ラーマーヤナは、古代インドの叙事詩で、「ラーマの行い」を意味します。ヴィシュヌ神の化身であるコーサラ国の王子ラーマが、魔王ラーヴァナにさらわれた妃シーターを救出するために、猿族の戦士ハヌマーンや猿王スグリーヴァらの助けを得て、ランカー島で壮絶な戦いを繰り広げる英雄物語です。
この相関図では、コーサラ国のダシャラタ王の息子たちであるラーマ・ラクシュマナ・バラタ、ラーマの妃シーター、猿族の英雄ハヌマーンとスグリーヴァ、スグリーヴァの兄で敵対したヴァーリン、魔王ラーヴァナ、そしてラーヴァナを裏切りラーマ側についた弟ヴィビーシャナの関係性を示しています。
登場人物一覧
ダシャラタ王
コーサラ国の都アヨーディヤーの王。子に恵まれず、盛大な馬祀祭を催して王子の誕生を祈願した。カウサリヤー妃からラーマ、カイケーイー妃からバラタ、スミトラー妃からラクシュマナとシャトルグナの4王子が生まれた。カイケーイー妃の策略によりラーマを森に追放することを余儀なくされ、悲嘆のうちに世を去った。
ラーマ
コーサラ国アヨーディヤーの王子で、ダシャラタ王とカウサリヤー妃の子。ヴィシュヌ神の化身とされ、ラーヴァナ討伐のために地上に生まれた。理想の王・理想の夫として描かれる。カイケーイー妃の策略でダンダカの森に14年間追放されたが、シーターとラクシュマナを伴い、猿族の助けを得てランカー島でラーヴァナを討伐した。
シーター
ミティラーのジャナカ王の娘で、ラーマの妃。ラクシュミー女神の化身とされる。ラーマを深く愛し、森への追放にも同行した。ダンダカの森でラーヴァナにさらわれランカー島に囚われたが、ラーヴァナの求愛を断固拒絶し貞節を守り続けた。帰還後、大地に向かって貞潔を誓い、大地が割れて地中に消えた。
ラクシュマナ
ダシャラタ王とスミトラー妃の子で、ラーマの弟。ラーマの忠実な相棒として森への追放にも同行した。シーターを守る側近として常に兄の傍らにあり、羅刹女シュールパナカーの鼻と耳を切り落としてシーターを救った。ランカーの戦いではラーヴァナの息子インドラジットと戦い瀕死の重傷を負うが、ハヌマーンの薬草によって復活した。
バラタ
ダシャラタ王とカイケーイー妃の子で、ラーマの異母弟。母カイケーイーの策略によりラーマが追放されたことを知ると、ダシャラタ王の国葬後にラーマの元を訪ね、帰国を懇願した。しかしラーマの意志が固かったため、ラーマの履物(パドゥカ)を譲り受けて王座に置き、自らは臣下としてラーマの帰還まで国政を代行した。
ハヌマーン
風神ヴァーユが天女アンジャナーとの間にもうけた子で、ヴァナラ(猿族)の英雄。猿王スグリーヴァの臣下として仕え、後にラーマに忠誠を誓った。単身で海を渡りランカー島に潜入し、囚われのシーターの居場所を発見してラーマに報告した。ランカーの戦いではカイラーサ山から薬草を運び、瀕死のラクシュマナを救った。ラーマへの献身の象徴として広く崇拝される。
スグリーヴァ
太陽神スーリヤの子で、ヴァナラ(猿族)の都キシュキンダーの王。兄ヴァーリンに追放され王位と妻ルーマーを奪われていたが、ラーマの助力によりヴァーリンを倒して王位を取り戻した。その恩義に報い、ヴァナラ軍を率いてラーマのシーター奪還を全面的に支援した。
ヴァーリン
インドラ神が猿王リクシャラージャスの妃との間に生んだ子で、スグリーヴァの兄。ヴァナラの都キシュキンダーを支配していた。敵を追って洞窟に入ったまま1年間戻らず、死んだと思ったスグリーヴァが王位を継いだことに激怒し、弟を追放して妃ルーマーを奪った。ラーマの矢によって倒された。
ラーヴァナ
