ホラズム遠征ではジェベとともにホラズム王ムハンマドを追撃し、1223年のカルカ河畔の戦いではルーシ・キプチャク連合軍を撃破。オゴデイの時代にはバトゥのヨーロッパ遠征で副官を務め、1241年のモヒの戦いでハンガリー軍を壊滅させた。軍事史家リデル・ハートは著書『Great Captains Unveiled』でスブタイを史上屈指の名将として論じた。
関係性一覧
- チンギス・ハン →長男 →ジュチチンギス・ハン は ジュチ に対して「長男」の関係です。
- チンギス・ハン →次男 →チャガタイチンギス・ハン は チャガタイ に対して「次男」の関係です。
- チンギス・ハン →三男(後継者指名) →オゴデイチンギス・ハン は オゴデイ に対して「三男(後継者指名)」の関係です。
- チンギス・ハン →四男(末子相続) →トゥルイチンギス・ハン は トゥルイ に対して「四男(末子相続)」の関係です。
- ジュチ →父→子 →バトゥジュチ は バトゥ に対して「父→子」の関係です。
- トゥルイ →父→長男 →モンケトゥルイ は モンケ に対して「父→長男」の関係です。
- トゥルイ →父→次男 →フビライトゥルイ は フビライ に対して「父→次男」の関係です。
- チャガタイ →出自を巡る対立 →ジュチチャガタイ は ジュチ に対して「出自を巡る対立」の関係です。
- オゴデイ →協力(金朝遠征) →トゥルイオゴデイ は トゥルイ に対して「協力(金朝遠征)」の関係です。
- チンギス・ハン →主君→四狗の一人 →スブタイチンギス・ハン は スブタイ に対して「主君→四狗の一人」の関係です。
- バトゥ →総司令官→副官 →スブタイバトゥ は スブタイ に対して「総司令官→副官」の関係です。
- バトゥ →即位を推挙・支持 →モンケバトゥ は モンケ に対して「即位を推挙・支持」の関係です。
- モンケ →兄弟(中国方面を委任) →フビライモンケ は フビライ に対して「兄弟(中国方面を委任)」の関係です。
- オゴデイ →ヨーロッパ遠征を命令 →バトゥオゴデイ は バトゥ に対して「ヨーロッパ遠征を命令」の関係です。
- スブタイ →金朝遠征で共闘 →トゥルイスブタイ は トゥルイ に対して「金朝遠征で共闘」の関係です。
- トゥルイ →父→三男 →フラグトゥルイ は フラグ に対して「父→三男」の関係です。
- モンケ →西アジア遠征を命じる →フラグモンケ は フラグ に対して「西アジア遠征を命じる」の関係です。
- フビライ →兄弟(イル・ハン国を建国) →フラグフビライ は フラグ に対して「兄弟(イル・ハン国を建国)」の関係です。
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