アーサー王伝説は、中世ヨーロッパで広く語り継がれたブリテン王アーサーと円卓の騎士たちの物語です。岩に刺さった剣を引き抜いて王となったアーサーは、キャメロット城に円卓を置き、上座下座のない対等な関係で騎士たちを束ねました。
しかし、王妃グィネヴィアと最強の騎士ランスロットの不義、モードレッドの謀反により、理想の王国キャメロットは崩壊へと向かいます。聖杯探索、騎士道の栄光と挫折、愛と裏切りが交錯する壮大な物語の人物相関図です。
登場人物一覧
ユーサー・ペンドラゴン
ブリテン王でアーサー王の父。マーリンの魔術によりコーンウォール公ゴルロイスの姿に変身し、その妻イグレインとの間にアーサーをもうけた。ゴルロイスは同じ夜に戦死し、ユーサーはイグレインと正式に結婚した。「ペンドラゴン(戦士の長)」の称号で知られる。
マーリン
人間の女性と夢魔(インキュバス)の間に生まれた伝説の大魔術師。歴代のブリテン王に仕え、ユーサー・ペンドラゴンを導き、幼いアーサーの養育を手配した。アーサーが聖剣エクスカリバーを手に入れるよう湖の乙女のもとに導いたが、ニムエ(湖の乙女)に想いを寄せてつきまとった結果、彼女の魔術により大岩の下に封じ込められた。
アーサー王
岩に刺さった剣を引き抜いてブリテン王となった伝説の王。キャメロット城に円卓を置き、対等な関係で騎士たちを束ねた。聖剣エクスカリバーを持ち、周辺国を制圧して理想の王国を築いたが、王妃グィネヴィアとランスロットの不義、モードレッドの謀反により王国は崩壊。カムランの戦いでモードレッドを倒すも自身も致命傷を負い、伝説の島アヴァロンへ運ばれた。
グィネヴィア
レオデグランス王の娘でアーサー王の王妃。円卓はもともと父レオデグランスが所有しており、結婚の際にアーサーに贈られた。最強の騎士ランスロットと不義の関係に陥り、これがキャメロット崩壊の原因となった。最終的に修道院に入り、残りの人生をそこで過ごした。
ランスロット
「湖の騎士」と呼ばれる円卓最強の騎士。フランスのベンウィック王バンの息子で、父の死後、湖の乙女に引き取られて育てられた。アーサー王の腹心の友であったが、王妃グィネヴィアと不義の関係になり、円卓の騎士がアーサー派とランスロット派に分裂する原因を作った。グィネヴィアの火刑を阻止する際、武装していなかったガウェインの弟ガヘリスとガレスを殺害してしまい、取り返しのつかない対立を生んだ。
ガウェイン
アーサー王の甥で円卓の騎士のリーダー的存在。「太陽の騎士」と呼ばれ、朝から正午まで力が3倍になるという特性を持つ。ランスロットと並ぶ武勇の持ち主であったが、ランスロットに弟ガヘリスとガレスを殺されたことから復讐心を募らせ、円卓の分裂を深めた。ロット王とモルゴースの息子。
ガラハッド
ランスロットとコーベニックの王ペレスの娘エレインの間に生まれた息子で「聖杯の騎士」と呼ばれる。円卓の「危険の席(シージ・ペリラス)」に座っても無事であった唯一の騎士。この世で最も偉大な騎士とされ、パーシヴァルとボールスとともに聖杯探索を成し遂げた。聖杯の奇跡を目にした後、サラスの地で天に召された。
パーシヴァル
円卓の騎士の一人で、聖杯探索に成功した騎士。ガラハッドとボールスとともに聖杯を発見した。初期の聖杯伝説(クレティアン・ド・トロワの作品)では主人公的存在であったが、マロリーの『アーサー王の死』ではガラハッドに次ぐ第二の聖杯騎士として描かれる。純粋な処女騎士として聖杯を成就する資格を持つ。
トリスタン
リオネス王メリオダスの息子で、コーンウォール王マルク王の甥。ランスロットと並ぶ武勇を誇る円卓の騎士。マルク王の花嫁イゾルデを迎えに行く途中、誤って媚薬を飲み、イゾルデと禁断の恋に落ちた。「トリスタンとイゾルデ」の悲恋で知られる。
モードレッド
アーサー王と異父姉モルゴースとの近親相姦によって生まれた不義の子。アーサーがランスロット討伐のためフランスへ遠征した際に留守を任され、王位を簒奪しようと謀反を起こした。カムランの戦いでアーサー王に討たれるが、アーサーにも致命傷を与え、キャメロット王国は滅亡した。
モルガン・ル・フェイ
アーサー王の異父姉で強力な魔女。コーンウォール公ゴルロイスとイグレインの娘で、イグレインの三姉妹の末妹。聖剣エクスカリバーの魔法の鞘を盗み、恋人アコーロンに本物のエクスカリバーを渡してアーサーを殺そうと謀った。陰謀が失敗するとエクスカリバーの鞘を湖に投げ捨て、アーサーの守護を永久に奪った。しかし最後にはアーサーがカムランで致命傷を負った際、三人の女王の一人として船に乗り、アーサーをアヴァロンへ運んだ。
