古代エジプト神話の中核をなすオシリス神話の相関図です。大地の神ゲブと天空の女神ヌトの子であるオシリス・イシス・セト・ネフティスの四兄弟姉妹を中心に、オシリスの殺害と復活、そして息子ホルスによる復讐と王位奪還の物語を描きます。
エジプトの王として善政を敷いたオシリスは、王位を狙う弟セトの策略によって殺害され、遺体を14の断片にばらばらにされます。妻イシスは妹ネフティスとともに長い旅の末に遺体の断片を集め、自らの強大な魔力とアヌビスによるミイラ化の技でオシリスを復活させました。オシリスとイシスの息子ホルスは成長後、神々の法廷で80年にわたりセトと王位を争い、最終的に勝利してエジプトの正統な王となりました。以後、地上の王ファラオはホルスの化身と見なされるようになります。
登場人物一覧
オシリス
大地の神ゲブと天空の女神ヌトの長男で、エジプトの王として善政を敷いた穀物と豊穣の神。弟セトの策略により殺害され、遺体を14の断片にばらばらにされた。妻イシスの尽力により復活を遂げ、以後は冥界の王として死者を裁く神となった。
イシス
ゲブとヌトの長女で、オシリスの妻にして豊穣と魔法の女神。セトに殺害され14の断片にされたオシリスの遺体を、妹ネフティスとともに長い旅の末に集め、自らの強大な魔力で復活させた。オシリスとの間にホルスを身籠り、セトから隠れてホルスを育て上げた。
セト
ゲブとヌトの次男で、砂漠・嵐・暴風を司る戦争の神。「力偉大なるもの、異国の領主、嵐と暴風の領主」の称号を持つ。兄オシリスの王位を狙い、策略によってオシリスを殺害し遺体を14片にばらまいた。甥ホルスとの80年に及ぶ王位争いに敗れた。
ネフティス
ゲブとヌトの次女で、葬祭・哀悼・守護の女神。セトの配偶神であるが、長兄オシリスに想いを寄せ、オシリスとの間にアヌビスを身籠った。セトの怒りを恐れてアヌビスを葦の茂みに捨てたが、姉イシスに拾われて育てられた。オシリスの遺体探しではイシスに同行し助けた。
ホルス
オシリスとイシスの息子で、ハヤブサの頭を持つ天空の神。母イシスに守られてセトから身を隠しながら成長し、父の仇であるセトに復讐を挑んだ。神々の法廷で80年にわたる争いの末にセトに勝利し、エジプトの正統な王となった。以後ファラオはホルスの化身と見なされる。太陽神ラーと習合しラー・ホルアクティとなった。
アヌビス
オシリスとネフティスの不義の子で、ジャッカルの頭を持つ冥界の神。ネフティスがセトの怒りを恐れて葦の茂みに捨てたが、伯母イシスに拾われて養子として育てられた。オシリスの遺体を防腐処理してミイラとして復元した「ミイラ作りの神」。死者の審判ではマアトの羽根と死者の心臓を天秤にかける役割を担う。
ラー
エジプト神話の太陽神。創造神アトゥムと習合しラー・アトゥムとなり、ヘリオポリスの最高神とされた。日中はハヤブサの頭を持つ姿で天空を飛翔し、夜は雄羊の姿で冥界を旅するとされる。ホルスとセトの王位争い(ホルスとセトの争い)ではラー・ホルアクティの姿で神々の法廷の裁判長を務めた。ホルスと習合してラー・ホルアクティとなった。
トト
知恵・書記・月を司る神で、トキの頭を持つ姿で描かれる。ヒエログリフを発明した書記の守護者。ホルスとセトの争いでは基本的に中立の立場で調停役を務めたが、セトに傷つけられたホルスの目を癒すなどホルス側を助けた。死者の審判では死者の名前と行動を記録する役割を持つ。配偶神はマアト。
マアト
真理・正義・秩序を司る女神で、頭にダチョウの羽根を挿した女性の姿で描かれる。宇宙の基本的な秩序そのものを神格化した存在。死者の審判では「マアトの羽根」が天秤の皿に置かれ、死者の心臓と比較される。トト神の配偶神。ホルスのセトに対する勝利はマアト(宇宙の秩序)の回復とされた。
関係性一覧
- オシリス →夫婦(兄妹婚) →イシスオシリス は イシス に対して「夫婦(兄妹婚)」の関係です。
- セト →夫婦(兄妹婚) →ネフティスセト は ネフティス に対して「夫婦(兄妹婚)」の関係です。
- オシリス →兄弟 →セトオシリス は セト に対して「兄弟」の関係です。
- セト →王位を妬み殺害 →オシリスセト は オシリス に対して「王位を妬み殺害」の関係です。
- イシス →姉妹(遺体探しに協力) →ネフティスイシス は ネフティス に対して「姉妹(遺体探しに協力)」の関係です。
- オシリス →父→息子 →ホルスオシリス は ホルス に対して「父→息子」の関係です。
- イシス →母→息子(セトから守り育てた) →ホルスイシス は ホルス に対して「母→息子(セトから守り育てた)」の関係です。
- ホルス →父の仇・80年の王位争い →セトホルス は セト に対して「父の仇・80年の王位争い」の関係です。
- ネフティス →密通(アヌビスを身籠る) →オシリスネフティス は オシリス に対して「密通(アヌビスを身籠る)」の関係です。
- オシリス →実父→息子(不義の子) →アヌビスオシリス は アヌビス に対して「実父→息子(不義の子)」の関係です。
- ネフティス →実母→息子(捨てた) →アヌビスネフティス は アヌビス に対して「実母→息子(捨てた)」の関係です。
- イシス →養母→養子(拾い育てた) →アヌビスイシス は アヌビス に対して「養母→養子(拾い育てた)」の関係です。
- アヌビス →ミイラとして復元 →オシリスアヌビス は オシリス に対して「ミイラとして復元」の関係です。
- ラー →アヌビスに防腐処理を命じた →オシリスラー は オシリス に対して「アヌビスに防腐処理を命じた」の関係です。
- ラー →習合(ラー・ホルアクティ) →ホルスラー は ホルス に対して「習合(ラー・ホルアクティ)」の関係です。
- ラー →裁判長として裁定 →セトラー は セト に対して「裁判長として裁定」の関係です。
- トト →傷ついた目を癒した →ホルストト は ホルス に対して「傷ついた目を癒した」の関係です。
- トト →書記・裁判の記録係 →ラートト は ラー に対して「書記・裁判の記録係」の関係です。
- トト →夫婦 →マアトトト は マアト に対して「夫婦」の関係です。
- アヌビス →マアトの羽根で死者を審判 →マアトアヌビス は マアト に対して「マアトの羽根で死者を審判」の関係です。
- ホルス →勝利でマアト(秩序)を回復 →マアトホルス は マアト に対して「勝利でマアト(秩序)を回復」の関係です。