ラークシャサ(羅刹)の王で、ランカー島を本拠地としてラークシャサ族を治めた。十の頭と二十の腕を持つ強大な魔王。ヴィシュラヴァスとラークシャサ族のスマーリンの娘カイカシーの子で、クンバカルナ、ヴィビーシャナ、シュールパナカーの兄。魔術師マーリーチャに黄金の鹿に化けさせ、ラーマとラクシュマナがシーターの傍を離れた隙にシーターを略奪してランカー島へ連れ去った。最終的にラーマとの決戦で討たれた。
ヴィビーシャナ
心正しいラークシャサで、ラーヴァナ、クンバカルナ、シュールパナカーの兄弟。兄ラーヴァナがシーターを略奪した際、その非を責めてシーターの返還を説得したが聞き入れられなかった。部下を連れてラーマ軍に投降し、ラーヴァナ軍の弱点を教えて勝利に貢献した。戦後、ランカー島の王となった。
関係性一覧
- ダシャラタ王 →父→長男 →ラーマダシャラタ王 は ラーマ に対して「父→長男」の関係です。
- ダシャラタ王 →父→次男 →バラタダシャラタ王 は バラタ に対して「父→次男」の関係です。
- ダシャラタ王 →父→三男 →ラクシュマナダシャラタ王 は ラクシュマナ に対して「父→三男」の関係です。
- ラーマ →夫婦 →シーターラーマ は シーター に対して「夫婦」の関係です。
- ラーマ →兄弟(異母) →ラクシュマナラーマ は ラクシュマナ に対して「兄弟(異母)」の関係です。
- ラーマ →兄弟(異母) →バラタラーマ は バラタ に対して「兄弟(異母)」の関係です。
- バラタ →帰国を懇願・代行統治 →ラーマバラタ は ラーマ に対して「帰国を懇願・代行統治」の関係です。
- ラクシュマナ →忠実な相棒 →ラーマラクシュマナ は ラーマ に対して「忠実な相棒」の関係です。
- ラーヴァナ →略奪・求愛(拒絶される) →シーターラーヴァナ は シーター に対して「略奪・求愛(拒絶される)」の関係です。
- ラーマ →討伐 →ラーヴァナラーマ は ラーヴァナ に対して「討伐」の関係です。
- ハヌマーン →絶対的忠誠・献身 →ラーマハヌマーン は ラーマ に対して「絶対的忠誠・献身」の関係です。
- ハヌマーン →ランカー島で発見・救出 →シーターハヌマーン は シーター に対して「ランカー島で発見・救出」の関係です。
- ハヌマーン →薬草で命を救う →ラクシュマナハヌマーン は ラクシュマナ に対して「薬草で命を救う」の関係です。
- ハヌマーン →臣下→猿王 →スグリーヴァハヌマーン は スグリーヴァ に対して「臣下→猿王」の関係です。
- スグリーヴァ →同盟・軍を率いて支援 →ラーマスグリーヴァ は ラーマ に対して「同盟・軍を率いて支援」の関係です。
- ラーマ →王位奪還を援助 →スグリーヴァラーマ は スグリーヴァ に対して「王位奪還を援助」の関係です。
- スグリーヴァ →兄弟(対立) →ヴァーリンスグリーヴァ は ヴァーリン に対して「兄弟(対立)」の関係です。
- ラーマ →矢で討つ →ヴァーリンラーマ は ヴァーリン に対して「矢で討つ」の関係です。
- ラーヴァナ →兄弟 →ヴィビーシャナラーヴァナ は ヴィビーシャナ に対して「兄弟」の関係です。
- ヴィビーシャナ →投降・弱点を伝授 →ラーマヴィビーシャナ は ラーマ に対して「投降・弱点を伝授」の関係です。
- ヴィビーシャナ →シーター返還を進言(拒絶) →ラーヴァナヴィビーシャナ は ラーヴァナ に対して「シーター返還を進言(拒絶)」の関係です。
- ラクシュマナ →妹シュールパナカーを傷つける →ラーヴァナラクシュマナ は ラーヴァナ に対して「妹シュールパナカーを傷つける」の関係です。