モルゴース
コーンウォール公ゴルロイスとイグレインの娘で、アーサー王やモルガン・ル・フェイの異父姉。オークニーのロット王の妻で、ガウェイン、アグラヴェイン、ガヘリス、ガレスの母。アーサーの正体を知らずに(一説では知りつつ)一夜を共にし、モードレッドを身ごもった。後にペリノア王の息子ラモラック卿と愛人関係になったが、父の仇の息子との関係を疎んだ息子ガヘリスによって殺害された。
マルク王
コーンウォールの王で、トリスタンの叔父。甥トリスタンにアイルランドの王女イゾルデを花嫁として迎えに行かせたが、二人は航海中に誤って媚薬を飲み禁断の恋に落ちた。初期の伝説では同情的な人物として描かれるが、後の版(特にマロリーの『アーサー王の死』)では嫉妬深く卑劣な暴君として描かれ、最終的にトリスタンを殺害する。
関係性一覧
- ユーサー・ペンドラゴン →父→息子 →アーサー王ユーサー・ペンドラゴン は アーサー王 に対して「父→息子」の関係です。
- マーリン →導師・助言者 →アーサー王マーリン は アーサー王 に対して「導師・助言者」の関係です。
- マーリン →魔術で補佐 →ユーサー・ペンドラゴンマーリン は ユーサー・ペンドラゴン に対して「魔術で補佐」の関係です。
- アーサー王 →夫婦 →グィネヴィアアーサー王 は グィネヴィア に対して「夫婦」の関係です。
- グィネヴィア →不義の恋 →ランスロットグィネヴィア は ランスロット に対して「不義の恋」の関係です。
- アーサー王 →腹心の友→対立 →ランスロットアーサー王 は ランスロット に対して「腹心の友→対立」の関係です。
- アーサー王 →叔父→甥(信頼) →ガウェインアーサー王 は ガウェイン に対して「叔父→甥(信頼)」の関係です。
- ガウェイン →弟殺害への復讐心 →ランスロットガウェイン は ランスロット に対して「弟殺害への復讐心」の関係です。
- ランスロット →父→息子 →ガラハッドランスロット は ガラハッド に対して「父→息子」の関係です。
- ガラハッド →聖杯探索の同志 →パーシヴァルガラハッド は パーシヴァル に対して「聖杯探索の同志」の関係です。
- アーサー王 →父→不義の子 →モードレッドアーサー王 は モードレッド に対して「父→不義の子」の関係です。
- モードレッド →謀反・王位簒奪 →アーサー王モードレッド は アーサー王 に対して「謀反・王位簒奪」の関係です。
- モルガン・ル・フェイ →異父姉(敵対→アヴァロンへ導く) →アーサー王モルガン・ル・フェイ は アーサー王 に対して「異父姉(敵対→アヴァロンへ導く)」の関係です。
- ユーサー・ペンドラゴン →継父→継娘 →モルガン・ル・フェイユーサー・ペンドラゴン は モルガン・ル・フェイ に対して「継父→継娘」の関係です。
- ガウェイン →異父兄弟 →モードレッドガウェイン は モードレッド に対して「異父兄弟」の関係です。
- アーサー王 →主君→騎士 →トリスタンアーサー王 は トリスタン に対して「主君→騎士」の関係です。
- アーサー王 →主君→騎士 →パーシヴァルアーサー王 は パーシヴァル に対して「主君→騎士」の関係です。
- アーサー王 →主君→騎士 →ガラハッドアーサー王 は ガラハッド に対して「主君→騎士」の関係です。
- ランスロット →武勇を競う同志 →トリスタンランスロット は トリスタン に対して「武勇を競う同志」の関係です。
- モルゴース →母→息子 →ガウェインモルゴース は ガウェイン に対して「母→息子」の関係です。
- モルゴース →母→息子 →モードレッドモルゴース は モードレッド に対して「母→息子」の関係です。
- アーサー王 →近親相姦(モードレッドの出生) →モルゴースアーサー王 は モルゴース に対して「近親相姦(モードレッドの出生)」の関係です。
- モルガン・ル・フェイ →姉妹 →モルゴースモルガン・ル・フェイ は モルゴース に対して「姉妹」の関係です。
- マルク王 →叔父と甥・主従→裏切り →トリスタンマルク王 は トリスタン に対して「叔父と甥・主従→裏切り」の関係です。